暮らし,沖縄経済
ホテル業界の人材不足解消のカギを握る“外国人労働者”
──今回は新たなメンバー、ブルームーンパートナーズの宮城敦さんと共にお伝えしていきます。
ブルームーンパートナーズ、宮城敦さん。
学生時代、結婚式場でアルバイトしたことをきっかけにウェディング業界に就職。
人事を担当する中で、沖縄の人材課題に直面し、それを解決するため転職を決意!
現在は、人材事業を中心とする会社のアールディ・フィールズ沖縄の代表も務め、学生向けのキャリア教育にも取り組んでいます。
プライベートでは3人の子どものお父さんで、休日には趣味の釣りも楽しんでいます。
人に寄り添い、沖縄の経済トピックスを紐解きます!
人材不足解消に期待される外国人労働者
宮城さん
「今回のテーマはこちら。『ホテル業界の人材不足解消のカギを握る“外国人労働者”』です。」
ホテル業界はコロナ禍で大きな打撃を受け、他の業界に転職した人も多く、沖縄県ホテル協会が2023年4月に加盟するホテルに実施した調査では、95.7パーセントのホテルが「労働力が不足している」と回答しています。
その人材不足を補うために注目されている“外国人労働者”について取材してきました。
多様な人材採用が進むホテル
宮城さん
「外国人採用に積極的なのが、こちらのホテルです。それではさっそく取材してきます」
恩納村にあるハイアット リージェンシー 瀬良垣(せらがき)アイランド沖縄。
ここではホテルの顔であるフロント業務にも外国人が採用されています。
宮城さん
「沖縄に来て何年ぐらいですか」
韓国出身 チェ・ミンソックさん(34)
「今年で7年目になりました」
沖縄に来たばかりの頃はほとんど日本語がしゃべれなかったそうですが、コミュニケーションを通してぐんぐん上達していったということです。
韓国出身 チェ・ミンソックさん(34)
「お客様とコミュニケーションをするのが大好きで、ホテルマンとしてこのホテルを選んでくださっているお客様に、満足して帰っていただくようにするのがやっぱり大好きだなと」
韓国出身 チェ・ミンソックさん(34)
「将来的には、世界で一番のホテルマンになれるように頑張っていきたいです。」
IT環境を支える重要なポジションにも採用
一方、バックヤードでホテルのIT環境を支える重要なポジションを担うのは、マレーシア出身のジョージ・ローさんです。
宮城さん
「今のお仕事の役割を教えてください」
マレーシア出身 ジョージ・ローさん(46)
「今はホテル各部のIT問題解決。ネットワークとか、パワーとか、電話とか、インターネットとか
ソフトウェアとかそういうもの一括です」
アメリカや東京でも働いた経験があるジョージさんですが、沖縄は特に魅力的な環境だと話します。
マレーシア出身 ジョージ・ローさん(46)
「環境、山、海、全部ある。3年後も、5年後も、10年後も、20年後も、沖縄にずっと住みたいです」
従業員の25パーセントが外国人
こちらのホテルでは現在、日本を含め13か国の人が働いていて、従業員のうち25パーセントが外国人です。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 江川健太郎 人事部長
「私どものホテルは、グローバルなお客様に対応するということで、やはり使い慣れた言語でお迎えするというのが何よりのサービスなんじゃないかなと」
日本人と外国人で給与面や待遇の差はなく、働く人々の将来のことも考えています。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 江川健太郎 人事部長
「チェさんも最近アシスタントマネージャーに昇格したんですけれども、そこは仕事をする上での技術なので日本人・外国人という区別は一切しておりませんし、彼ら彼女たちのキャリア形成に役立つような体験をここでしてもらえたらなと思っています」
今後はさらに多様な人材採用を見据えています。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 江川健太郎 人事部長
「(従業員の)30パーセント、40パーセントぐらいの一緒に働く方が、外国人のみならず、例えば障害をお持ちの方もそうですし、いろいろな働き方ができるようなホテルになっていくと良いかなと思っています」
多くのホテルが今後外国人労働者採用を検討
宮城さん
「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄で働く外国人は『技術・人文知識・国際業務』という在留資格を持っている人がほとんどで、技術や知識を活かして働いている方が多いと感じました」
沖縄県ホテル協会の調査では、外国人労働者を採用していると答えたホテルは17.4パーセント。今後採用を検討したいと答えたホテルは52.2パーセントと、多くのホテルが外国人労働力に期待を寄せていることがわかります。
沖縄県ホテル協会の平良会長に課題や今後の見通しを聞きました。
沖縄県内ホテル業界の今後は
沖縄県ホテル協会 平良朝敬 会長
「2018年度に沖縄観光1000万人。ハワイを抜いたという記録がございます。」
沖縄県ホテル協会 平良朝敬 会長
「その1000万人を追いながらも、質の向上を高めていかないといけない。そのためにやっぱり外国人労働者。特定の技能を持っている方をどんどん採用してやっていく必要があるんだと思います」
沖縄県ホテル協会 平良朝敬 会長
「外国人労働力というのは非常に即戦力になりますから。迅速化という意味では、やはり入国の手続き、入管手続きですね。そういったものもこれからの課題になると思いますけども、やはり世界に開けた人材を沖縄に受け入れられるような体制作りを早めに構築した方が、お客様が選んでくれる観光地になると思っています」
今日の一言
──さて宮城さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
宮城さん
『観光業の共創』です。
今回ご紹介したデータ以外にも県民意識調査で、観光業界で働きたいと考える人は17.1%にとどまります。沖縄県民がもっと観光業界に興味と誇りをもち、ホテルや企業は働く環境を整え、魅力ある業界にしていく。そして外国人と沖縄県民との「共創」で、観光業界の再建を進めていければと思います。
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