沖縄経済
「金融リテラシー調査」からみえる県民性とこれからの取り組み
後間
こんにちは。後間秋穂です。
今回は金融リテラシー調査から見える県民性とこれからの取り組みについて、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。
宮里
よろしくお願いします。
後間
早速ですが、「金融リテラシー」とは何でしょうか?
宮里
はい。金融リテラシーとは「お金の知識と判断力」のことです。そして、金融リテラシー調査とは、金融広報中央委員会が個人の金融リテラシーを把握するために、2016年から3年おきに行っている調査で、2022年は3回目の調査でした。
後間
金融というと難しそうですが、この調査ではどんな質問がされているのでしょうか?
宮里
実際の質問と選択肢を見てみましょう。
宮里
これは、家計の行動に関しての問題です。
「家計の行動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれでしょうか」という問題に対して、選択肢が5つあります。
1つ目、「家計簿などで収支を管理する」。
2つめ、「本当に必要か、収入があるかなどを考えた上で支出をするか判断する」。
3つ目、「収入のうち、一定額を天引きにするなどの方法により、貯蓄を行う」。
4つ目、「支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する」。
5つ目、「わからない」です。
後間さんはどれを選びますか?
後間
ぱっと言われると難しいですね。「わからない」と答えてしまいそうです。
宮里
ヒントは問題文中の「適切ではない」ものです。
正解は、4つ目の「支払いを遅らせるためにクレジットカードの分割払いを多用する」です。
分割払いは手数料が発生するため、支払いを遅らせるために多用することは適切ではありません。
後間
なるほど。意外と私たちの身近な生活などにも金融リテラシーが必要なんですね。
正答率はどうなのでしょうか。
宮里
はい。都道府県別の正答率を見ると、沖縄県は残念ながら、2019年と2022年の結果はともに47都道府県中、最下位の47位でした。
後間
最下位という結果は残念ですね。沖縄ならではの傾向や特徴があるのでしょうか?
宮里
はい。沖縄県の特徴として、お金の借り入れや消費者ローンの利用が多く、期日の支払いが遅れがちであり、金融トラブル経験者の割合も高くなっている一方で、緊急時の備えが不十分な傾向にあります。
今年から成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、若年者の消費者トラブルが懸念されています
後間
若年層への金融リテラシー向上の取り組みなどはありますか?
宮里
2022年度から、高等学校家庭化の授業において金融教育が必修化されました。
金融教育の効果を見ると、いずれの年代においても金融教育を受けた人の方が正答率も高くなっています。
家庭の中でもお金について話すことが金融リテラシーを高めるきっかけになるのではないでしょうか。
後間
わたしも家庭の中で話すなど、できることからはじめていきたいと思います。
今回は「金融リテラシー調査」からみえる県民性とこれからの取り組みについてお話をうかがいました。
宮里さんありがとうございました。
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