旨味が凝縮！長時間煮込みダシの沖縄そば「いち藤」（今帰仁村）

今帰仁村役場近くに2019年にオープンして以来、毎日完売御礼となっている沖縄そば屋「いち藤」。平日にもかかわらず、オープン前からお客さんが待機する人気店です。

地域性の強い小さな村で地元民の心をつかんだ「いち藤」の人気の秘密は、長時間煮込んで仕上げるおばあ直伝のスープにあり！美ら海水族館や古宇利島からのアクセスもよく、観光客にもおすすめのお店です。

赤い壁の古民家とのれんが目印の「いち藤」

「いち藤」は、琉球銀行今帰仁支店の裏手側にあります。美ら海水族館と古宇利島を結ぶ国道505号線から少し左に入った場所です。
周囲には今帰仁村役場や郵便局、黒糖工場や酒造工場などがあるため、12時のお昼休みには多くの地元客で賑わいます。

広めの店内には4人掛けのテーブル席が3つと、座敷テーブルが2つ。子ども用の椅子もあるので、小さな子ども連れでも気軽に利用できます。
余裕のある配置なので、周囲の会話が気にならないのもうれしい点です。

メニューは「いち藤そば」のみ！

メニューは軟骨ソーキと三枚肉がのった「いち藤そば」のみで、サイズを小・大・特から選べます。
麺の量は小から、150グラム・220グラム・300グラムほど。子ども用のそばもあるので、一人前食べたい子どもの欲も満たせます。

沖縄の炊き込みごはん「じゅーしぃ」は単体でオーダーできるので、いち藤そば（小）と「じゅーしぃ」、いち藤そば（大）と「じゅーしぃ」などと、お腹の減り具合を見ながら組み合わせて注文しましょう。

「じゅーしぃ」は沖縄そばのダシを使って炊き込むので、お店によって味が違います。「いち藤」こだわりのスープで炊き込んだじゅーしぃーは、格別です！

旨味が凝縮されたトンコツダシのスープ

今回は、いち藤そば（大）と「じゅーしぃ」をオーダーしました。

まず驚いたのはスープの色！沖縄そばといえば、比較的透明に近いスープが多いなか、「いち藤そば」は美しく澄んだ黄色のスープ。一度食べたらとりこになる、おばあ直伝トンコツダシのスープです。

奥さんの出身地である今帰仁村の実家でおばあに作ってもらった沖縄そばのおいしさに感動した店主が、「この味をたくさんの人に食べてもらいたい」と直々に伝授してもらったのが、「いち藤」のはじまり。

豚の背ダシをメインに、ゲンコツなどほかの部位も一緒に煮込んだスープは、なんと3日間、20時間以上も火にかけて仕上げています。

長時間煮込まれたスープには、トンコツの濃厚な旨味がたっぷり凝縮されています。脂っぽさや臭みはなく、今夜のお鍋のスープに持ち帰りたい！と思ってしまうほどの、味わい深さです。

麺は、沖縄県名護市の三角屋の「名護そば」が使われています。麺のプリッとした食感のあとに口に広がる小麦の風味、そして濃厚なスープとの相性が抜群！
おばあへの愛情と尊敬を感じられる、やさしい味に仕上がっています。

お肉は軟骨ソーキが2つと大きな三枚肉が1つのっています。トロトロに煮込まれたお肉は、黒糖でしっかりと味付けされていて、かめばかむほどに甘みが広がります。
子どもとシェアしたらお肉を全部食べられてしまいそうなので、「子どもそば」をオーダーするのをおすすめします！（笑）

紅ショウガと一味、そして手作りのコーレーグースーを入れて味変するのもおすすめ。コーレーグースーを入れると、辛くなるのではなく、びっくりするほどコクが出るので、ぜひ試してください。

ニンジンやネギ・ダシ骨肉とスープで炊き込まれた「じゅーしぃ」は、ラードをお米に混ぜ込み、深みを強めているそう。
「いち藤」のこだわりの「じゅーしぃ」は濃厚な旨味だけど意外とさっぱりと食べられるので、脂っぽさが苦手な人にもおすすめです。

「いち藤そば」の人気の秘密は人柄が溢れ出る味わいにあり！

濃厚だけどやさしい味わいの「いち藤そば」。老舗で地元客から愛される沖縄そば屋があるなかで新規オープンしてからあっという間に人気店となったのは、地域に愛される店を目指し、昔ながらの味を深く探求したからこそ。
「おばあも喜んでくれて自分たちもうれしい」とおっしゃる店主の人柄も相まって、地元客のリピーターも多いのも納得です。

1日50食限定なのですぐに完売してしまいますが、古民家ゆえに大きな冷蔵庫を置けないので数を増やせないそうです。確実に食べたい方は、11時の開店と同時に行くのがベターです。
ジーマミー豆腐もいまはお休み中ですが、いつか余裕ができたら再開したいとのこと。「おいしい沖縄そば屋」として知名度が急上昇中なので、早めにお店に足をお運びくださいね。
（写真：Tomoko PHOTO）

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