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金城 わか菜

金城 わか菜

民放局アナならではの仕事 愛と感謝を声で届ける【金城わか菜のカフを下げて】

金城わか菜アナウンサー(OTV 沖縄テレビ)のカフを下げて―

アナウンサーの音声のON/OFFを切り替えるカフスイッチ。
今回のコラムは、「カフを下げて」というよりもカフを上げる直前に、アナウンサーは何を考えているのか、深く掘り下げてお届けします。

民放局のアナウンサーの大切な仕事「〇〇読み」

アナウンサーの仕事は、ニュース、現場リポート、番組の司会、イベントの進行、ナレーションと多岐に渡ります。
その中でも民放の局アナならではの仕事といえば・・・

「提供読み」です。

「提供読み」収録の様子

そう、番組の前後に流れる「〇〇の提供でお送りします」
もしくは「〇〇の提供でお送りしました」というものです。

〇〇には番組制作に必要な資金を提供してくださる企業や団体名が入ります。

これがスポンサーです。

提供読みは7秒や10秒という短い尺の中で企業名、時にはそのキャッチフレーズも加えて読み上げます。

入社したての頃、フジテレビで受講した新人アナ研修で、阿部知代アナウンサーが

「短い尺の中に感謝と愛をこめましょう」

とおっしゃっていたのが強く印象に残っています。

当時の私(24歳)は「なるほど~」と合点したわけですが、「はて?感謝と愛の気持ちを抱きながら、それをどう音声に反映させるか?」は答えが見つけ出せずにいました。
そしてそれを明確に言葉にしないまま、入社14年目を迎えます。

入社当初 ポーズもフレッシュさ溢れますね(笑)

提供に感謝と愛を込めるとは…

せっかくの機会なので、14年の道を振りかえりながら感謝と愛×音声表現について考えてみたいと思います。

その① それぞれの企業にふさわしい声

これまでの経験の中で強く意識していたわけではないのですが、まず何の企業・団体かを知っていることが一番大切です。

銀行や保険会社ならば、折り目正しい雰囲気が良いかな?とか。
医療系だったら、きちんとした中にも温かみのある声かな?とか。
スポーツメーカーや専門学校ならば、ハリのある活気を感じさせる声、食品会社なら、広い世代に届くように。
酒類メーカーは、少し大人な雰囲気でもいいだろう。
そんなことを考えています。

その② どんな番組で流れるか

バラエティならば元気よく明るく!スポーツ中継なら、フィールドやコートを頭に描いて、実況アナウンサーのテンションと調和するように。
ドキュメンタリーなら深く重みのあるトーンで。

番組タイトルだけでは判別できない場合もあるので、「これどんな番組かな?」と収録を担当するスタッフと相談しながら進めています。

また同時に、何曜日の何時に流れるのかというのも意識しています。

その③ ともに沖縄に根差した企業として

私たちが「提供読み」をするスポンサーは、ほとんどが地元企業、もしくは沖縄に支社を構える事業所が多いです。
そういう企業・団体は「地域愛」がとても深い。
どんなジャンルの産業であっても共通して言えることだと思います。
私が沖縄テレビのアナウンサーとしてできることは、それぞれの企業が持つ「地域愛」「チムグクル」のようなものを感じ取って、そのエッセンスを一滴、音声に加えることだと考えています。
(うーむ、私ってなんて複雑なことをやっているんだろう…)

ちなみにテーブルに乗っているのがカフボックスです

最も難しい提供読みとは!?

私が最近、一番難しいなと感じるのは、ズバリ

「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」

なぜ難しいのか?

それは「何の企業か」というヒントがないから。

さらにこれがニュース番組に付く「提供」ならば、より難しいのです。
何がトップニュースになるかは、日々変わります。
深刻なニュースもあるし、うれしい話題もあるし、災害に警戒を呼び掛けなくてはならない時もあります。

さらにさらに「ご覧のスポンサー~」という音声は、長く使用されることが多いため、季節も移ろいます。
スポンサーロゴは天気カメラが写す那覇市久茂地の映像を背景に放送されるので夕方6時台の空は、夏は青空、冬は暗くなりかけています。
だから軽快すぎても、しっとりしすぎてもダメなんです。

どんなニュースにも相応しく、
どんな空の色にも合う声とは??

アナウンサー道は長く険しく、複雑なのです。

「イット!」10月からリニューアル!

番組ロゴが少し変わったこと、お気づきでしょうか?

OTVライブニュース イット!も3年目を迎え、この2022年10月にリニューアルしました。
オープニング曲や番組ロゴが少し変わり、「提供読み」の声も一新したので、それも楽しみながらぜひご視聴ください。

おまけ パート1 アナウンサー写真館

稲嶺キャスターとの放送後の一枚です。
明日の特集に合わせたポーズで撮るんですよ。
私と小林キャスターが毎日Twitterを更新しているので、こちらもチェックしてみてください。

三線の棹の材木・くるちを育てるプロジェクト
地域の魅力再発見ツアー
子ども達が大道芸に挑戦

おまけ パート2 我が家の書き置き…

ひらがなを覚えたばかりの長男の書き置き

ままきらい?

え?

ショック…

でもでもでも、
「ま」の線が一本多かったり、改行が変だったり、一生懸命書いたことが伝わってきて
やっぱりやっぱりやっぱり!

かわいすぎる~~♡♡

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