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キャン ヒロユキ

キャン ヒロユキ

突然ですが、「ワタクシが立ち上げから関わっている、沖縄のお笑いコンテスト」と言えば?【キャンヒロユキの「とー、笑っとーけ。」】

キャンヒロユキのとー、笑っとーけ。

突然ですが、「ワタクシが立ち上げから関わっている、沖縄のお笑いコンテスト」と言えば? 

正解はこちら!

そう、「O-1(オーワン)グランプリ」でございます!

毎年1月2日に沖縄のお笑いナンバーワンを決める、というこの番組は沖縄テレビにて2007年から続く正月の長寿番組です。

沖縄芸人ナンバーワンを決める大会です!

今Wikipediaで調べてみると、いやーいろんな芸人さんが出場してくれたんですね。
あー、三日月マンハッタン! ナインボール! ウーマクーボーイズ! スペインライオン! 山猫ブラザーズ! 股下三兄弟! ちょうちんおばけ! ココロッチ! マネリーマン三上! TEL犬! 懐かしい!(知らない人はなんのことやらわからないと思いますが)

このO-1グランプリがステキなのは、多くの一般の人も毎年参加してくれるところ。一次審査をワタクシ、ゆうりきやーの2人、そしてディレクターと行うんですが、一般参加者がネタ終わりに「去年こんなアドバイスをみなさんからもらったので、今年はこのへんを直してきました!」と話してくれて、んもう審査員一同じんわりと目頭に涙が浮かびます。

予選の様子。みんな面白い!
決勝進出発表の瞬間

そしてもちろんプロの芸人も出場するわけですが、沖縄のお笑いの魅力ってなんだと思いますか?

ワタクシは20数年前、東京にある吉本興業の養成所、東京NSCにお笑い武者修行に行きました。同期にもたくさんの売れっ子芸人が生まれました。(最近だと錦鯉の渡辺も同期です。渡辺M-1優勝おめでとう!)

当時は「沖縄のお笑いより、やっぱり東京の、中央のお笑いや芸人のほうが面白い」と考えていたのですが、それが違うんです。
評価が、というか楽しみ方が違う気がします。

東京の、中央のお笑いはネタの構成や面白さはもとより、そのテクニックを楽しむというのが主流。
ただし沖縄のお笑いは、もちろんある程度のテクニックなどは必要かもしれませんが、そのネタの文化や世界観や空気を共有する楽しみ方だと思います。
沖縄ならではのワードや文化、風習をつついたボケが出てきたりすると会場が大爆笑につつまれる、コロナ禍の前はいろんな劇場でそんな光景を多く目にしました。

県外の賞レース予選は、「ファンの方が、ひいきにしている芸人を応援にきている」というのが基本で、観客は好きな芸人の出番以外ではステージを観ずスマホをいじっていたり。お笑いの仕事をしているワタクシからしたらちょっとサミシイナーと感じます。

それと比べると沖縄の人は、過去のブーテンさん(小那覇舞天)や、てるりんさん(照屋林助)の存在もあってか、「笑うこと」をとても身近に、大切に感じているような気がします。
おじいちゃんおばあちゃんおじさんおばさん達も含めて、よく冗談や軽口を叩き合う人たち、沖縄に多いと思いませんか?

そんな文化や風習、歴史を無意識に感じながらお笑い活動をしているのが、沖縄芸人なんです。
そして沖縄芸人ってことあるごとに言います。「おじぃおばぁには、勝てない」って。それって本心から出た言葉だと思います。

うちの母方の冨里川ハツばぁちゃんも本当に面白い人でした。

テレビ好きなばぁちゃんのためにと、子どもと孫でお金を出し合って、前後にゆらゆら揺れる「藤の揺り椅子」を買ってあげたんですね。
ばぁちゃんはことのほか喜んで、毎日テレビで大好きな相撲や野球観戦しながらその揺り椅子でゆらゆら。

ある日、長女おばさんがなんとなくばぁちゃんのお家に様子を見にいくと、なんとその揺り椅子が後ろに大きくひっくり返って、ばぁちゃんの両足が天に向いてピクリとも動かなかったそう。

おばさんは、「あ! ついに死んだ!」と思いながらも慌ててばあちゃんに「ばあちゃん! ばあちゃん!」と声をかけって肩を揺すると、ばぁちゃんが目をこすりながら、

「あい、来てたの? 揺り椅子揺らしすぎてひっくり返って、アイナー起き上がらないと、と思ったんだけど、眠気に負けて昼寝していたさぁ」

勝てないです。

ひっくり返らない椅子を買ってもらって、大満足のばあちゃん

それを考えると沖縄芸人は、実は面白いおじぃおばぁになるための修行をしているかもしれないですね。

そして沖縄芸人は、とにかくサービス精神が旺盛。
ファンとの距離も近くてフレンドリー。県外から飛行機に乗ってライブを訪れるファンの方も少なくないのですが、みなさん「ライブでも芸人さんが一緒に楽しませてくれて、劇場を後にする時もお見送りしてくれたり、すごく身近でやりとりしてくれるのがうれしい」と話してくれます。

沖縄文化って、「みんなで遊んでみんなで笑顔で楽しもう!」ということもあり、そういう空気もふくめて沖縄芸人をファンが好きでいてくれるのかもしれません。

沖縄芸人はサービス精神が旺盛!(写真はO-1の応援部屋に鎮座するゆうりきや~とゆっき~)

そしてワタクシ。
出会った方はみなさんご存知だと思いますが、ワタクシ365日いつも「ハッピーハンバーグ」と書かれた謎のTシャツを着ています。
通りかかりの人が「ハッピーハンバーグって、どういう意味ですか?」と話しかけてくることもあります。

実はこのTシャツ「意味を知りたくて話しかけたくなる」んです。不思議でしょう。
それで話しかけてくれた人にはワタクシから「話しかけてくれてありがとう!」という意味を込めて、「ハッピーハンバーグ」ステッカーをプレゼントしています。

これも「お笑い」とはちょっと違いますが、「一緒に楽しい空間を共有したい」ための仕掛けなんですね。この記事を読んでワタクシを街で見かけた方、ぜひ話しかけください。

好きすぎて渋谷のハッピーハンバーグ工房を訪問!

そんなワタクシが「お笑い」「笑うこと」を科学して立ち上げた事業を、次回は紹介したいと思います。乞うご期待!

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