暮らし,沖縄市
室内でスケートボードが楽しめる?意外な施設が生まれ変わり 地域の憩いの場に
2021年の東京オリンピックで、西矢椛選手が日本史上最年少の金メダリストに輝くなど、一躍注目を集めたのが、スケートボードだ。実は沖縄県内にも、あるユニークなスケートパークがあり、地域のこどもたちの居場所になっている。
東京五輪コーチが運営を手がけるスケートパーク
植草凜アナウンサー
「沖縄市のパークアベニューです。ストリートカルチャー溢れるコザの街で、スケートボードが楽しめる施設がこちらです。スケートクラブオリオン!中は広々として開放的なスケートパークになっています!」
2021年1月に誕生した県内でただ一つの室内スケートボード施設。「スケートクラブオリオン」運営するのは、沖縄県内初のプロスケートボーダー才哲治さん。過去3度、日本チャンピオンに輝き、2021年の東京オリンピックでは代表コーチも務めた。
店内をよく見ると、バーカウンターや、ミラーボールなど…スケートパークらしからぬ設備の数々…。
ここは一体!?
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「もともとはベトナム戦争時、外国人向けのショークラブ。夜のお店ですね。そこが閉店してしばらく閉まっていたところを、僕らが縁があってお借りすることができた」
なんと30年以上使われていなかったショークラブを、才さんや関係者が改装し、縦横無尽にスケートボードを楽しめる空間に生まれ変わらせたのだ。天井を高くするため新設した中2階には、滑った後に休憩できる“VIPルーム”のようなスペースも。
元の建物を活かしつつ楽しめる空間に!
安らぎの場所にはかつての店の名残が…
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「昔のショークラブ時代のメニュー表とか、許可証みたいな」
植草凜アナウンサー
「風俗営業と書いてますね」
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「ちょっと貴重なやつなんです」
さらに2階にあがると…。
植草凜アナウンサー
「元々は人が住んでいたスペースですか?」
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「そうです。床があって畳、ほぼ全部畳でした。欄間は残しながら」
当時ショークラブのオーナーが暮らしていた2階には、ミニランプを設置している。
植草凜アナウンサー
「よくここ来られるんですか?」
お客さん
「はい。週3回くらいかな。みんなスケボー好きだから自由にスケボーできるから好き」
1階も2階も…建物全体がまるで秘密基地のようなスケートパーク!
「地域とスケートボードの関係をさらに近づける場所にするため」
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「もともと道向かいで、ハーフパイプの施設をやっていた。地域の方々、近くのおばあたちや子供たちが練習しているのを見にきたりとか、近所の人がいつも頑張っているねと声をかけてくれたりとか涼みにきたりとか。地域とスケートボードという関係がうまくできているなというのをすごく感じていた」
より地域とスケートボードの距離を近づけ、その可能性を広げたいと生まれたのがこのスケートクラブオリオン。
改装の費用は利用者の寄付やクラウドファンディングで多くをまかない、廃材の提供など地域の支援もあった。
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「僕らがやりたいことを地域に理解して頂いているので、コザでやっていて良かったなと凄く思います」
才さんが目指すのは、“児童館”のような地域のこどもたちの居場所。天候や暑さを気にせず滑ることができるため、夏休みの間、大勢のこどもたちが集まる。
植草凜アナウンサー
「みんなにとってはどんな場所ですか?」
中学生
「遊び場!」
植草凜アナウンサー
「3人はどこで出会ったの?」
中学生
「ここです」
スケートクラブで出会ってまだ3か月という3人だが、夏休みはほとんど毎日通って技を磨いている。
中学生
「自分が好きな事に、ここを通して出会うことができたし、いろんな人と関りを持つことができた」
こどもたちは大切なこの場所がより親しまれる施設になるよう、店の前に地域新聞を張り出すなどさまざまな活動を行っている。
中学生
「この楽しい空間を作ってくれて、いつもありがとうございますじゃん。ね?」
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「模範解答は『おうちより心地いい』とか言ってくれれば良かったのに…」
“遊び”から自由な発想へ「さらなる可能性を広げてほしい」
東京オリンピックを境に日本中で更なる盛り上がりを見せるスケートボード。才さんはスポーツとしての人気が高まっていても、その本質は何ら変わらないと話す。
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「僕らからすると結局は何も変わっていないというのが正直なところで、スケートボードはもともとベースになるのは遊びの部分で、遊びは自由な発想から進化していくので、遊びがベースになっていることでスケートボードの凄さだったり、素晴らしさだったり可能性が広がるので」
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「みんなの近くにスケートボードがある環境を作って、そこからスケートボードが助けてくれる人、育ててくれる人たちを逃さないようにチャンスを与えたい」
いつの日か、未来のオリンピアンがここから誕生するかもしれない。
スケートクラブオリオン代表 才哲治さん
「スケートボードを大きくしていくような人が生まれてくれたらいいなと思います。
僕が追求できなかったまだ分からない可能性もあると思うので、そういうのを見つけてくれる人になれば良いですね」
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