コラム
水中に残された釣り糸について… | 東 真七水の海ごみライフ
「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」でゴミ拾いダイビングのインストラクターをしている東真七水(アズママナミ)です。
私は「スキューバダイビング」と「ゴミ拾い」を掛け合わせ、海の底に沈んだゴミをスキューバダイビングをしながら楽しく回収するという「水中ゴミ拾い」を新しいマリンアクティビティとして広める活動をしています!
自称、水中ゴミ拾い名人!
今月もどうぞよろしくお願い致します。
今月のコラムでは先月の成果と併せて、水中ゴミの常連である、「釣り糸の回収」について書かせて頂きます。
まずは4月の成果について、回収したゴミの総量を計算すると16.54kgという結果になりました!
重量だけで見ると前々月(28kg)よりも少なく感じますが決してそうではありません。
先月はお仕事で沖縄を暫く離れていたことや、拾ったゴミの種類が軽量なプラスチック袋やペットボトルが中心であったことが原因です。
↑4/29の水中清掃で回収したゴミ、中身はほとんどペットボトル
おそらく20本くらい入ってます。
徐々に夏の気候になってきたので夏のゴミポイントにも潜れるようになったのですが、
ポイントや風向きによって落ちているゴミが少しづつ異なるため、拾うゴミの種類も今後変わりそうな気がします^ ^
先月はいつも以上に、特にプラスチックゴミが多い月となりました。
さて、今月の私の独断と偏見によるレアゴミMVPは…!
50年前のビール缶です!
「シュリッツ」という一昔前にアメリカで人気を博したビールらしく、なんと海外のレアゴミです!
レアゴミは何個拾っても嬉しいものです。笑
また来月も1ヶ月間の活動報告をさせていただきますので、よろしくお願いします^^
【 水中に残された釣り糸について 】
突然ですがみなさん、水中ゴミのランキングをご存知ですか?
1位のゴミはなんと・・・
釣り糸です!!!
ポイントや時期によって落ちているゴミの種類は異なりますが、
私の今までの水中ゴミ拾い経験から言っても、釣り糸は最も多い印象です!
例えば、10回潜ると8回は釣り糸を見かけるようなイメージで、海の中に当たり前のように落ちているゴミです。
ということで今回は、私が今までに県内の海中で撮影した釣り糸の写真や回収の様子について書かせていただきます。
まずはこちら ↓
回収の難易度は★☆☆
釣り糸が引っかかり、ゆらゆらと揺れていました。
重りも付いていて珊瑚に負担がかかっていたので、このまま放置しておくと台風が来た時にボキッと折れてしまいそうです。
折れたり傷ついたりしないよう細心の注意を払いながら、少しづつ解いて無事取り除きました。
続きましてこちら↓
回収の難易度は★★☆
2つの珊瑚に跨り絡まった釣り糸です。
この場合バディと役割分担して、二手に分かれそれぞれに作業する方法か効率的です。
この日はゲスト様と協力しながら取り除くことができました
そして最後にこちら↓
回収の難易度は★★★
複数の珊瑚に、複数の釣り糸が絡まってクロスされた状態に!
私と2名のゲスト様でなんとか綺麗に取り切りましたが、相当な時間がかかりました。
でも知恵の輪にチャレンジしているような感覚で、なんだか熱中してしまいます♪
複雑に絡みあった釣り糸を綺麗に回収できた時は、
難しいドリルを解いた後のようなスッキリ感、そして珊瑚を救出できたという嬉しい気持ちで満たされますね^^
ちなみに、ハワイのオアフ島のあるサンゴ礁で調査をしたところ、約6割のサンゴしょうの群体に釣り糸に絡まっており、そのうちの8割が部分的もしくは完全に死亡していたそうです。
参考:「海洋プラスチック汚染」中嶋亮太著
私が見かける中でも、釣り糸が絡まっているサンゴは部分的に白化していたり、傷ついていたり、珊瑚が釣り糸を取り込んで成長し異様な状態になっていたり、その影響が心配になることが多いです。
私は普段釣りをしないので詳しくない部分もあるのですが、
釣りをされる際は水中ゴミとならないよう結び方や、根がかりしないような工夫をして頂けましたら嬉しいです!
釣り糸回収は大変な時もありますがその分達成感もあって面白いので
ご興味のある方がいらしゃいましたら、是非HPよりお問い合わせください^^
※受講にはスキューバダイビングのライセンスが必要です。
次回の連載は6月を予定しておりますので、また来月もよろしくお願いします。
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