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OTV報道部

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納車まで1年待ち!?ウィズコロナで増大する自動車需要と、新たな県民の足

小林
「ここが知りたい沖縄経済、
ブルームーンパートナーズのアイランドスコープ」です。

大城
今回は経済のスペシャリスト
ブルームーンパートナーズの仲座健二さんと共に
お伝えしていきます。

仲座さん
よろしくお願いします。
今回のテーマはこちら
『納車まで1年待ち?
ウィズコロナで増大する自動車需要と、新たな県民の足』です

納車まで1年なんてあまりに長すぎて待てませんよね!?

なぜそのような事態となっているのか、
まずはVTRをご覧ください。

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県民の足として欠かせない車

人口一人あたりの保有台数は全国平均を上回り、
全国でも高い水準にあります。
全国平均0.61 沖縄県0.75

そんな中、いま新車がなかなか手に入りにくい状況が続いています。

次郎工業 販売部 屋比久光博 次長
「平均で今のところ3か月から4か月待ち、長いものだと1年ぐらい待っているというのもありますね」

その原因となっているのが・・・
「世界的な半導体の供給不足」です。

ありとあらゆる電子機器に搭載される半導体は、
自動車の制御システムにも欠かすことが出来ません。

自動車業界では去年、
新型コロナによる先行き不安で記録的な販売減となり、
余剰部品が出ないよう半導体の発注を大幅に減らしていました。

しかし今年に入り、
密にならない移動手段として車を用いたり、
アウトドアに活用したいという人が増加。

ところがこの間に自宅での余暇やテレワークの普及で
パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの製造に
半導体が流れてしまったことで
自動車メーカーは車を作りたくても
作れない状況に陥っているのです。

次郎工業 販売部 屋比久光博 次長
「国内向けの車であれば47都道府県に割り当てされてきます。
その中で各県、取り合いが起こっている。

沖縄で人気の高い軽自動車の新規登録数を見てみると、
スズキでは今年に入り登録数が増え
5月には前年比で290%を記録。

しかしその後は半導体不足が直撃し
70%〜80%台で推移していて
他の自動車メーカーでも同様の傾向となっています。

次郎工業 販売部 屋比久光博 次長
「1か月以内に納車したいというのがあるんですけれども、
今の状況ですと供給が出来ないという歯がゆい思いがあります」

およそ7か月まってようやく納車の日を迎えた人は・・・

購入者は…
「自分は趣味でバーベキューとかアウトドア系をするので、
荷物が沢山詰める車を探していて」
(前の車の)車検までに間に合うかなという気持ちが強かったですね。待っていたかいがありますね。最高です。ガシガシ使いながら大切に乗りたいですね」

こちらの店では複数のメーカーを扱っている利点を活かし、
同じ価格帯で納期が比較的早い車種を
紹介したりして対応しています。

ただ安定供給のめどは依然として立っていないことから、
出来るだけ余裕を持った購入プランをオススメしています。

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大城
新車が手に入りにくい影響は、
市場全体にも影響を及ぼしそうですよね。

仲座さん
そうなんです。
車と同じ傾向にあるのがバイクでして、
実は私、前から欲しかったモデルを先月、中古で購入しました。

店の方にお話を伺ったところ、
新車の供給が不足する分、
中古車の需要が高まり価格が上昇しているということでした。

さて、このような状況に加えてコロナ禍の影響で
いま利用者が増えている移動手段について取材してきました。

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仲座さん
「那覇市久茂地に来ています。バス停のすぐそばにシェアサイクルのステーションが設置されています」

プロトソリューションが展開するシェアサイクル事業CYCY。

三大都市圏に匹敵すると言われる沖縄の交通渋滞を緩和するため
2019年にサービスをスタートしましたが、
新型コロナの影響が長引く中、
本来の意図とは異なる形でその存在が注目されるようになりました。

利用客は…
「3か月前ぐらいから。
コロナもあって人混みを避けるという意味もあって」
「コロナ禍になって(感染者が)急速に増えだしてから。
そこから移動手段をシフトして」

密を気にせず移動できることに加え、
15分80円という安さも相まって、
利用者は延べ1万人を突破しました。

プロトソリューション 佐々木 淳 CYCY事業責任者
「コロナ(流行)後の方が利用数としてはかなり伸びています。
密回避というところと、あとは手軽にご利用できますし」

CYCYでは、
那覇市と浦添市、そして宜野湾市を中心に
100か所を超えるステーションがあり、
どこで乗ってどこで返却しても構いません。

専用のスマートフォンアプリで
事前に決済方法を登録すれば支払いもスムーズで、
その使い勝手の良さも魅力の一つです。

実際に私も乗ってみました。

仲座さん
「アシストがついているので、本当にスイスイと漕いでいける」
「職場の近くにこういうステーションが増えてくれると、
どんどん便利になるのかなと思いますね」

新型コロナの影響で思わぬ形で注目されるようになった今、
新たな移動手段としての利便性や魅力を
多くの人に体感もらいたいと担当者は話します。

プロトソリューション 佐々木 淳 CYCY事業 責任者
「将来的には脱炭素社会に向けた国の動きもありますので」
「是非エコで健康になるサービスということで
ご利用いただければなと思います。
どんどん借りられるステーションを増やしていって
もっと利便性が高いサービスにしていきたいと考えています」

その他にも海外の事例を参考に環境に配慮した移動手段として
電動キックボードの実証実験が県内で行われるなど新たな動きも出てきています。

新型コロナに端を発する
自動車の供給不足や県民の行動変容・・・

私たちの生活スタイルはいま、一つの転換期を迎えています。

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大城
さて仲座さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

仲座さん
「移動手段のベストミックスを探ろう!」です。

車やバイクなど自分だけの1台を持つ喜びや利便性はありますが、
今回ご紹介したシェアサイクルなどのように移動手段の選択肢は
広がりを見せつつあります。

状況や目的に応じてそれらを上手く取り入れることで
より快適な生活を送ることにも繋がりそうです。

小林
仲座さん、本日はありがとうございました。
次回のアイランドスコープは来月18日を予定しています。

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