カフェ,グルメ
東京から瀬長島ウミカジテラスへ。鯖バーガー専門店「MK CAFE」の食へのこだわりと沖縄への想い
2021年8月、東京都新宿区の大久保から移転してきた鯖バーガー専門店「MK CAFE」が瀬長島ウミカジテラスにオープンしました。
開設して5年目になるInstagramはフォロワー4.8万人! タイムラインには、インパクト大の鯖バーガーをはじめ、彩り鮮やかな料理やドリンクの写真、ウミカジテラスの景色やスタッフの笑顔が並び、見ているだけでワクワクします。
沖縄にオープンする前は大久保で10年間営業し、メディアにも多数出演している人気店がなぜ沖縄に移転したのでしょう。しかも、移転に伴いスタッフ全員で沖縄への移住を決めたという噂も!?
東京から沖縄へ移転した理由や食へのこだわりなど、気になることをMK CAFEのマネージャー・桜井有里さんと、メニュー開発者でありフードコーディネーターの櫻井優さんに質問してみました。
東京でのオープン当初の苦労と、鯖バーガー誕生のきっかけ
最初にMK CAFEがオープンしたのは2011年、東京の大久保。コリアンタウンとして有名な新大久保から近く、K-POPグループが日本に進出し始めた第二次韓流ブームの頃です。
「韓流ブームに乗れば人が来るんじゃないかという気持ちから、飲食店未経験者だけで店をオープンしました。これといったコンセプトはなく、とりあえずK-POPを流して、カフェメニューにキムチを添えていました」と笑うマネージャーの桜井さん。
お客さんは1日に2、3組の日もあったそう。
「店を長時間開けたら人は来るのかなと、朝10時から夜12時まで開けていました(笑)メニュー開発をしようにも、お店を閉めた夜12時以降に試食をするので、オーナーが体重100kgを超えてどんどん大きくなってきて……。これではいけない!と、オーナーは大久保から横浜間(約30km)をダイエットウォーキングをしながら、色々なお店をみて情報収集したり、スタッフでウォーキングしながらミーティングをしたりしました」
そして、歩いている時に見つけたのがトルコのB級グルメ「サバサンド」
「食べてみるとおいしくて、鯖は健康にもよい!」とひらめいたそう。このサバサンドが、後々の看板メニューとなる鯖バーガー誕生のきっかけになります。
東京の人気店がなぜ沖縄へ? スタッフ全員で移住!?
集客に悩んでいた時、メニュー開発以外に始めた施策がSNSでした。SNSを開設したのは8年前ごろ、最初はFacebookをスタートさせました!Facebookでは、人に会いに来るブランディングが成功し、全国から足を運んでくださる方が増え、時代の流れと共に5年くらい前にInstagramをスタートさせました。
いまではMK CAFE (@mkcafe_okinawa)のInstagramアカウントのフォロワーは4.8万人まで成長しました。「SNSを見てきました」というお客さんや海外からの観光客も増えてきて、テレビでも取り上げられる人気店となりましたが、2020年、日本でも新型コロナウイルスが流行。
「1年間店を閉めることにしました。厳しい状況が続くなか、この先店を続けるかどうかを話し合った時、オーナーの母親が沖縄出身で、沖縄に恩返しがしたいとずっと考えていたこともあって、沖縄に店をオープンすることが決まりました。スタッフには、東京の店を続けるか沖縄へ行くかの選択肢がありましたが、全員が沖縄への移住を希望。残る人がいなくなった大久保の店舗を閉め、沖縄に移転を決めました」と桜井さん。
新型コロナウイルス真っ只中、知り合いがいない沖縄での準備には少し時間がかかりましたが、2021年8月9日、無事オープンを迎えることができました。
ウミカジテラスにオープンしたMK CAFEのコンセプトは「和+南国」
瀬長島ウミカジテラスのまぶしいくらいの白い建物のなかに、爽やかなブルーが映える店が「MK CAFE」です。沖縄の海を思わせるミントブルーで統一された店内とテラス席は目にも爽やか。店内には和傘や提灯、だるまなどが飾られていて、和の雰囲気も漂います。
瀬長島ウミカジテラスは日本国内や海外からの観光客でにぎわう沖縄屈指の人気観光地。「海外から来た方が沖縄と日本を一緒に楽しんでもらえるように、お店のコンセプトは“和+南国”に決まりました」
鯖バーガーと食へのこだわり
ここまで「鯖バーガー」という斬新なネーミングをスルーしてきましたが、みなさんは「鯖バーガー」と聞いて、どんなものを想像しましたか。ここからは鯖と食へのこだわりについて語ってもらいました。
鯖バーガー誕生のきっかけとなったトルコのB級グルメ・サバサンドはフランスパンが使われています。日本人にはハンバーガータイプの方がなじみがあるのではないかと思い開発を始めました。
まずはバンズに合う鯖を探すため、いろんな種類の鯖を試食。MK CAFEでは鹿児島県産のごま鯖を使用しています。写真からもわかるとおり、かなり肉厚! 鯖特有の臭みは一切なく、皮はパリッと香ばしく、身はふっくらジューシー。100%オイルカットのフィッシュロースターを使い、焼き立てを提供しています。骨を1本残らず取り除いているので、小さな子どもでも安心して食べられるのがうれしいです。
バンズにもこだわり、国産の玄米粉をオリジナルの調合で作った玄米粉パンを使用。外側はパリッと、生地はもちもちしていて絶品です。
食育インストラクターの資格も持つ櫻井さんは「お母さんが子どもに安心して食べさせらせるものを作りたかったんです。鯖バーガーには無添加の野菜もたっぷり使用しているので、栄養のバランスも良いですよ。私は築地の近くで生まれ育ち、鯖が身近な魚でしたが、最近は魚を食べない人が増えているので、フードロスを減らしたいという思いもあります」と話してくれました。
食材はなるべく沖縄県産のものを使うようにしていて、採れない時期は国産のものを使っています。さらにソースは手作りと、話を聞いただけでも手間と愛情が込められていることが伝わってきました。
沖縄復帰50年記念で、あの沖縄出身スターとのコラボ商品が誕生
これまで数々の有名人とコラボ商品を開発してきたMK CAFE。
「沖縄の本土復帰50年の今年は、沖縄に縁のある方とコラボがしたかったんです。知人に相談したところ、紹介していただいたのがアーティストの島袋寛子さんでした。島袋さんは沖縄愛が強く、開発ミーティングにもすべて参加してくれて、斬新なアイデアをたくさん出してくれました」と桜井さん。
2022年5月15日の本土復帰の日に合わせて登場したのが、その名も「Okinawa Soul鯖バーガー」
鯖と県産トマトとたっぷり野菜に、島らっきょうを使ったマリネのタレと手作りの油味噌のソースがたっぷりとかかった食べ応えのある栄養満点の一品です。こちらの第1弾商品は販売が2022年9月30日までとなりますが、島袋さんとのコラボ商品第2弾が2022年10月1日から販売開始とのこと。乞うご期待!
全国の『OKITIVE』読者へ、沖縄から伝えたいこと
桜井さん
「オーナーをはじめ、私たちはカフェにとらわれることなく、常に新しいことを考えています。いまはビーチを活用した“飲食+ビーチスポーツ”。沖縄ではプロのスポーツ選手とかかわる機会が少ないことを知り、子どもたちがプロの選手と触れ合うきっかけを作りたいなと。また、エンタメやライブなどができるビーチパークもあったらいいなと考えています」
櫻井さん
「東京にいた時と同じ仕事をしていても、沖縄では見える景色が違うし、人がやさしいです。沖縄が本土復帰して50年。これまで先人たちが守ってきた大事なものは残しつつ、私たち30代〜40代が、いまの子どもたちの未来につながることを日々考えています。日差しが強い沖縄なのに、ビーチや公園に日陰が少ないと思いました。子どもの遊び場に日陰やカフェなど涼める場所があれば、親子が安心して外で遊べる機会が増えると思います」
鯖バーガーはボリュームがあるのにヘルシーなので、健康やカロリーが気になるけどたくさん食べたい人におすすめです。ほかではあまり味わえない珍しいメニューをぜひお試しください。
ちなみに、「MK CAFE」の住所は、沖縄県瀬長島ウミカジテラス38番。そう、38(サバ)。番地は店舗ごとに異なりますが、これで覚えられますね!
Information
- MK CAFE 沖縄ウミカジテラス店 (エムケイ カフェ)
- 住所
- 〒901-0233 沖縄県豊見城市瀬長174−6番 瀬長島ウミカジテラス38番
- 電話番号
- 098-800-2768
- 営業時間
- 11時~21時
- 定休日
- なし
- 駐車場
- あり (ウミカジテラス内に駐車場あり)
- カード
- 可
- 電子マネー
- 可
- URL・SNS
あわせて読みたい記事