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長嶺 真輝

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「学びがたくさんある」首位走る琉球アスティーダの若手・濵田一輝 トップ選手に囲まれ“自分磨き”

琉球アスティーダ
層の厚い琉球アスティーダで成長を誓う濵田一輝(琉球アスティーダ提供)

卓球Tリーグの琉球アスティーダが、7〜8月に行われた2023-24シーズンの序盤戦8試合を終えた現時点で単独首位を走っている。通算成績は6勝2敗の勝ち点20。球団初の2連覇に向け、視界良好だ。

今シーズンのアスティーダで特筆すべきは「層の厚さ」だ。

昨シーズンからチームを引っ張る世界ランキング4位の張本智和、リオデジャネイロ五輪団体銀メダリストの吉村真晴という二枚看板に加え、中国の元代表である周雨(シュウ・ユウ)と現役でナショナルチームに籍を置く徐晨皓(ジョ・シンコウ)が加入。10月2日には2018年のワールドカップ団体で中国代表として優勝した于子洋(ユー・ズーヤン)の獲得も発表し、さらに戦力を上積みした。

チーム内での競争環境が一層激しさを増す中、さらなる成長が期待される若手がいる。所属3シーズン目の濵田一輝(20)だ。トップ選手に囲まれる好環境で「学びがたくさんある」と言い、“自分磨き”に生かしている。9月下旬、オンラインでインタビューに応じた。

ベンチから見るトップ選手の「試合の進め方」

琉球アスティーダ
オンラインでインタビューに応じる濵田一輝

高知県出身。アスティーダに所属するうるま市出身の上江洲光志と同じ名門の愛工大名電高校で腕を磨き、2021年の全日本選手権ジュニアの部でシングルス優勝。21-22シーズンの途中にアスティーダに加入し、現在も早稲田大学の現役生である。右シェークドライブ型で、素早いフットワークを生かした強烈なフォアハンドなどを武器としている。

Tリーグデビュー後の出場試合は全てシングルスで、1ゲームのみで勝敗を決めるビクトリーマッチを除き、21-22シーズンは3勝4敗、22-23シーズンは4勝5敗だった。2季とも負け越してはいるものの、上々の結果を残してきた。

今季のアスティーダについては「昨シーズンも強い先輩たちばかりだったけど、中国のジョさんやシュウさんも入ってきて、めちゃめちゃ強い」と率直な印象を語る。自身はまだ1試合のみの出場にとどまるが、好プレーヤーと一緒に練習する中で「いろいろ吸収しながらプレーができています」と収穫は多い。

それが試合中であればなおさらだ。「僕はベンチで一番テーブルに近いところから試合を見られるので、試合の進め方、点の取り方はすごい勉強になります。相手の心理的な部分も加味しながら戦術を組んでいるということが見ていてすごく伝わってくるし、それだけの経験値があってこそのプレーだと感じます」。世界のトップレベルで活躍してきた選手たちの試合運びは、極めて学びが多いようだ。

直接助言をもらうこともある。8月19日にあった金沢ポートとのアウェー戦で、今シーズンこれまで自身にとって唯一の試合である第3マッチシングルスに出た時のことだ。

この試合は第1ゲームを先取したが、その後は相手にうまくいなされて得意のフォアハンドが決まらず1ー3で逆転負け。終了後にシュウから「フォアハンドで攻め過ぎていたから、もっと広角に打ち分けたらおそらく勝てていたよ」と言われたという。「バックとフォアのバランスをもっと良くし、最終的に自分の得意のフォアに繋げていけるような試合をつくりたい」と、先輩たちのように試合のつくり方をもっと磨きたい考えだ。

Tリーグ以外の試合でも“アピール”を

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得点を挙げてガッツポーズを決める濵田一輝(琉球アスティーダ提供)

Tリーグはアスティーダに限らず力のある外国籍選手が年々増えており、「どのチームも層が厚くなり、レベルが上がっている」と感じている。その中で1位をキープしている現状に対し「チームは本当にいい状態。中国人選手も冗談を言ったりしてキャラクターがおもしろく、コミュニケーションも取れている。雰囲気はとてもいいです」と手応えを語る。

自身は10月上旬にスウェーデンである国際大会に出場するなど、Tリーグに限らず試合は多い。それを念頭に、アスティーダでも出場機会を増やすために「まずはTリーグ以外の試合で活躍して結果を残すことが大事だと思います」と足元を見詰める。

もちろん、自身の目標も昨シーズンに続いて優勝だ。「2連覇をすることがチームの絶対目標。それを達成できるように、僕も試合に出たら勝ってチームに貢献したい。いつ出てもいいように、常に準備をしていきます」と気持ちをたきつける。

10月21、22日には那覇市民体育館に金沢ポート、岡山リベッツを迎え、今シーズン初めて沖縄でホーム戦を行うアスティーダ。まだベンチ入りするメンバーは分からないが、出場したら「僕はラリー戦が得意なので、粘り強いプレーを見てほしいです」と意気揚々と語る。伸び盛りの時期にある濵田の存在は、層の厚いチームがさらに飛躍するための大きな“伸びしろ”であることは間違いない。

琉球アスティーダ

「琉球アスティーダ」のホームゲームが沖縄県内初の地上波生中継!

番組名「T.LEAGUE 琉球アスティーダ vs 岡山リベッツ」
放送日時:2023年10月22日(日)12:00(沖縄テレビ8チャンネル) 

日本最高峰の卓球プロリーグT.LEAGUEで熱い試合を繰り広げる沖縄発のチーム「琉球アスティーダ」のホームゲームが沖縄県内初の地上波生中継します。

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