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HYの【SKY Fes 2024】振り返り座談会
前編「目の前の景色や時間が、凄く大きな愛に包まれていた」
3月22〜24日の3日間に渡って開催された【HY SKY Fes 2024】。言葉では言い尽くせないほどのメンバーの思いが詰め込まれたこのフェスには、3日間で約25,000人が来場。HYを含む18組のアーティストが出演し、会場を大いに盛り上げた。
目次
どこまでも続き広がっていく空のように抜けの良いオリジナルテーマソング「SKY」を披露したウェルカム・ライブから、最終日大トリでAwichとコラボした「ホワイトビーチ」まで、HYが全力で駆け抜けたこのフェスは、出演したアーティストとオーディエンスが確実に“同じもの”を共有する空間として出来上がっている。その“同じもの”は、もちろん音楽そのものでもあるし、音楽を聴いた時に生まれる感情でもあるし、会場に吹く心地よい風でも、少し暑いくらいの陽射しでもある。
そんな唯一無二のフェスを作り上げ、大トリのステージという大役もしっかりと務め上げたライブ直後のメンバーに、SKY Fes 2024を振り返ってもらった。いざ話し始めると、次から次へと印象的なエピソードが飛び出して広がり、フェスと同様にけっこうなボリュームになったので前後編に分けてお届け。
前編ではパーフォーマンス終了直後、ステージから目にした景色についての感想を聞き、そして氣志團の“爆笑”パフォーマンスなどについて大笑いしながら大いに盛り上がった。
お客さんにフェスの楽しみ方が浸透してきた
—お疲れ様でした!
一同:ありがとうございましたー!
名嘉:2024が終わっちゃったよー!…と言いつつ、僕たちは明日の片付けがあるんですけどね。
仲宗根:そうそう、まだ終わってないんですよね(笑)
ー来場した皆さんに楽しんでもらえるフェスが体現できていたのではないかと思いますが、県総に会場を移してからの前々回、前回を踏まえて、先ずは振り返りの言葉をもらってもいいですか。
名嘉:少しずつちゃんと改善もしながら、自分たちが理想としているSKY Fesには近づいていっていると思うんですけど。やっぱり1つ1つの物事が大きいので、本当にたくさんの人の力が必要なんだなと改めて思ってます。今回は手話の方も入ってもらったんですが、喋るスピードとか情報量に対して伝えられる分量が限られるので、凄く大変みたいです。それでもずっと一生懸命やってくれたのも感謝しています。
—前回に引き続き、聴覚・視覚に障害がある方、車いすの方が楽しめるスペースもありましたね。
名嘉:そうです。でもそれも多分、障害者の方からするともっともっと色んな細かい問題とか、「こうなれば良いのに」っていうことがまだまだあると思うんですよ。
健常者だってあるじゃないですか。前回だったらトイレが少ないとかあったし。そういうのは直せるけど、もっと色んな声を聞いて、できることはやる。
できないことが出てきた場合には、また違った角度からアプローチしていけたらいいなと考えています。
許田:垣根なく誰でも来られるようなフェスになってきてるんじゃないかなと。去年は声出し解禁だったんですけど、それでもマスクはしてたんですよね。だから、今年はマスクなしで、みんなが顔を出してて、その表情が見れただけでもう最高っすね。
名嘉:でもマスクからの声出しのあの声、あの瞬間は忘れちゃいかんね。
一同:(超頷く)
仲宗根:これから先、慣れていってしまうはずだからね。
新里:お客さんのみんなも、SKY Fesの楽しみ方をどんどん分かってきてて、それが凄く浸透していってるのが嬉しくて嬉しくて。「あっちが見やすいから」みたいな感じで、見る場所も人気のエリアが出てきてるのも何か良いなって思ってます。そういうことも含めて、色んな楽しみ方をどんどん伝えていったら、もっとたくさんの人が来てくれるようになると思うし。
あと、アーティストの皆さんの間でも、出てもらうことによって「SKY Fesなんか他のフェスと違って良いね」っていうのも、少しずつだけど確実に浸透していってるんですよ。だから、この調子でもっと広がっていって、僕たちからお声がけした時に「SKY Fesだったらいいね、OK」って二つ返事で出演してもらえるようになりたい。でもそういうフェスになるためには、やっぱり来てくれるお客さんたちの存在も必要になると思うので。SKY Fesの良さがたくさんのアーティストに伝わって、また色んな人を呼んで、またここで夢の歌を響かせられるようにこれからも頑張っていきたいなと思ってます。
—それは本当に感じました。客席から見てて、アーティストの皆さんがめちゃくちゃ気持ち良さそうに歌ってるのが伝わるというか。
名嘉:昨日、(MONGOL800の)キヨサクさんがMCでも言ってたように、HYのSKY Fesが“夏フェスの始まり”で、モンパチの11月のWhat a Wonderful World!! で締めくくって、こんなの良いよねっていう話が凄い良くて。そして今回は天気も味方してくれました。
—本当に毎度、天気は凄く良いですよね。
名嘉:それはもうね、僕が言ってるんですよ。フェス3日間、設営も含めて1週間晴れだったら、僕の休みの日は全部雨でいいですって(笑)。でも本当に、天気が良いってことだけでもウルウルしちゃって。
—キヨサクさんが言ってくれた、夏フェスが「沖縄に始まって、沖縄に終わる」っていうのは何だかとても良いですね。
名嘉:そうなんですよ。沖縄の音楽の先輩たちは、こんだけ後輩のことを思ってくれる人たちばっかりだから、嬉しいですね。MONGOL800さんもBEGINさんも、そのもっと上も。知名定男さんとかもでーじだよな。ひーでは飲み友だし。
仲宗根:ひーでのおじーふーじー(おじいちゃんみたい)になってるよね(笑)
新里:「ひーで、ひーで。息子みたいだな、お前は」って言われてるよ。
一同:(爆笑)
全部の景色を詰め込んだテーマ曲「SKY」も初披露
—(笑)。その距離感も何か想像できますね。いーずさんはどうでしたか?
仲宗根:アーティストが出たいと思うフェス、子どもがいても連れて行きたいと思うフェス、年代がちょっと合わないんじゃないかって感じても、それでも行きたいって思うフェス。それがSKY Fesなんじゃないかなって思ってます。だって自分たちですら、もう作る側じゃなくて客でいたい!って思うぐらい、絶対楽しいだろうなって思うし。
アーティストの方々でお子さん連れでいらっしゃったり、そうじゃない人たちも含めてみんなとにかく「めちゃくちゃ凄い」って言ってくれて。環境のことも考えつつ、それだけじゃなくて子どもたちのケア、SDGsで廃材とかで装飾を作って全部自分たちでやってることもひっくるめて、こんな風にやってるのは見たことないと。あと、お客さんが凄くマナーが良くて温かい、って全員が全員言ってくれるんですよ。
「また機会があったら呼ばれたいです」って皆さんが言ってくれるので、今5回やってるけど、そのうち3回目からしか他のアーティストの方を呼んでないんですよ。
だから、もうこの3回分で呼んだアーティストをグループにして、ルーティンにして何回もやってもらいたい(笑)。それくらい皆さんが「良かった」って言ってくれるんで。それが自分たちが作ったフェスって考えると、なんかもう…ワーッて込み上げるものがあって。
私も最後に歌ってて、楽しいんだけど、楽しいの中に「なんでこの歌でこんなに涙が出そうになるんだろう」みたいな感覚だったんですよ。
ハッピーな歌を歌ってるはずなんだけど、目の前の景色とか時間が、凄く大きな愛に包まれているフェスだなってめちゃくちゃ思いながら歌ってましたね。
—それはもう間違いなく会場の沖縄県総合運動公園が包まれているのを感じました。パフォーマンスの面でもお聞きしたくて。初日のウェルカムライブで披露したSKY Fesのテーマ曲「SKY」はとても抜けが良い楽曲でした。
新里:SKY Fesのために何かテーマソングを作ってみたいなということで、1回目の頃のSKY Fesのことを思い浮かべてちょっとチャレンジして書いてみて、今回披露しました。本当に自分たちの思いがこの曲に全部詰まってて、今までのSKY Fesで見てきた景色が全部この歌に入っていて、この歌を歌った瞬間にSKY Fesに入り込めるんですよ。
仲宗根:初めてだけどみんな乗ってくれたもんね。それだけでもう号泣しそうでした。なんかもう全てが終わったみたいな感じで(笑)
“インチキ”な演出でサウンドもカッコ良い、爆笑の氣志團
—始まりなのに(笑)。今回のフェスで印象に残った場面についてお話してもらっていいですか。
名嘉:ええー、めっちゃいっぱいあるよ!僕の中で初めて、知らない曲、初めて聞くであろう曲ばっかりなのに、こんだけ笑顔になって乗ってしまうのは、氣志團さんですね。もう、入場SEがブンブブブンブン(バイクのエンジン噴かし音)でカッコ良くて面白くて、あれはインチキ!氣志團さん何が凄いって、あれだけフザけるくせに、サウンドがめっちゃカッコ良いんすよ。めっちゃ上手いんですよ。ドラムもツインペダルでドコドコして。
許田:ダンスもしに上手いし。
名嘉:そしてあんだけ「One Night Carnival」をこするっていう(笑)。自分で言ってましたもんね。ちゃんと1曲やったと思ったら、「One Night Carnival」を「AM11:00」っぽくアレンジした「PM11:00」バージョンもやって、そのあとに「ジャンボリミッキー」とマッシュアップしたヤツもやって、こんなセトリある!?(笑)
—1番尖ったセットリストだったかもしれません(笑)
新里:ウケた〜(笑)
名嘉:これ見てみんなゲラゲラ笑ってたし、そして翔さんは歌上手いし、寸劇もするしで、僕は今回はそれが印象深いですね。思わず一緒にライブ見に来た友だちみたいに「この人たちヤバいな、音もヤバいな」ってひーでに言って、袖で見てたのに客席の方まで行きましたね(笑)
—表は凄かったですからね。お笑いのライブかな、っていうぐらい爆笑起きてましたから。
名嘉:でもサウンドは本当にしっかりしてるんですよ。
新里:SKY Fesの放送があるはずだから、ここ見てほしいね。「AM11:00」のイントロのソロがあるじゃないすか。あのメロディもちゃんと「One Night Carnival」のフレーズっぽくしてたよね。
仲宗根:だからさ、変なところでちゃんとしてた。信介はステージ袖で爆笑してるところ(カメラで)抜かれてたよ(笑)
名嘉:自分たちが何千回もやってる「AM11:00」をリハーサルする時、サポートギターの人にあのアレンジで弾いて欲しいなっていう(笑)
仲宗根:あのメロディーや。最高(笑)
プレゼント企画に触れてている後編へ続く
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