公開日
OTV報道部

OTV報道部

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性

目次

今回は新たなメンバー、ブルームーンパートナーズの砂川桃子さんと共にお伝えしていきます。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

ブルームーンパートナーズ 砂川桃子さん。

大手ウェディング会社に就職し、営業や商品開発も経験。

現在はリゾートウエディングの企画やマーケティングを担当しながら、ブルームーンパートナーズでキャリア教育にも携わっています。

趣味はおいしいもの探求!沖縄の文化が大好きで三線にも挑戦中。
フレッシュな視点で、沖縄の経済トピックスを紐解きます!

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

廃食用油が“資源”として期待

砂川さん
「今回のテーマはこちら。『輸出量も金額も過去最多!廃食用油(はいしょくようゆ)の可能性』です」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

廃食用油とは揚げ物などで使用した油のことですが、実は海外に輸出されたり、リサイクルされたりと貴重な“資源”として期待されているんです。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

その現状や沖縄県内で活用に取り組む企業を取材してきました。

廃食用油がバイオディーゼル燃料に

化石燃料と異なり、植物成分を原料とすることでCO2の排出を実質ゼロとみなす“バイオディーゼル燃料”を製造しているのが、糸満市にあるアトラスです。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

株式会社アトラス 城間剛 取締役部長
「バイオディーゼルの製造を始めたのが平成19年ですね」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

さっそく、その原料を見せてもらいました。

株式会社アトラス 城間剛 取締役部長
「これが原料になる廃食油です。回収してきた廃食油」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

株式会社アトラス 城間剛 取締役部長
「これを化学処理することによってこんな軽油に近いようなバイオディーゼルというものに変わると」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

原料となるのは沖縄県内各地のホテルや飲食店などで使用され回収された油、いわゆる廃食用油(はいしょくようゆ)です。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

株式会社アトラス 城間剛 取締役部長
「植物由来のいわゆる油脂をとり出して、それを化学反応、化学処理といいますか、処理した上で、燃料としてできあがります。原料となる廃食油には当然水分があったり、夾雑物(きょうざつぶつ)(余計なもの)・ゴミ類ですね。そういうものが必ずついて回ります。だからそこの処理をして取り除くというところはやっぱり苦労するところですね」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

詳しい製造方法は企業秘密ということですが、純度を上げるために開発、研究を重ねて日本工業規格を満たすバイオディーゼル燃料の製造に成功しました。

世界でニーズが高まる廃食用油

廃食用油をめぐってはさまざまな活用方法があり、いま世界で取り合いになるほど需要が高まっているんです!

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

砂川さん
「私達の生活に欠かせない、油。使い終わった油がどのように活用されているのか、取材してきます」

沖縄地区税関の2023年12月の発表によりますと、2022年の沖縄からの廃食用油などの輸出は2258トン、金額にして3億9000万円あまりと過去最高を記録!

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

この10年をみても増加傾向にありますが、前の年と比べると数量は1.8倍、金額は3.3倍と急増しています。

砂川さん
「輸出された後、どういった活用方法があるんでしょうか?」

沖縄地区税関 調査部 調査統計課 長嶺顕勇 課長 
「近年ですとバイオディーゼル燃料としてよく活用されております。最新の技術を用いて航空燃料、SAFと呼ばれておりますけれどもそういったものにも活用が広がっておりますので、世界的に廃食用油のニーズが高まっている状況です。」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

2023年も10月までの輸出量は過去最高となっていて、今後さらに増加が見込まれます。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

沖縄地区税関 調査部 調査統計課 長嶺顕勇 課長 
「国内で活用される量が増えていくのであれば海外への輸出が下がっていく可能性はありますけれども、当面は国内での活用が軌道に乗るまでは輸出が伸びると見ております」

回収量を増やすために

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

廃食用油の可能性をいち早く見いだしてリサイクルに取り組んだアトラスでは、自社の車両全てにバイオディーゼル燃料を使用しているほか、販売もしています。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

株式会社アトラス 城間剛 取締役部長
「SDGsというものがありまして我々も持続的な開発、それと地球環境、温暖化対策の二酸化炭素を減らすという部分では大いに誇りを持っていますし、こういう今の考え方を広めていきながらやっぱり回収量を増やしていく。これが一番の課題だと考えています」

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

アトラスでは今後、回収量を増やしていくために、一般家庭の廃食用油も回収したいと考えているそうです。沖縄県内では一部の自治体で一般家庭の油を回収しているところもありますが、まだまだ家庭で使われた油は回収が進んでいないということです。

今日の一言

──さて砂川さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

砂川さん
『沖縄の新たな産業の可能性』です。

輸出量も金額も過去最多!廃食用油の可能性|アイランドスコープ2024年1月25日放送

本来廃棄されるはずの油が国内外に輸出され、貴重な“資源”として活用される動きは今後も加速していき、沖縄県内でも廃食用油のリサイクル技術の開発がさらに進むと予想されます。廃食用油が新しい価値に変わり、環境・経済にも貢献する未来。沖縄の循環経済の実現に寄与する可能性を秘めていると思います。

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!