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金城 晋也(リップサービス)

金城 晋也(リップサービス)

変わりゆくネタ作り【リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」】

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」

目次

那覇から羽田へ向かう機内で、原稿を書いています。地上のみなさま、ご機嫌いかがでしょうか?どうもどうも、リップサービス金城晋也です。
そうです、僕はいま東京へ向かっています。通路側席のためあいにくお空の様子は見られませんが、機長のアナウンスによると、大変いいお天気だそうです。

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」
那覇空港から一枚。飛行機ってつい撮っちゃいません?

「機内で書いている」冒頭でこう書きました。ちょっとカッコよくないですか?「移動時間でさえも仕事に追われている超売れっ子」感あって僕ずーっと憧れてたんですよ。そんな憧れを形にすべく、とりたててタイトなスケジュールでもないくせに、空の上で大げさにパソコンを広げて「機内で原稿を書いています。」あぁ、いい響きですね。当機は自己顕示「翼」という名の大きな翼を広げ、高度と僕のテンションをグングンと上げております。

さて今回の東京遠征は、漫才賞レース「THE SECOND」選考会への参加が目的。今大会は2023年新設されたばかりの新しい賞レースで「芸歴16年以上」という出場資格が大きな話題となりました。僕らリップサービスの芸歴がちょうど16年目ですので、今大会へは「ルーキー」として元気にエントリーしたわけなんです。

6分って長い?短い?

芸歴制限のほかに、今大会にはもう一つ大きな特長があります。それが「ネタ時間」、僕らの世界でいうところ「尺」です。「6分」のネタ時間が設けられていますが、「6分」はお笑い賞レースでは異例の長尺なんですね。日本でメジャーな賞レース「M-1グランプリ」の予選が2〜3分、決勝でも4分です。県内の賞レースを見ても3分か4分。当然、僕の手元にもそのサイズのネタばかりです。「なんで?パパっと2、3分足すだけさ」とお思いでしょう。そんな万能ネギのようには足せないんですね。半袖をいくら引っ張っても長袖にならないのと同じです。

昔出演してたライブで6分の尺をいただいていましたが、それも10年以上前の話・・ん?もしかしたら埋もれているかもしれません、眠っているお宝が!というわけで、藁にもすがる思いで、昔書いた台本の山を引っ張りだしてみました。頼むぞ、昔の僕たち!面白くてちょうどいい長さのネタ、書いててくれよ!

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」ネタ
台本の山。宝ものが見つかりますように。

時代を映す鏡

映画や広告、アートなんかによく使われる言葉ですが、お笑いのネタもそうだと思います。結論からいいますと、昔の台本にほぼ使いどころはありませんでした。くぅー!!というのも、過去のネタは当時旬だった芸能人やスポーツ選手を話題にしたものだったり、当時流行ったCMフレーズを多用していたり、そもそも僕らが大学生じゃなきゃできない設定だったりと、いまじゃ使えないものばかり。

なかでもびっくりしたのが相方に対する「容姿いじり」の多さでした。ときにはツカミで、ときには大オチで、「テンドン」と呼ばれる同じボケの繰り返しも多用し、まあ出てくるわ出てくるわ「容姿いじり」の山。多用していたってことは、それで簡単に笑いが取れていたことになります。今だって容姿いじりはタブーでこそありませんが、時代的にウケにくくなっているのも事実。テレビでもほとんど見なくなりましたよね?もちろん「笑い」は人それぞれなので強くは否定しませんが、僕らは恐らく、もうやらないでしょう。

というわけで、丸腰の状態になったわけですね。「過去のネタを使って楽しようなんて甘い!」鏡に映った昔の自分にそういわれた気分です。そして、どうにかこうにか新しい6分ネタを用意し、今に至るわけでございます。当機は着陸体制、間もなく羽田に到着です。いざ勝負です!

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」 
THE SECOND選考会の会場

ただいま沖縄

那覇市内のカフェで原稿を書いています。はい、賞レースも無事に終わりまして、沖縄に戻って参りました。ただいま!!え?結果ですか?残念無念の敗退となりました・・はー悔しい!芸歴20年クラスの先輩方との戦いはとてもいい経験となりましたが、それ以上に悔しさの残る大会となりました。高度とテンションをしっかりと下げて、とぼとぼ帰ってきた次第です。空の上ではしゃいでる場合じゃなかったですね。「地に足つけて」という言葉のとおり、また頑張ります。

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」
東京らしい写真が皆無でしたので、羽田空港で食べた親子丼を。

沖縄に戻った翌日は、日頃からお世話になっている「output」さんでのライブでした。東京で活躍されている芸人・街裏ぴんくさんとの共演で、スケジュールが決まってからとても楽しみにしていました。来年の「THE SECOND」に向けて気持ちも新たにスタート、そう意気込む僕らにとって絶好のタイミングでの舞台です。

「ではリップサービスさんは、ネタ時間20分でお願いします!」
「!!!」「ににに、にじゅっぷん!?」
想定してた尺の5倍でした。隣には相方の顔。

さーて、どこからいじろうか。

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」outputライブ

ライブは大盛況のうちに終演!いじりは…なんとか封印しました。

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