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真栄城 潤一

真栄城 潤一

B.B.WAVES jr.はどんなトレーニングをしているのか? 新スタジオに潜入してみた【アクターズ Log.】

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.

数々の実力派アーティストを輩出した「沖縄アクターズスクール」。その第二幕を彩る、新たな沖縄の才能「新生B.B.WAVES」メンバーを追う青春密着応援番組『アクターズTune!』が毎週土曜あさ10:55〜絶賛放送中だ。
【アクターズ Log.】は番組と並走しながら、時には番組内容を深掘りし、時には違った視点からのアプローチで、世界を目指すフレッシュな才能とそのインストラクターたちを立体的に記録する試みである――。

今回は新しく開設したスタジオで、B.B.WAVES jr.のレッスン現場を取材した。日々どんな雰囲気やルーティンでトレーニングに励み、自分に向き合っているのか、その一端をレポートする。

ストレッチからリズムを染み込ませる

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
ストレッチもリズミカルに取り組む

7月のとある日。那覇市街地にある新生アクターズのスタジオに続々とB.B.WAVES jr.たちが集まってきた。この日は主に年齢別で2チームに別れた2部構成でのレッスン日程で、トレーナーは高良舞子さんが担当した。

最初のレッスンは“年少組”のチームBから。メンバーは隙あらば踊って歌おうとするくらいに元気いっぱいで、スタジオはかなり賑やかな雰囲気。

先ずはウォーミングアップで、大音量で流れるブルーノ・マーズの楽曲に合わせながらストレッチを開始。もうこの時点でリズムやビートを身体に染み込ませるプロセスが始まっている。メンバーの皆それぞれがインストラクターの動作と自身の姿とを鏡で確認しながら身体を温めていき、少しずつ集中力が高まっていく空気感が作られていく。

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
元気な声がスタジオいっぱいに響く

身体を動かしながら、そのまま流れで閉じた唇に息をあてて震わせる「リップロール」で歌のための下準備をするボイスレッスンになだれ込む。「ちゃんと曲のリズム感じてよー!」という舞子さんの掛け声も挟まれながら、ビートにのりながらたくさんの声が重なっていく。

流れている楽曲にR&Bやポップス、そしてラテンまで様々なリズムが織り交ぜられているのが興味深い。
子どもたちは一生懸命に声を発して発声練習をしながらも、ちゃんと曲のリズムに身体を揺らしながら、その純粋な楽しさを感じているようにも見える。アクターズの最大の強みである「歌いながら踊る」の基礎を構築するプロセスの一部分を垣間見たように感じた。

全てが表現の“研究材料”

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
対面で歌い踊る「バトル」はエネルギーのぶつけ合いだ

身体も口も温まったら2人1組になり、対面でパフォーマンスする「バトル」と呼ばれるトレーニングが始まった。ペアになった子どもたちは、互いの目を見つめながらそれぞれのエネルギーをぶつけ合うように歌って踊る。

「本当に本気出してる…?この前はもっといけてたけど!」。1曲目が終わると、舞子さんから激が飛んだ。「まだいけます!」と応じるメンバーたち。
それがトリガーになり、メンバーのボルテージが次第に上がっていく。目の前のメンバーのリズムの取り方、音の感じ方、ダイナミクス(強弱)、そして表現方法。その全てを自分の表現を磨くための“研究材料”にするつもりで、と舞子さんがさらに鼓舞する。

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
要所要所で掛け声を挟み、メンバーを鼓舞する舞子さん

仕上げのトレーニングは「360度」。文字通り360度を観客に囲まれたステージを想定して、他のメンバーとのポジションと移動を意識しつつ、全方位に自分の表現のエネルギーを発散するためのレッスンだ。
見学してるだけでも息が上がりそうな運動量で、メンバーは文字通り汗を飛び散らせながら懸命にパフォーマンスに没頭していた。

より精度を上げた向き合い方

続いて行われた“年長組”のチームAでも、基本的なトレーニングの流れは同様。ただ、メンバーの年齢が上がっていることもあって、楽しい雰囲気なのは変わりないが賑やかさは抑えめで少々の緊張感も漂っている。

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
歌うための呼吸もリズムに合わせて刻む

冒頭の楽曲に合わせたストレッチとリップロールでは、テンポが低くグルーヴィなリズムと、流れるような疾走感のあるリズムとのメリハリを意識しつつ、きちんとリズムキープをするように舞子さんが呼びかける。

Aチームのレッスンでは、指摘やアドバイスを言語化する際の語彙が増えるため、メンバーが楽曲やリズムと向き合う時の精度が上がり、さらに言えばそれに伴ってパフォーマンスへの感覚はよりシビアにもなっているのが印象的だった。

発声のトレーニングでも、力を抜いて、スタッカートを意識して、口角を上げて、といったあくまで実践的に歌うことを意識した言葉が響く。舞子さん自身の経験に即した喉に負担をかけない歌唱を模索することの意味や、身体を壊してしまった時のメンタルケアなどについても、丁寧に説明する場面もあった。

自分を解放する表現にたどり着く

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
メンバーが入り乱れて歌い踊る「360度」

Aチームのレッスンでは「バトル」は行わず、“ノンストップ・360度”が行われた。休憩を挟まずに数曲分をブッ通して歌い踊る、いわば耐久レースのようなエクササイズ。メンバーの1人からは「本番だとこれ以上の曲数をやることもあるはずなので、出来ないといけないですよね」という言葉も飛び出していた。

その気概や良し!…とは言え、実際そのトレーニングを目の当たりにすると、見てるだけ、シャッターを切っているだけでも汗をかきそうな程の凄まじい運動量だった。
どの角度からも観客に“見られている”ことをどれだけリアルな感覚として想定し、それを踏まえた上で自分の表現を架空の客席に届くものまで磨き上げられるか、というなかなかに困難な課題に皆が立ち向かっている。

沖縄アクターズスクールB.B.WAVES jr.
架空の客席に歌声を届ける

不意にトップ・アーティストとして最前線で活躍している人たちがライブで発しているエネルギーを思い出して、それがどれほど凄いことなのかをほんの少しだけ肌で感じられたような気がした。
そんな激しい動きの中でも、撮影しているレンズに向かってガッツリカメラ目線でパフォーマンスで主張してくるメンバーもたくさんいて、頼もしさを感じる瞬間も多々あった。

通しでレッスンを見て、トレーニングの優先事項に据えられているのは決してダンススキルの向上だけではなく、それぞれのメンバーが「自分を解放する表現にたどり着く」ということなのではないかと感じた。自分を解放したその先にある個性とエネルギーを、歌と踊りで全身を使って自分の身体以上に大きく発する。1つの到着地(あるいは通過点)として、そんなイメージを抱いた。

ただ単にダンスが上手いわけでも、歌が上手いわけでもなく、あくまでそれらを素地にした上で「個」と「表現」とを一体化した圧倒的なエネルギーを放つ、というところに「アクターズ魂」の肝がありそうだ。

アクターズスクール

関連リンク

新番組「アクターズTune!」では、沖縄アクターズスクールの新生B.B.WAVESメンバーとしてエンターテインメントの世界のスタートラインに立った沖縄出身の子どもたちが、歌や踊りなどパフォーマンスに汗を流し、ひたむきに情熱を注ぎながら、成長を遂げていく過程を追っていく青春密着応援番組。

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