沖縄経済
ウチナー文化を世界へ!
目次
──今回はブルームーンパートナーズの今川雄太さんとお伝えします。
今川さん
「今回のテーマは『ウチナー文化を世界へ!』です」
今川さん
「“沖縄の文化”に勝機を見いだし、今、海外に進出していく企業が増えているんです」
──どうして海外に進出するのでしょうか?
今川さん
「出生率が高い沖縄ですが、実は沖縄でも人口は減少に転じているんです。
人口が減少していくと将来的には経済も縮小するおそれがあるため、今後を見据えて
海外にチャレンジする企業が増えていると考えられます。
海外進出に力を入れる企業を取材してきました」
“できたて”にこだわるポークたまごおにぎり専門店
ポークランチョンミートと卵をはさんだ“おにぎりサンド”「ポークたまごおにぎり」の専門店『ポーたま』。
多くの観光客も足を運ぶ人気店です。
福岡から来た観光客は…
「おいしいといううわさを聞いたので、来ました。せっかくなので。あったかいです。おいしさが伝わってきます」
京都から来た観光客は…
「タコライスとゴーヤーの天ぷら」
「ん!おいしい!!」
東京から来た観光客は…
「おいしそうだし、食べやすいし。いいなと思いました」
「すごい食べてるね」
「おいしい」
今川さん
「なぜポークたまごおにぎりの専門店を始めたのでしょうか」
ポーたま 清川勝朗 代表取締役
「妻が沖縄(出身)なんですけれども、ある日、できたてのポークたまごおにぎりを作ってくれたんですね。そのできたてのおいしさにすごく感動しまして、本当においしい沖縄の食文化があるんだから、僕と同じ体験を皆さんにしてほしいという思いから、“できたてにこだわったお店”としてスタートしました」
もともと牧志公設市場の近くでカフェを営んでいた清川さん。
ポークたまごおにぎり専門店を始めたいと、2014年に一店舗目の牧志市場店をオープンすると、たちまち人気に!
現在は沖縄県内に5店舗、県外に5店舗、海外に1店舗を展開していて、2024年の夏までにさらに国内に2店舗をオープンする予定です。
作り置きはせず、できたてを提供するのがこだわりで、はさむ具材もバラエティに富んでいます。
私は今回、ゴーヤーの天ぷらが入ったおにぎりをいただきました!
今川さん
「あまりゴーヤーの天ぷらが入っているイメージはなかったんですけど、ゴーヤーの苦みとポーク、たまごが合いますね。すごくおいしいです」
2020年にはハワイ・ホノルルにも出店。
日本とは味付けを変えるなど調整を重ねました。
ポーたま 清川勝朗 代表取締役
「まずポークですけれども、沖縄ではちょっと柔らかめに焼いているんですけが、向こう(ハワイ)ではクリスピーです。ちょっとしっかり焼いているので、クリスピーな状態で販売しました」
ポーたま 清川勝朗 代表取締役
「卵は沖縄では塩コショウ、ハワイではお砂糖に変えました」
今後は、さらなる海外展開を見据えています。
ポーたま 清川勝朗 代表取締役
「おにぎりの中のポークたまごおにぎりではなくて、ポークたまごおにぎりという一つのジャンルを世界中に確立させて、世界中に広め、沖縄の文化も、沖縄の良さも知ってもらえるような事業にしていきたいなと思っています」
サトウキビから生まれる洋服
浦添市港川にある『SHIMA DENIM WORKS(シマデニムワークス)』。
その名の通り、デニムなどの洋服を取り扱っていますが、ただのデニムじゃないんです!
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「沖縄のサトウキビの搾りかすであります“バガス”をアップサイクルをして、デニムを中心とするようなさまざまな商品展開を行っています」
Q.サトウキビがどのように生地になるんでしょうか
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「搾りかすという形で、このようなバガスが発生していきます。こちらは乾燥させて粉砕をさせてパウダーにしたものを今度は和紙の工場に送りまして、和紙に変えていきます」
その和紙を細く、スリット、割いていきまして、これによりをかける、撚糸(ねんし)をすることで、この和紙糸を作っていきます」
その和紙糸を横糸にして織ることで、サトウキビのしぼりかすを使った生地が完成します。
こうした生地から、かりゆしウェアも製作しています。
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「こちらは小禄にあります知念紅型研究所とのコラボレーションで、イジュの花と竹ですね。紅型の図柄を提供いただいていたり、いろんなチャレンジをしている作家さんとのコラボレーションなども行っております」
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「かりゆしウェアを展開していく中で、よりいろいろな方々のいろいろな取り組みを知ってもらいたいという思いが込められています」
さまざまなアプローチをしながら見据えているのは、海外です!
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「特にテキスタイル(布地)の文脈でいきますと、世界中にマーケットがありますので、これを狙わない理由は企業としてはあまりないかなと思っています」
現在、サトウキビから作った生地をフランスやケニア・タイ・台湾など、海外にも販売しています。
SHIMA DENIM WORKS 小渡晋治さん
「外に評価されて、それを逆輸入するようなパターンというのも大いにあり得るのかなと思っていますので、チャンスがあれば、沖縄の工芸だったり、活躍されているアーティストの皆さんを紹介していきながら、新しいチャンスを作っていけると、よりよい我々の活動も付加価値が高まっていくんじゃないのかなと思います」
サトウキビが生み出した新たな価値と文化を海外へと広げていきます。
今日の一言
──さて今川さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
今川さん
『沖縄の当たり前 → 海外でのWOW』です。
沖縄では当たり前の商品が今回のテーマでしたが、新たな視点を加えて「売り方や、売る場所を変えること」で価値を作り出していることが印象的でした。
同じ商品でも、海外市場や外国人観光客をターゲットにすることで、新たな驚きや発見につながることがあります。そう考えると、沖縄には海外へチャレンジできるテーマがまだまだ沢山ありますね。
日本人マーケットに頼るだけではなく、今後は外国人をターゲットにしたインバウンドマーケティングや、海外進出にチャレンジする方が増えることで、ウチナー文化が外国人に伝わり、経済面でもメリットがありそうです。
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