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真崎 睦美

真崎 睦美

「沖縄、ずっと半袖で過ごせる?」四季の気候を体験した移住者のアンサー

ライター真崎 ”2度目の沖縄くらし”だより

目次

昨年の8月25日に「2度目の沖縄暮らし」がスタートしてから丸1年経った。

早い。早すぎる。1周年はめでたいが、それはそれとて早さがすごい。

体感的には先月くらいに正月が終わったはずで、時の経つ早さに毎年毎年とにかくビビる。

人生の先輩たちによる金言「30代はまばたきしている間に終わる」はどうやらマジのガチっぽく、この9月で33歳になったばかりだけど来月あたりには34歳になってる気がする。

昨年9月、32歳の誕生日は今帰仁村のビーチで迎えた
昨年9月、32歳の誕生日は今帰仁村のビーチで迎えた

1度目の沖縄暮らしは、2016年6月から2017年10月までの約1年半に及んだ。

しかし当時、12月~翌2月は年中常夏のフィリピンにいた。寒さに弱すぎて南国沖縄に移住するも「沖縄でも冬はふつうに寒い」という怪談より怖い話を聞きつけ、フィリピン出張と見せかけた冬からの逃避を果たしたのである。

一方この1年は、春・夏・秋・そして冬まで1年まるっと沖縄に居続けた。

初めて体験する沖縄の冬は、本当に”ふつうに寒い”のか。

また、全国・全世界的に年々暑さが増している昨今、“南国沖縄”の暑さはいったいどんなレベルに達するのか。

今回は、この1年間でわたしが体感した”沖縄の春夏秋冬”についてお話したい。

春(3~4月頃)

気温は20~25℃くらいで、雨は少なく湿度も低い。沖縄で「うりずん」と呼ばれる春の時期、感想は「てんごく」のひと言である。

寒暖・乾湿によるストレスをほぼ感じず、台風の心配もほぼなく、さらには花粉も飛ばず。人間がもっとも幸福を感じやすい環境があるとするなら「沖縄の春」といってもいいのではなかろうか。

沖縄の友人いわく、「まだ海は冷たいけど、とにかく快適な気候なので春の沖縄観光はめちゃくちゃオススメ!!」らしい。

4月に瀬長島で撮影。春、気持ちいいもんね
4月に瀬長島で撮影。春、気持ちいいもんね

ただ、このボーナスタイムのような時期は長く続かなかった。

2022年5月4日、愛するゴールデンウィークの真っ只中に沖縄が梅雨入りしたからだ。

大阪に住んでいた頃より1ヵ月は早い梅雨の幕開け、ショックで泡吹いた。

春?夏?梅雨!(5~6月頃)

「とはいえ、沖縄の梅雨ってそんなに雨降らないんでしょう??」と思っていた。

前年のこの時期、SNSでは沖縄の友人らがこぞって快晴の空画像を添えて「梅雨は???」などと投稿していたからだ。

雨や荒れた天気に注意するのは、むしろ夏の台風シーズンあたりからでもいいよな~。

なんて余裕をこいていた2022年梅雨前の自分にこの写真を見せてやりたい。

大雨によって川と化した国道330号線

大雨によって川と化した国道330号線である。

この写真は、梅雨明けも近いはずの6月17日に撮影した。今年の梅雨、この光景をオフィスの窓から週1ペースで眺めた気がする。

あれ?話と違うぞー??とSNSを開くと、沖縄県民の皆さんもこぞって「あれ?今年の梅雨ヤバくない??」と投稿していた。

会社まで約30分の徒歩通勤をしている自分にとって、梅雨にもっとも大変だった業務は「出社」だった記憶がある。

そして、その出社よりもさらにわたしを悩ませたものがある。

カビだ。

カビた木皿たち(モザイク)
カビた木皿たち(モザイク)

1度目の沖縄暮らしでも「梅雨、タンスの服にカビ!」の衝撃は体験しており、多少のカビは覚悟しているつもりだった。

が。フタを開ければ、多少どころじゃなかった。

今年のカビたちはタンスを飛び越え、ちゃぶ台、テーブルクロス、木製の皿や箸に至るまで、我が食卓を元気いっぱいモコモコに浸食していった。

エアコンの除湿を付けっぱなしにしてもこのザマである。会社の同僚には「エアコンじゃ負けます、性能のいい除湿器必須です」といわれたので、来年の5月までには有能な除湿器を買おうと誓った。

夏(7~9月頃)

2022年6月20日、梅雨が明けた。嬉しくて泣いた。

梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏が始まる。

2022年6月20日、梅雨明けの空
6月20日、梅雨明けの空

夏の沖縄はどんなもんかと聞かれたら、月並みな回答で恐縮だがふつうにめちゃくちゃ暑い。

梅雨の通勤は雨で、夏は汗でびしょ濡れに。気持ちいいほどの快晴な日々には感謝しつつ、日中はできれば部屋に引きこもりたい。

とはいえ、沖縄が特別猛暑かといえば全然そんなことはないと思う。

沖縄の夏の気温はだいたい30℃前半くらい。一方、この夏ちょくちょく通った大阪では平気で37~38℃をマークしていた。体温より暑い。

県外から旅行に来た友人たちも「沖縄のほうが涼しい気がする……」と口を揃える。そのうち”南国沖縄”が避暑地に、というややこしい未来が来るかもしれない。

メインプレイスのスタバから撮影。分かりにくいが窓の外はどしゃ降りの暴風
メインプレイスのスタバから撮影。分かりにくいが窓の外はどしゃ降りの暴風

ちなみに、この原稿を書いているいま(9月3日土曜)は台風11号が沖縄本島に絶賛接近中。外は凄まじい暴風雨で、先ほど通行人の傘がコントのように大破していた。

いまがまさに台風シーズンとのことで少々ビビっているのだが、県民の皆さんによれば「最近は全然大した台風が来ていない」とのこと。台風耐性が違いすぎる。

秋(10~11月)

ここからは昨年の話になるが、当時はまだ「沖縄は1年中半袖で過ごせる気候」と本気で思っていた。12月頃でもポカポカ陽気な様子をSNSで見ていたからだ。

実際に9月いっぱいは元気いっぱいの猛暑が続き、10月に入ってからもペラペラな夏物の服で問題なく過ごせていた。

が、”そのとき”は思ったより早くやってきた。

沖縄の秋、思ったよりちゃんとしっかり寒かった。

この時期は自転車通勤していたのだが、昨年10月19日、日もほぼ落ちた午後6時半に会社を出て自転車にのるも、あまりの肌寒さに思わず下車。戸惑いながら自転車を押して帰った。

たしかこの日も気温は20℃以上あったはずだが、風が強くひんやりしていた。「沖縄の秋冬はなにが寒いって風が寒い」と聞いていたソレだ。

晴れた日の日中は半袖でも問題なく、県外に比べると温かいのは間違いない。コートやヒートテックなどを着込む必要まではないのでありがたい。

ただ、この日でわたしのなかの「年中半袖神話」は崩壊。しぶしぶ観念し、長袖シャツを着たりカーディガンを持ち歩くようになった。

冬(12~2月)

昨年の年末年始は関西の実家で過ごしたのだが、このとき地元の気温は1~4℃ほど。「今日はあんまり寒くないね」と父がいったのは1月3日、気温5℃の朝だった。

そしてその日の昼、戻ってきた沖縄は気温20℃。

「寒いって、冬って、なんだったっけ?????」と盛大に頭をバグらせながら、那覇空港のトイレで極暖タイツを脱いだ。

2022年2月7日撮影。念願の”冬に咲くサクラ”と初対面
2022年2月7日撮影。念願の”冬に咲くサクラ”と初対面

思いのほか秋が寒くて必要以上にビビっていたからかもしれないが、前段落との矛盾は承知でいうと、沖縄の冬、寒くなかった。

曇りがちで風は強いので肌寒いのは間違いないが、どれだけ寒くなっても15℃を下回ることはほぼない。ヒートテックに長袖シャツ、カーディガンという”かつての秋ルック”でも問題なく過ごせた。

家では暖房やストーブも一切つけておらず、掛け布団は秋と変わらず1枚のみ。昼間の散歩や夜のランニングをするには冬が一番快適だった気がする。

沖縄、最高が過ぎる……!!と沖縄移住賢者モードが最高潮に達したのもこの冬だった。

「極暖ヒートテック+極暖くつ下+極暖タイツ+厚厚セーター+厚厚コートにぐるぐるマフラー」な完全防備でもなお震える過去の冬にはもう戻れる気がしない。

まとめ:「めでたしめでたし」と思うだろ? 違うんだ

「ということで、沖縄の冬は全然寒くなかったです!南国最高!」と、調子づくわたしを先輩移住者たちはみな口々にこう脅す。

「最初はみんなそういうけど、1年目だけだから……」

「これから年々、この寒さがダメになってくるから……」

「そのうちダウンジャケット必須になるから……」

「羽毛布団に毛布足さないと寝れなくなるから……」

「うちはもう限界きてコタツ導入したから……」

「最近はもう20℃下回るだけで耐えられないから……」

「沖縄の冬は、3年目以降が本番だから……!」

沖縄の冬空
沖縄の冬空

ということで、丸1年程度では沖縄暮らしはまだ序章の序章らしい。

難なく冬を乗り越えてホッとしていたが、「でも、次の冬は大丈夫だろうか……?」という心配は今後も毎年付きまといそうだ。

寒さから逃げたくて沖縄に来たのに、沖縄の寒さまでダメになったらもうタイかフィリピンに逃亡移住するしかなくなる。

「先輩たちの脅しが大袈裟なだけ」というわずかな希望を抱きつつ、沖縄暮らし2年目、まずは”本格的な秋”が来るまで半袖短パンで元気いっぱい過ごそうと思う。

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