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マツバヤシ ノゾミ(OFNE)

マツバヤシ ノゾミ(OFNE)

タコスと音楽で時代の波をのりこえる「cafe OCEAN(カフェ オーシャン)」(沖縄市)

1970年創業、時代を超えて愛されるタコスがいただけるカフェ、cafe OCEAN(カフェ オーシャン)。

お店のある沖縄市の「コザゲート通り」は、胡屋十字路を嘉手納基地第二ゲートに向けて走る道路に面した通りの愛称で、終戦後の沖縄市の経済の中心地として栄えた場所です。アメリカ統治下の面影を残す昔ながらの店と、いまの時代に合わせた新たな店が入り混じり静かな盛り上がりをみせています。

親子2代にわたり50年の歴史を重ねながらカフェを営む名物店主、屋良 靖(やら やすし)さんことヤッシーさん。彼が守り続けるタコスの味とお店の歴史、そしてヤッシーさんの活動についてお話を聞きました。

目次

コザゲート通りの移ろいを見守り続けるcafe OCEAN(カフェ オーシャン)の歴史

cafe OCEAN_沖縄市

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)は開店当初、現在の店主ヤッシーさんのお父さまと伯母さまがはじめた飲食店でした。その後は両親とヤッシーさんが運営を引き継ぎ、現在はヤッシーさんお一人でお店を続けています。
米軍基地からのお客さんが多かった時代を経て、現在は地元の方や観光客がメインのカフェになりました。提供するメニューも長い年月をかけて、時代に合わせて変化しているそうです。

cafe OCEAN_沖縄市

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)で食事をしたのは、沖縄で梅雨入り宣言がされた当日で、梅雨どころではない土砂降りの雨の日でした。
そんな悪天候のなかでも、常にお客さんの出入りがあるcafe OCEAN(カフェ オーシャン)は、時代を越えていまもなお、変わらずコザの街の人々の胃袋を満たしてくれる役目を果たしています。

受け継がれる家庭の味。cafe OCEAN(カフェ オーシャン)の手作りタコス

cafe OCEAN_沖縄市

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)の名物メニューのタコスは、その昔、アメリカ軍人の奥さんからヤッシーさんのお母さまが習った家庭の味なんだとか。タコスはアメリカの家庭の味なのか?と疑問に思いましたが、メキシコに近いカリフォルニアの家庭ではタコスはよく食べられているそうです。
受け継いだレシピは、タコスの皮やタコスミート、ソースまで、いまなお変わらぬ味でお店で提供され続けています。

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)のタコスの皮は、トルティーヤ生地を焼いてさらに油で揚げて作られる、ハードシェルタイプ。
パリパリの生地としっとりしたタコスミート、シャキシャキしたレタスの食感がとてもよいです。シンプルながらもボリュームのあるタコスですが、ペロリと食べられます。

本場メキシコではタコスの皮(トルティーヤ)は主食で、お肉と野菜が入っているタコスはそれだけで完成された料理なんだそうです。

cafe OCEAN_沖縄市

タコスにかけるソースは、ほんのり感じる辛味とトマトの甘さが絶妙。
時代を超えて受け継がれてきたカリフォルニアの家庭の味を味わえることに喜びを感じます。

タコスは1ピース300円ですが、ランチタイム(12時-17時)には2ピース500円でいただけます。

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)で食べるなら「オーシャン風やきめし」がおすすめ

■オーシャン風やきめし(500円・税込)

cafe OCEAN_沖縄市

「オーシャン風やきめし」は、cafe OCEAN(カフェ オーシャン)に来たらこれしか食べないお客さんもいるほどの人気メニューです。

cafe OCEAN_沖縄市

炒めたレタスの食感がよく、ひき肉もたっぷり入っています。味の決め手は絶妙な塩加減。こんなにもシンプルな材料なのに、何度でも食べたくなる納得の味です。

「タコライスは、よその店でも家でも食べられるけど、この焼き飯はオーシャンでしか食べられない。」そうおっしゃるヤッシーさんが腕を振るう「オーシャン風やきめし」は、間違いなくおいしい焼き飯でした!

ボリューミーなクラブハウスサンド

■クラブハウスサンド(600円・税込)

cafe OCEAN_沖縄市

しっかりとトーストした食パンを贅沢に3枚も使用した「クラブハウスサンド」。卵焼きにレタス、玉ねぎ、カリッと焼いたベーコンにトマトがサンドされた分厚くてボリューミーな一品です。
ケチャップとマヨネーズを混ぜたドレッシングの味は、酸味と甘味がサンドイッチ全体の味をひきしめてくれます。

cafe OCEAN_沖縄市

みてください!この厚み!家でサンドイッチを作っても、ここまできれいな断面には仕上がりませんよね。これが熟練の技なのか、と感動しながら大きな口でほおばります。

歴史の長いお店で提供されるお食事は、思い出の味としていろんな人々の記憶に残っているんだろうな。そんなことを考えながら、あっという間に完食!ごちそうさまでした。

ミュージシャン ヤラヤッシーの活躍

食事がひととおり終わったところで店内を見渡すと、ゲート通りに面した窓際にステージと楽器のセットがならんでいるのに気がつきました。

cafe OCEAN_沖縄市

1人で厨房に立ち、接客、テーブルセッティングなど静かに淡々とこなしていく店主ヤッシーさんは、ミュージシャン「ヤラヤッシー」としての顔も持っています。店内でのライブ演奏と沖縄県内外でのライブ活動も不定期で行っており、2023年7月には福岡でライブも控えています。

さらにコザの街を舞台にした映画「THE10ROOMS」では、ヤラヤッシーの楽曲が劇中歌として流れています!すごい!
「10ROOMS」× ヤッシー https://www.youtube.com/watch?v=ZnUj0zIh8Jk

楽曲があまりにもカッコよすぎて、映画も見に行こうと決意しました!
ちなみに映画「ミラクスシティコザ」ではロケ地にもなっているそうです。こちらも要チェックです!

カフェの運営と音楽活動。この二つを続ける秘訣についてお話を聞くと、「ほどよい熱量で」と静かに話すヤッシーさん。父母の味を受け継ぎ、お店を守り、ご自身の楽しみである音楽活動を心が喜ぶままに続けてきたヤッシーさんから、燃え続ける炎を決して絶やさないという静かな情熱を感じました。

cafe OCEAN_沖縄市

コザの街の時代をミックスしたcafe OCEAN(カフェ オーシャン)の店内

cafe OCEAN_沖縄市

cafe OCEAN(カフェ オーシャン)のカウンター席から見える棚には、米軍統治下時代の営業許可証であるAサインが飾られ、骨董品のようにならぶ食器や瓶など、歴史を感じる品々がいまもなお残っています。

cafe OCEAN_沖縄市

50年のときを刻む店内はリニューアルを重ねているそうですが、落ち着きのある色合いのソファーやテーブルなどは、古きよき時代の社交場としてのにぎわいを感じさせる上品な雰囲気を色濃く残しています。

cafe OCEAN_沖縄市

店内には、鮮やかでアーティスティックな、まるで音楽アルバムのジャケットのようなポスターが至るところに貼られています。店で開催する音楽イベントのポスターで、デザイナーに依頼しており、ヤッシーさんのこだわりを感じます。

cafe OCEAN_沖縄市

一つひとつのポスターに目を奪われていると、ゲート通りから見えるcafe OCEAN(カフェ オーシャン)の外観がデザインされたポスターを発見。外観写真にイラストがコラージュされた、なんともおしゃれなポスターをじっくり見てみようと近づくと、驚きの事実!写真とイラストのコラージュではなく、なんと紅型!
細かい線画が美しいcafe OCEAN(カフェ オーシャン)の外観を映し出した紅型は、コザの街を描く紅型作家の金城宏次(ひろじ)さんの作品で、ヤッシーさんが特別にオーダーしたそうです。沖縄の伝統工芸紅型の技法で表現されたcafe OCEAN(カフェ オーシャン)の姿は、ぜひとも多くの人に見てほしい芸術作品です。

タコスと音楽を楽しむ1人の男の人生にふれることができる、静かな店内のcafe OCEAN(カフェ オーシャン)。
みなさんもぜひ、時代を超えて守り続けるタコスの味と店内の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

Information

cafe OCEAN_沖縄市
cafe OCEAN(カフェ オーシャン)
住所
904-2174 沖縄県沖縄市中央2-15-2
電話番号
098-938-5978
営業時間
12時〜20(L.O.21時) *ランチタイム 12時-17時 
定休日
年中無休(不定休)
駐車場
なし(近隣のコインパーキングを利用ください)
クレジットカードの利用
不可
電子マネーの利用
不可
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