SKY Fes 2023初出演の“盟友”ORANGE RANGEインタビュー「HYが1つのお手本を示してくれた」

「HY SKY Fes 2023」が、2023年3月17日（金）より3日間に渡り沖縄県総合運動公園多目的広場で開催された。
HYメンバー自らが装飾した会場内には3日間で約2万人が来場し、HY含む14組のアーティストが舞台を盛り上げた。

今回、マスク着用の規定が個人判断に委ねられてから開催されたFesだが、会場内ではマスク着用は必須、その代わり声出しはOKに。この3日間舞台に立ったどのアーティストも、3年ぶりに聞こえる観客の声に感動し、「この時を待っていたんだ！」とそこにいる全ての人の喜びと感動が溢れ、大盛り上がりの3日間となった。

沖縄出身バンドの“盟友”として、DAY1のトリを務めたORANGE RANGEはライブバンドとしての本領を存分に発揮し、身体が動かざるを得ないキラーチューンを連発してオーディエンスを会場ごと揺らした。
「ORANGE RANGEらしく明日に繋げる」（RYO）という言葉通り、翌日のDAY2まで熱気が持続するような盛り上がりで1日目最後のパフォーマンスを終えた直後のメンバーに話を聞いた。

― DAY1のトリとして、会場の雰囲気をばっちり掴んだような楽しくて素晴らしいパフォーマンスでした。まずはそれぞれの出演を終えての感想を聞かせてください。

HIROKI：いやあ、僕たちが掴んだっていうよりも1番最初の演者さんから繋がれてきたバトンというか、お客さんがもう仕上がってたので。我々はやるだけというか。HYもそのお客さんもやっぱりピースフルで、それがこのSKY Fesの特徴でもあるし、良いところなのかなと思いますね。素晴らしかったです。

― ステージのMCでも言ってましたけど、本当にみんな楽しんでましたね。「Melody」の時にはお客さんがスマホのライトを振って、幻想的な雰囲気になっていました。

HIROKI：そうですね。沖縄の人、ウチナーンチュって結構恥ずかしがったりとかする部分もあると思うけど、みんなで楽しもうっていう気持ちがありましたね。僕たちは沖縄出身ですが、県外から来てるアーティストも温かく包み込むようなお客さんだったのかなと思います。

RYO：実は前回のSKY Fesを見に来てて、普通にお客さんの中にいたんですよ（笑）。いつかステージに立ちたいなと思ってて。それが叶ったので幸せな時間でしたね。

― ちなみにORANGE RANGEは県総（SKY Fesの会場「沖縄県総合運動公園」の略称）でライブしたことってあります？

RYO：無いですね。ステージとかも前回よりレベルアップしてて、フェスとして完成されていて驚きましたね。それでやっぱテンションが上がりましたよね、ライブ前から。

NAOTO：僕も去年見に来てたんですけど、その時も思ったのがみんな本当に自由に盛り上がってるなってことですね。誰の目も気にすることなく。沖縄だからなのかこのフェスなのかはちょっとはっきりしてないんですけど、その辺はちょっと他のフェスとは違うかなと思います。演奏する側としても「これがいいんだよなあ」って。今回も（ステージから見て）両サイドが自由な感じだったじゃないでいすか、あれがめちゃくちゃ良かった。おばあと子どもたちもそれぞれに好きに踊ってたりして。

YAMATO：繰り返しになっちゃいますけど、やっぱり海外のフェスみたいにみんなそれぞれが自由に楽しんでる感じが良かったです。音楽の楽しみ方は「こうあるべきだよね」って限定するわけではないけど、色んな楽しみ方があるよねって思えるような景色で。そして何よりHYに呼んでもらったことが1番嬉しかった。

― YOHさんはどうでしたか。

YOH：去年から沖縄市での開催になったのは知っていて、「こういう風にステージを設営したのか」とかそういった目線で見てましたね。雰囲気も含めてHYメンバーの中でも（フェスのあり方という意味での）“角度”みたいなものが少しずつ決まってきている、そんな印象を受けました。

― SKY Fesには沖縄のことやこれからを担う子どもたちのことも含めて、HYの色んな思いが込められてるんですが、どんなところに共感しましたか。

HIROKI： HYは音楽だけじゃなくてテレビ番組を通して社会貢献も色々やってるじゃないですか。このフェスがその活動の1年間の集大成だと思うし。それぞれのバンドの伝え方、やれることはもちろん違う。そんな中で自分にはできないこと、できないものもたくさん持ってて、それは素直に凄いなって思います。

― 今ツアー中だと思いますが、フェスは今年初ですよね。野外でやる時はやはりホールとかアリーナとかとは感覚が違いますか。

RYO：違いますね。やっぱりイベントだと時間も短くなるので、短距離走というか、そういう感じのイメージです。ワンマンの時の2時間を超えるライブとは違うテイストの表現の仕方ですね。お客さんがどう盛り上がりたいかというのを、1番最前線で感じるようなイメージでやってます。

― 今日は最後のアンコールで「キリキリマイ」でガンとブチ上げて終わりましたね。

RYO：ORANGE RANGEらしく明日に繋げるって言ったら「キリキリマイ」が1番良いんじゃないかなと思って。メンバーと話し合いながら決めました。

NAOTO：ワンマンはやっぱり結構余裕がないというか、いっぱいいっぱいでやることも多いし、気を張ってるんですよ。フェスはお客さんと近いノリで楽しめる。楽しさが勝ってるというか、お客さんからも楽しさをもらえるんです。

―色んなアーティストを呼んでこの規模のフェスが沖縄でもやれるようになってきたことに、時代が動いてるな、という実感があります。出演側として、そして沖縄県民としてどう感じますか？

YAMATO：単純にやっぱり沖縄県民として嬉しいし、それが例えば中部であれ、北部であれ、南部であれ、沖縄でライブができているということが嬉しくて。
今回の声出し解禁とかもそうですけど、苦しいことも含めて、みんな同じような思いを共有できるような時間を過ごしてきたわけじゃないですか。それを地元沖縄で、音に出して声に出して発信できている、そしてその音をお客さんとみんなで楽しんでる。
あらためて音楽が必要とされてるなって思える瞬間でもあるし、より胸を張ってみんなを楽しませるようなライブをできているという自信にもなるし。そんな感じがしますね。

YOH：コロナ禍を経て、これまでよりアーティストの考え方や工夫ひとつひとつがこの先の環境とか空気感を作っていくタームに入ったんだろうなとここ2〜3年は感じていて。
今回はHYが1つのお手本を示してくれたんだろうし、今後もそれぞれの分野で積み重ねていくことが大切なのかなと思っています。

― 最後にみなさんの「だから沖縄が好き」を教えてください。

YAMATO：沖縄で生まれたから、沖縄が好き！

HIROKI：哲学的だね…。

― これ以上の説明が要らない、説明しようがないですね（笑）。

HIROKI：他がやりづらくなるな（笑）

YAMATO：後に言うのがどんどんプレッシャーになるから先に言おうと思って（笑）。

HIROKI：僕は普段沖縄で生活してて、特別声かけられるとかほぼほぼないんですよ。声かけられても「頑張ってるね〜」みたいな感じで、普通に暮らせる場所があるってのが素敵だなと思って。なんかみんな家族みたいじゃないですか、沖縄って。「テレビ見たよ」って感じで話しかけてくれたりとか、そういう環境がすごくありがたいなと思いますね。普通に暮らせるのが好き。

NAOTO：年配の方が、比較的ひょうきんな人が多いとこかな…（笑）。良く言えばひょうきん、悪く言えば…これはいいか（笑）。でもそこが好きなんですよ。なんか、普通はおじいとかおばあって、大人しくなってまとまるじゃないですか。そうじゃなくて、面白い人が多い。これは沖縄ならではじゃないかなって。

RYO：俺は陽が長いから好き。すぐに夜になったら寂しくなるじゃないですか。太陽が沈んで、夜になるまでの間の空が好きで、あれが長いんですよ。

― 今日のライブ中はまさにその感じの空でした。あのロケーションはちょっと卑怯でしたね。

RYO：（笑）。綺麗でしたよね。

― では、YOHさんトリをお願いします。

YOH：そうですね… 気候と音楽の繋がりかな。今40歳手前になって音楽も20年ぐらいやってきたけど、例えば潮風とか青空とか沖縄の自然とリンクするような独自の音階が幅広く継承されてるのは独特な文化なのかなと思います。
その音色を根付かせた先人に対してのリスペクトは自分のなかで強くなっていってる感じがするけど、同時にハードルの高さも存在したりしますね。やっぱりこの地にしかない特別なものなんだなって感じています。

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