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OTV報道部

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メタバースで世界のウチナーンチュ大会 来県が叶わなかった人もオンラインで感動共有

第7回世界のウチナーンチュ大会が2022年10月30日の日曜日に開幕する。
今回、新型コロナウイルスの影響により来県が難しい人たちのために、県が力を入れているのがオンラインでの取り組みだ。
メタバースと呼ばれる最新の情報通信技術を駆使した新たな「試み」と「ねらい」について迫る。

前回2016年は世界各地から7000人が訪れる

戦前・戦後にかけて海外へと雄飛した県系人たちと沖縄とのネットワーク構築・継承などを目的に1990年に始まった世界のウチナーンチュ大会。
前回大会(2016年)では、過去最大規模となる世界27の国と2つの地域から7000人あまりが沖縄に集った。

今回、新型コロナの影響で、来県が叶わなかった人も多く、世界各地の県系人の参加は約2000人となる見込みだ。こうしたなか、県が力を入れたのが…

世界のウチナーンチュ大会実行委員会事務局 友寄言 班長
「直接、来沖したくても様々な理由で来沖できない方もいたと聞いていましたので、オンラインを通じてなら多くの方が参加できるのではないかと」

世界中の人々が仮想空間で交流できるメタバース

大会のホームページには2022年は「リアル」と「オンライン」の両方で開催と銘打たれている。

なかでも力をいれたのが、メタバースの活用だ。
専用のゴーグルを装着することで一瞬にして別世界に入り込んだような感覚。
メタバースとは、超越を表す「メタ」と宇宙を指す「ユニバース」をかけ合わせた言葉で、世界中の人々がパソコンや、スマートフォンなどを通して仮想空間で交流できるもの。

今回、県から依頼を受けたのが那覇市でエンターテイメントコンテンツを企画・制作するあしびかんぱにーだ。

あしびかんぱにーエンタメDX事業部 佐橋直幸 部長
「世界中の沖縄ゆかりの方々にご来場いただけるように言語としても、4か国語に対応していまして、日本語以外にも英語、スペイン語、ポルトガル語に対応していて、世界中の方が家にいながら、このバーチャル沖縄でウチナーンチュ大会を楽しめるように開発を進めています」

プログラミングを担当したのは入社4年目の佐和田さんだ。

あしびかんぱにー エンジニア部 佐和田優次郎さん
「好きで続けてきたもので、沖縄に貢献できるっていう分は本当に自分の中ではモチベーションだったり、やってて良かったないう気持ちがすごく強い」

大会の目的・意義が分かるように工夫 本土復帰50年の記述も

国際通りを再現した空間には、世界各地の県系人が交流できる場だけでなく、大会の目的・意義が分かるように、沖縄や移民の歴史について学ぶことができる。
今回は、本土復帰50年の節目も重なったことを踏まえて、復帰に関する記述にも力をいれている。

あしびかんぱにーエンタメDX事業部 佐橋直幸 部長
「沖縄の歴史や文化、首里城復興への活動内容だったり、沖縄本土復帰50年というところで沖縄の歴史もメタバースを通じて学んで頂けたり、世界中に発信していきたいと考えています」

メタバースにより大会への関心・興味につなげる

オンラインの取り組みの柱にメタバースを位置付けたことは、大会の裾野を広げるねらいもある。

世界のウチナーンチュ大会実行委員会事務局 友寄言 班長
「県内の方でも若い方でもウチナーンチュ大会に参加したことが無いっていう方がいらっしゃる。どういう大会なんだろうということで、興味を持ってもらえる入口になればいいなと」

準備が着々と進められるなか、2022年10月25日、メタバースの体験会が開かれた。

メタバースを体験した方
「これ、どこまで行けるんですか?」

スタッフ
「国際通りは交差点から、てんぶす前まで」

メタバースを体験した方
「写真もOKINAWAの所で撮れたりできるんですね」

メタバースを体験した方
「そこにいなくても実際に一緒に体験できる一緒に盛り上がれる(世界各国の)ユーザーと会話して繋がって話ができてすごく楽しいだろうなと」

メタバースを体験した方
「(ウチナーンチュ大会に関する)情報がわかりやすく整理されているし、若い人はなかなか文化とか、歴史とか触れるのが少ないなと思うんですけど、こういう新しいものを体験しながら沖縄の歴史文化が勉強できる。触れられるので若い人にもいい価値が生まれたなと思います」

メタバース空間に世界各地から集まった人たちは、リアルタイムで開会式・閉会式などを一緒に視聴することができる。

動画配信サイトでも開会式は配信される予定だが、あえてメタバースから視聴する事との違いについて佐橋さんは次のように説明する。

あしびかんぱにーエンタメDX事業部 佐橋直幸 部長
「YouTube ですと、一人で画面を見るだけとか出来てもコメントを打つだけという部分が、メタバース上ではライブビューイングをみんなで一緒に見る形、没入感の高い形でみんなと一緒に空間を共有して楽しめる」

首里城エリアでは、再建にむけた進捗状況などをアーカイブ映像で視聴できる他、2022年10月29日に行われる木曳式の様子も見ることができるように準備を進めている。

アフターコロナを見据え観光客の誘客にもつなげたい

世界のウチナーンチュ大会実行委員会事務局 友寄言 班長
「オンラインであれば気軽にその世界に入れますし、そういう方が入り口になって、第8回(大会)は今度は直接行ってみようと」

あしびかんぱにーエンタメDX事業部 佐橋直幸 部長
「バーチャル上で完結したいとは思っていなくて、実際のリアルの沖縄への誘致に繋がるような形で最終的には繋がるようなところで実施できればという風に考えています」

ウチナーンチュ大会だけではなくアフターコロナを見据えた観光客の誘客など、メタバースには大きな可能性と期待が寄せられている。

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