沖縄出身のK-POPアイドル、カズタさんがデビューをつかみ取った軌跡

オーディション番組から誕生した韓国のボーイズグループ『n.SSign（エンサイン）』のリーダーとして活躍するのが、沖縄出身の知念“カズタ”さん。

日本での正式デビューを前に、一足先に沖縄でファンイベントが開催された。

異国の地でデビューをつかみ取るまで、さまざまな壁を乗り越えてきたカズタさんに今の思いを聞いた。

韓国大型オーディションを勝ち抜いたウチナーンチュ

グローバルオーディション番組『青春スター』から誕生したボーイズグループ n.SSign。

日本でのデビュー前でありながら、2023年11月に有明アリーナで開かれたコンサートには3回の公演にあわせて2万4千人余りのファンが詰めかけた。

n.SSign
「あいさつしたいと思います。net of Star Sign！はいさ～い！ n.SSignです！」

そんなn.SSignが沖縄へ。
話題沸騰のグループでリーダーを務めるのが、沖縄出身の知念“カズタ”さんだ。

メンバーのドハさん
「カズタ兄さんは、ステージの中でめちゃくちゃセクシーパワーダンサーです。僕もセクシー」

n.SSign　カズタさん
「彼はかわいい担当ですね」

カズタさんは、「こうやっていま幸せに沖縄で活動しているのは、お母さんのおかげでもあるし、ファンの皆さんのおかげでもあると思うので、これからもたくさん沖縄に恩返しをしたいなと思っています」と自身の母や故郷沖縄への感謝を述べた。

遅咲きのデビューを叶えた“夢”を信じる力

デビューのきっかけとなったのは、グローバルなK-POPアーティストを目指して世界中から総勢108人が参加したオーディション番組、「青春スター」。

カズタさんは最初のステージで、2PMの名曲「My House」を披露。
初登場から圧倒的なパフォーマンスで会場を沸かせ、そのパフォーマンスの完成度は審査員も驚くほどであった。

n.SSign　カズタさん
「本当に最後の機会だと思って青春スターに応募したので、予選から全力で頑張っていました。絶対生き残ってやるぞ！という気持ちで、毎日休む暇もなく、ずっと努力していたので、その努力が報われたんじゃないかなと思っています」

宜野湾市出身のカズタさん。
実はダンスや歌を始めたのは、高校を卒業した後のことであった。

n.SSign　カズタさん
「小学校から高校まではずっとバスケ一筋で、（歌やダンスは）ほぼ未経験ぐらいでした」

そんな中、カズタさんがK-POPに魅了されたのは、友人からBTSを紹介されたことがきっかけであった。

n.SSign　カズタさん
「めちゃくちゃかっこよく、僕もなりたいと思いましたが、たぶん無理だよなって思っていました」

しかし、別のK-POPグループのNCTに所属する日本人・ユウタさんが韓国語をペラペラ話し、ダンスと歌も完璧にこなしている姿を見て「日本人でもこんな方もいるんだ」と思い、オーディションを受け始めた。

K-POPの世界では10代でデビューする人も多い中で、韓国に渡ったのは21歳と周囲より遅いスタート。
さらに、異国の地で苦労することも多かったという。

n.SSign　カズタさん
「韓国語を話すことも読むこともできなかったので、団体でダンスの練習をする時に、1人だけ違う動きをしていると指摘されても、絶対聞き取れなかったです。よく泣きながら勉強していましたね。夢を持つことで人って多分頑張れると思うので、それは一番大事にしていました。“夢”が僕の支えだったのかなと思いますね」

それからおよそ3年間、韓国で練習生として努力を重ねた結果が実り、2022年のオーディション番組で優勝。ようやくデビューを掴んだ。