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大城 良太

大城 良太

ベンチコートと共に 全国高校サッカー選手権 ”魂” を【大城良太の良TIME】

大城良太アナウンサー(OTV 沖縄テレビ)の良TIME

2022年12月28日に第101回全国高校サッカー選手権が開幕し、沖縄県代表の西原高校は29日の1回戦で神奈川県代表の日大藤沢と対戦します。
大会の開幕に向けて、8年間高校サッカーを担当していた大城良太がアナウンサーの立場から選手権の舞台裏を語ります。

高校サッカー"担当”とは

全国高校サッカー選手権は関東8会場で同時に試合が行われ、全試合中継されています。
そのため多くのディレクターとアナウンサーが必要で、毎年全国各地から中継応援スタッフが集まり、沖縄テレビからもディレクターとアナウンサー1人ずつが派遣されています。

93回大会から100回大会までは大城良太が高校サッカー選手権を担当していました。
2019年の98回大会では開幕戦を実況させて頂くなど、スポーツアナウンサーとして数々の貴重な経験をさせて頂きました。

98回大会の開幕戦の放送直前

ライフワーク

高校サッカーの担当になると年間通してサッカー漬けの生活です。
春の新人大会から取材が始まり、招待サッカー、夏のインターハイと選手の成長を確認しつつ、9月頃から選手権の県大会決勝に向け本格的に選手や監督から話をうかがいます。
さらに県の代表校が決まるとほぼ毎週のように学校に通い、全国に向けてトレーニングする選手たちに密着します。
毎年、選手達の選手権にかける熱い想いに触れるたびに私も選手と同じように青春時代を過ごしている気持ちになっていました。

2016年に那覇西の選手たちと会場の下見をした時の一枚

クリスマスも正月も高校サッカー三昧

高校サッカー担当にクリスマスも正月もありません!!
年末に開幕する全国大会にむけて毎年クリスマス頃から東京に行き準備をします。

なぜ大会開幕より前に関東入りするかというと・・・
沖縄のアナウンサーだからといって地元チームだけを取材していればいい訳ではないからなんです。
全国大会では沖縄のチームのほかに、他府県の学校のベンチリポートまたは応援席リポートも兼務するため、早めに関東に入って担当するチームを事前に取材する必要があります。

なので大会前や大会期間中は選手や監督に話を聞き、ホテルに戻って放送にむけ準備するという生活を送っています。

大晦日なのにホテルで弁当を食べて資料を作っている様子

モチベーションアップのためにパソコンのデスクトップの画像は尊敬する高校サッカーの先輩アナウンサー陣と映した写真にしていました(笑)

アナウンサーの勝負服

選手達がユニフォームを着て試合に挑むのと同じように、高校サッカー担当のアナウンサーやディレクターにも気合を入れる勝負服があります。
それがベンチコートです。

98回の開幕戦を実況したあとに撮った一枚

ほとんどのアナウンサーがロング丈のベンチコートを着て、中継リポートや事前のチーム取材に当たっています。

北海道の旭川実業を取材した時にもベンチコートを着用

私にとってベンチコートは鎧のような存在で、着ることで強い気持ちになれ、自信をもってマイクを握れました。
また中継に携わるアナウンサー全員が同じような恰好をすることで、自然と一体感も生まれていたように感じます。

ベンチコートと共に・・

アナウンサーとして、そして人として大きく成長させてくれた高校サッカー選手権の担当を今年から後輩の植草凜アナウンサーに引き継ぎました。
自分の時間を削って熱心に取材している後輩の背中はとても頼もしく感じます。
これから全国の舞台で選手や監督また全国各地のアナウンサーから刺激を貰い、さらに成長して帰ってくるのが今から楽しみです。

先日、植草アナが関東入りするのを前に私が8年間使い込んだベンチコートを手渡しました。(ちゃんとクリーニングに出してから渡しているのでご安心を・・)

12月29日に初戦を迎える西原イレブンの熱いプレーはもちろんですが、西原高校のベンチリポートを担当する植草アナの魂のこもった中継にも是非ご注目ください。

叶えられなかった夢

8年間全国高校サッカーを担当しましたが、叶えられなかった夢が1つだけあります。
それは‘放送中に’沖縄県代表のヒーローインタビューをすることです。

地元チームのベンチリポートを担当している時にチームが勝つと監督や選手にヒーローインタビューができます。
私も97回大会の開幕戦で那覇西が駒澤大高とのPK戦を制した時と、99回大会の1回戦で那覇西が明桜に逆転勝利した時にヒーローインタビューをするチャンスがありました。
しかし99回大会は試合終了が放送時間にギリギリだったためヒーローインタビューが割愛、97回の開幕戦は試合が放送時間内に収まらなかったため会場の観客だけにしか選手・監督の喜びの声を届けることができませんでした。

是非、植草アナには1試合でも多くヒーローインタビューをして、選手や監督の歓声を沖縄に届けてほしいと願っています。

観客に向けて唯一ヒーローインタビューをした時の写真

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