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「津波フラッグ」を模した「TSUNAMIタオル」!危険を知らせ命を守る取り組み
津波警報や注意報が出た際に危険を知らせる赤と白の模様が特徴の「津波フラッグ」を御存じだろうか。
この旗を模した「TSUNAMIタオル」を作り、命を守る行動につなげてもらおうという取り組みを取材した。
視覚的に危険を知らせる「津波フラッグ」
訓練に参加した方たち
「津波だー逃げろー」
国連により「世界津波の日」に定められた11月5日。2022年11月5日に北谷町の宮城海岸で津波を想定した訓練には約20人のサーファーたちが参加した。
訓練が行われたのは海の中だからこその理由があった。
訓練に参加したサーファー
「海に入っていると情報も何もないので(津波が発生したことが)分からない」
海では、緊急速報を確認できるスマートフォンを持つことが出来ないほか、警報のサイレンが聞こえにくく津波の発生に気づくことができない恐れがある。
この問題を解決するため気象庁が2020年に導入したのが、赤と白の格子模様の旗で視覚的に危険を知らせる「津波フラッグ」の運用を始めている。
聴覚に障害がある方や波音や、風で音が聞き取りにくい遊泳者の方などに視覚的に伝達できるよう2020年6月から運用が始まった。
ライフセイバーが常駐していない海岸で活用を!バスタオルに着目
県内では13の自治体の海水浴場で導入されているが、自治体が管理せずライフセーバーなどが常駐していない自然の海岸では「津波フラッグ」を運用するのが難しいのが現状だ。
普段から「津波フラッグ」を持ち、いつ津波が発生しても沖合のサーファーや遊泳者に危険を知らせることができないかと考えた、訓練の企画者の長田純一さんはバスタオルに着目した。
津波訓練を企画した長田純一さん
「津波フラッグという気象庁が定めた津波の合図があるんですけども、これをほとんどの方が知らないということ。その旗が準備されている場所もほとんどないということ。この問題を解決できたらなと思ってこのタオルを作りはじめました」
長田さんは、海に行くときに津波フラッグを模したバスタオル「TSUNAMIタオル」をもっていく習慣ができればと考えている。
訓練に参加したサーファー
「津波フラッグのことは全然知らなかったです。思ったより見えやすくて旗も。分かりやすかったんで結構緊張感もあって本当に津波があったときにパニックにならないように(津波タオルを使った)避難訓練をやった方がいいなとおもいました」
長田さんはいつ何時発生するか分からない津波に備えて、今後さらに「TSUNAMIタオル」を広めたいと話す。
津波訓練を企画した長田純一さん
「いま、サーファーがメインなんですけど、普段は海に行かない方、年に1、2回とかしか海にいかない人にもこの津波フラッグを知ってもらいたい」
聴覚障害者に危険を知らせる課題克服も
政府の地震調査委員会は2022年3月、与那国島周辺で今後30年以内にマグニチュード7から7.5程度の大地震が起こる確率が90%程度以上。さらに確率は不明としながらも南西諸島周辺および与那国島周辺でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する恐れがあると発表した。
赤と白の格子模様を見たら海から上がり直ちに避難。津波から命を守るために知っておきたいサインだ。
気象庁によると2011年の東日本大震災では、岩手県、宮城県及び福島県における聴覚障害者の死亡率が、聴覚障害のない人の2倍にのぼったとのデータもあり、津波フラッグが導入されたのは聴覚障害者に危険を知らせる上での課題を克服する目的もある。
運用が始まってから2年が経ち全国各地で導入が進められているが、認知度を高めていく取り組みが求められている。
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