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金城 晋也(リップサービス)

金城 晋也(リップサービス)

映画「ファニーズ」を語ったら、文字数が想定外になりました【リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」】

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」

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運転免許の更新期間は「誕生日の前後1か月」と決まっていますから。「免許更新行かなきゃ」は「プレゼントちょうだい」と脳内変換して、円滑な人間関係を築きましょう。
リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」はじまりはじまり!

はぁ・・そろそろ免許更新行かなきゃ。

目次

「ファニーズ」と私

秋ということで(暦の上ではすっかり秋なんですって)映画の話題を。沖縄のお笑い団体FECの社長・山城智二さんが自らメガホンを取った初監督作品「ファニーズ」についてです。
この作品は公開前から話題となり、各種メディアで連日大きく取り上げられています。僕も沖縄お笑い界の隅っこの方に身を置く者として、少しだけ語らせてもらえたらと思います。

映画「ファニーズ絶賛上映中

この映画は、FECの創設者であり26歳の若さで急逝した山城達樹さんの生涯を、弟であり、芸人兼FECの現社長である山城智二さんが辿るという内容。

僕は2021年まで沖縄のお笑い事務所オリジン・コーポレーションに所属していましたが、このオリジンとFECはよく「ライバル」と形容されます。
確かに一昔前はバチバチに凌ぎを削っていた時代もあったようですし、賞レースになると「FECには絶対負けない」だなんて意気込むこともあります。
ただ僕の肌感覚だとライバルの前に「良き」が付く関係。「沖縄のお笑い界」という小さな世界に住む者同士、手を取り合って切磋琢磨しています。
お互いのライブにゲストとして呼び合ったり、フリーとなった今でもライブに呼んでくれることもあり、本当に感謝しかありません

今年の6月にも劇場に呼んで頂きました。またいつでも!

島ぞうりのニーニー達

ちなみに、僕の中でのFECのイメージは「島ぞうり」です。
今はそんなことないですが、僕がお笑いを始めた15年ほど前はFECの殆どの芸人さんが舞台上で島ぞうりを履いていました。
頭にタオルを巻き、島ぞうりで、等身大のウチナーグチでネタをぶつけるニーニー達はちょっとだけ怖かった覚えがあります。
でも今思えばあの島ぞうりは「沖縄県民の生活に根付いた」「飾らない」お笑いを目指すFECの方向性を示したものだったのでは、と分析しています。…いや考えすぎか。

「島ぞうりとFEC」に関する、僕の大好きなつぶやき。知念だしんいちろうさんのX(旧Twitter)より。

映画「ファニーズ」の中でも語られていますが、FECのあとを追う形で設立されたのがオリジン。
事務所立ち上げ当時、右も左も分からない中で親身になってオリジンにアドバイスをしてくれたのが達樹さんだったそうです。
つまりオリジンがあるのは達樹さんのおかげ。今の僕があるのはオリジンのおかげですから、間接的ではありますが僕があるのは達樹さんのおかげなんです。

「達樹さんのおかげ」とは言っても、当然本人にお会いしたことはありません。
達樹さんが急逝したのが1996年ですから僕がまだ9歳の頃。
テレビから流れてくる訃報に接した家族がとても驚いていたこと、そして「テレビでよく見る元気な人だ。若い人でも亡くなるんだな」と思ったことを昔のことながら鮮明に覚えています。
ちなみにこの頃はJリーグに夢中で、サッカー部に入るか入らないかの時期でした。まさか沖縄でお笑いを始めるだなんて夢にも思っていない晋也少年だったのです。

当時の晋也少年(右)、と弟。

そんな晋也“少年”が晋也“青年”となり、芸人としてのキャリアをスタートさせたのは大学時代。
当時オリジン所属だった友人に影響されてお笑いを始めました。
友人と同じ事務所に入るという選択肢のほかに「ライバル」とされるFECに入団するのも面白いんじゃないかと迷っていました。
オリジンか?FECか?事務所選びの決め手となったのがその年からスタートした沖縄のお笑いコンテスト「O-1グランプリ」。
せっかくだから沖縄で一番面白い芸人さんがいる所に入ろう、と手に汗握りながら勝負の行方を眺めていました。
そして、優勝者を伝える司会者の“がなり”とと共に、僕はオリジンに入る決心を固め、島ぞうりを下駄箱に片付けました。

達樹さんの遺した言葉

「芸人とは職業ではない、生き方だ」「まずはやること、そして続けること」これが達樹さんの遺した言葉です。
オリジンに所属してからも、あらゆる場面でこの二つの言葉を耳にし、苦しい時には何度も何度も勇気をもらいました。
O−1グランプリでFEC勢に負け続けた時もこの言葉に救われたんですから不思議な話です。
まだ何も成し遂げてはいない僕ですが、これからも「続けて」いこうと思います。

毎月のライブの様子。楽しく続けていこう。

おっと、少しだけ語るつもりがなかなかの分量になってしまいました。
本当は相方・榎森さんの結婚についてお祝いをつらつらと綴ろうと思っていたんですよ。あー文字数が…とりあえずおめでとう。

おめでとうござい…文字数が…

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