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普久原 朝弥

普久原 朝弥

盛島 稜大 類稀な身体能力を武器に強肩強打に磨きをかける大型キャッチャー【羽ばたけ!琉☆球児】(沖縄発 野球応援企画)

興南高校の不動の4番・盛島 稜大(もりしま・りょうた)

野球王国沖縄の新たなスターの原石に迫る!シリーズ企画!【羽ばたけ!琉☆球児】

甲子園に出場する学校は母校でなくてもテレビを囲んで応援。
球春到来を告げるプロ野球春季キャンプも毎年県内各地で大盛況。
そんな野球愛溢れるウチナーンチュの皆さん必見!
OKITIVEでは、沖縄県出身のアマチュア野球界の有望選手を紹介する【羽ばたけ!琉☆球児】をシリーズでお届けします。

盛島 稜大(興南高校)
2004年5月27日生/沖縄県宮古島市出身
城辺ベースボールクラブ-鏡原中学校-興南高校
捕手/186㎝・92㎏/右投右打

恵まれた体格から振り切るスイングが持ち味の強肩強打の大型捕手。身体能力が高く、中学時代は陸上の砲丸投げ、ジャベリックスローの両部門で県優勝した実績も誇る。

筋骨隆々な高校生離れした体格がひときわ目を引く。
マウンドから目一杯ボールを投げるピッチャーからすればホームベース後方でどっしりと構えるその姿には随分安心感を覚えるだろう。3年間バッテリーを組んできた生盛 亜勇太投手はこう語る。
「投げたボールが(盛島のミットに)吸い込まれていく感覚がある」

興南高校の正捕手・盛島 稜大。
打撃のパンチ力が魅力の彼は、高校1年生の秋から強豪興南の4番に座ると、下級生の頃からチームの主砲として県大会、九州大会などここぞという場面で頼もしいバッティングを見せてきた。高校2年時に出場した県高校野球春季大会決勝・沖縄尚学戦では、1-0の1点リードで迎えた6回表、相手投手の甘く入ったインコースの球を振り抜き、左翼手の頭上をあっという間に超える弾丸ライナーでのソロホームランを放った。
初回に1点を先制しながらもその後は両チームともスコアボードにゼロを並べ続けた膠着状態の雰囲気を切り裂き、中盤にチームを勢いづける中押し点、さらに県決勝というプレッシャーがかかる場面でのホームランは下級生から主砲を務める意地、そして正捕手としてチームメイトからの信頼も厚い、盛島らしさが垣間見えた一発だった。

今夏は県大会を制し、憧れの甲子園の舞台に立った。千葉県・市立船橋高校との初戦では、3回表にセンター前タイムリーヒット、5回裏には一塁ランナーの盗塁企図に素早く反応し、自慢の強肩で捕殺を記録した。攻守ともに持ち味が出た試合だったが、盛島自身は満足していない。

「強肩強打という持ち味を上のステージでも通用できるように…」

プロ野球の舞台に立つことを目標に、盛島はプロ志望届を提出した。近年は、プロ野球界でも高卒からプロ入りした捕手が台頭しつつありニーズも高まっている。2022年10月20日(木)のプロ野球ドラフト会議まで残すところあと3日というタイミングで取材に応じてくれた。緊張感が入り混じった言葉とは裏腹に、努力に裏付けられた細やかな自信を覗かせる一面も見られた―――。

――今日は宜しくお願いします。高校3年間の野球生活を振り返っていかがですか?

盛島
「入学した時からコロナが流行り始めて、大会も保護者が会場に入れなかったり、無観客が続き練習も思い通りに出来ない部分もありましたが、限られた時間を有効に使いながら、最後の夏の大会で甲子園出場も達成できて時間の使いかたは上手くなった3年間だったと思います。」

――初めて甲子園の地を踏んでみてどんなことを実感しましたか?

盛島
「かつては興南高校が春夏連覇を成し遂げた甲子園という舞台で自分たちもプレー出来て、自分の憧れの場所でもあったので、その場所でプレーできたということは人生に大きな財産をくれて一つの夢がかなった瞬間でもあり嬉しかったです。」

盛島 稜大選手 取材時の様子

――初戦・市立船橋高校戦。惜しくも敗れてしまいましたが、甲子園でのプレーを振り返ってみていかがですか?

盛島
「全国大会で盗塁を刺せたっていうのは自分の中では結構嬉しくて、ただバッティングの部分でヒット1本だけだったので、もう少し長打が打てたら自分の良さがアピールできたのかなと思っています。変化球に対応できていない部分が甲子園の打席でも少し目立ってしまったので、変化球を打ちにいくときに下半身を強く粘るっていう部分を課題に次のステップからはそこを改善していきたいと思っています。」

――次のステップに進むために今取り組んでいることはなんでしょう?

盛島
「プロの舞台では木製バットに変わるということで、木製バットに早く慣れるようにスイングやボールに対してのバットの入れかたなどを練習の中で意識しています。通常より長いバットを使ってバットの“しなり”を感じたり、まずは現役の時と比べてどんどんレベルアップできるような体を作るようにしています。」

――プロ志望届を提出されて今はどんな心境でしょうか?

盛島
「10月20日にドラフト会議があるんですけど、いまはあまり実感が湧かない感じです。でも日が近づくにつれてこれまでよりは随分意識するようになって『ついにドラフトが来るのか~』とそわそわしています。ドラフトまでの間は部活を引退したので、ジムに行くようにしたりしてトレーニングは欠かさず続けています。」

――盛島選手が目標とする憧れの選手はいますか?

盛島
「キャッチャーでは、巨人の小林誠司選手を目標にしています。肩も強くて自分とタイプが似ていて、さらにキャッチングもピッチャーへの気配りも配球も上手いなと思ってみています。自分も肩には自信があるんですけど、セカンドスローは肩の強さだけではなくて、ボールの握り変えや正確性が求められてくる。肩の強さだけでは生きていけないのがプロの世界だと思うので、プロに入れたらそこをもっと磨いていきたいです。」

エース生盛とキャッチャー盛島のバッテリーは“モリモリバッテリー”と呼ばれる

――この先の目標は?

盛島
「近い目標では、まずドラフトで指名されるっていうところです。指名されなかったとしても上のステージで通用するっていうことを目標にしながら、怪我を減らして年間通してプレーできる体の強いタフな選手になっていきたいと思っています。」

⚾盛島稜大の俺を育てた “地元メシ”

盛島
「自分は小学校、中学校のときに食べていたメロンで強くなったのかなって思っています。おじいちゃんとお父さんがメロンを作っていて、それを食べて体が大きくなったのかなと思っています。」

⚾野球で夢を叶えて“恩返し”

盛島
「両親とおじいちゃんおばあちゃんです。自分は宮古島から興南高校に来たんですけど、身内だったり色んな人から応援してもらってここまできました。自分たちは正月などの節目は親戚で集まることが多くてその度に激励してもらって。甲子園が終わって宮古島に帰ったんですけど、その時も「お疲れさま」と声をかけてくれたり色んな人に応援されて甲子園にもいけたので恩返しが出来たらと思っています。」

――最後に今後の意気込みを聞かせて下さい!

盛島
「もう間近なんですけど、まずはドラフト指名されることを目標に。プロの世界に入れたとしたら下積みからしっかりやって一軍で活躍できるようにタフな体を作ることを目標にしたい。そして色んな人に夢が与えられるような選手になっていきたいと思っています。自分の持ち味である強肩強打を活かして盗塁を刺したりホームランを打ったり、巨人の小林選手の様な国際舞台でも活躍できるような選手になりたいです。」

*取材後記*
重心は低いが、構えたテークバックからフォロースルーまでの上半身の動きが阪神タイガース佐藤輝明選手を彷彿とさせるスラッガーらしい雰囲気を醸し出す盛島選手。宮古島で育まれた迫力満点の大型捕手の今後に注目です!

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