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代々木に沖縄の風を巻き起こした2日間 「OKINAWAまつり」イベントレポ【OKINAWAまつり2024】
晴天の陽光が降り注ぎ、青々とした木々が揺れる会場で、ステーキを焼く香ばしいにおいが立ち込めるなか、オリオンビール片手に沖縄をばをすする大人たちや、ぜんざいを食べて笑顔になる子どもたち。そして聞こえてくる三線と笛、太鼓の音。
いつもの沖縄のお祭り…ではなく、東京での一場面だ。2024年5月18〜19日の2日間にわたって、東京都の代々木公園で「OKINAWAまつり2024」が開催された。
コロナ禍を経て5年ぶりの開催となった今年は、2日間で沖縄関連のアーティスト60組が出演、沖縄料理を中心としたおよそ60店の飲食店が出店。連日数多くの人たちが訪れ、食事や音楽をとおしてどっぷりと沖縄の空気につかっていた。
目次
太鼓の音に誘われて、開場早々に人だかり
OKINAWAまつりは関東最大級の“沖縄イベント”で、2012年に第1回をスタートしてから過去8回でおよそ123万人もの人たちを動員している人気イベントだ。
前実行委員長が沖縄旅行をした際、偶然目にしたストリートライブで感銘を受けて「沖縄の文化を丸ごと東京に持って行き、発信したい」と考えたことからはじまった。そんな開始当初の想いを受け継ぎながら、規模は年々大きくなっている。
コロナ禍で開催できない期間を経て、今回5年ぶりの開催となった。
今年のイベント当日は2日間とも快晴に恵まれ、汗ばむほどの陽気。
開始間もない午前11時から、おいしそうにビールを飲みながら串モノをかじる人たちの姿も多い。
2日間とも、最も大きなメインステージ「MATSURI STAGE」にて琉球國祭り太鼓によるオープニング・パフォーマンスで開幕。
パーランクーと大太鼓が鳴り響くと、その力強い音を聞きつけてあっという間にたくさんの人が集まってきた。
音楽に合わせて客席から指笛の加勢もあり、盛り上がりを見せた。
ステージ下には獅子舞も登場し、一緒に写真を撮ろうと親に手を引っ張られた子どもが怖がって泣く、沖縄の祭りではお馴染みの風景も。
先の指笛や手拍子、身体を動かして音楽に参加している人たちが心地よい場を作り上げて、滑り出しよいの空気感が漂った。
行列の出店も続出、ステージも大盛り上がり!
昼から午後にかけて徐々に人の数が増えていき、会場の出店には行列もできはじめた。
フードエリアを見渡してみると、やはり沖縄そばが人気のようだ。そのほか、ゴーヤーチャンプルーやタコス、沖縄県産牛の焼肉やステーキなど、多彩な沖縄メシに舌鼓を打っている人たちは、本当に楽しそうだ。
OKINAWAまつりの特徴のひとつは、関東近郊に住んでいる沖縄出身者がたくさん集まることだ。会場を歩き回っていると、あちこちで「えー、久しぶり!」「元気してたねー?」というやりとりを見かけた。
強まっていく日差しと暑さに伴って飲むビールの量も増えて、気持ち良く酔っ払った同郷仲間たちで沖縄民謡を合唱している団体もいた。
最も大きなメインステージ「MATSURI STAGE」の出演者も時間を追ってどんどん豪華になっていく。
1日目の夕方、陽が落ちはじめた頃にD-51が登場すると、メインステージの客席エリアにはあふれるくらいの人たちが詰めかけた。
トリを務めたきいやま商店は、すでに盛り上がっていた客たちのボルテージをさらに上げて、野外ステージで間違いなく空気を持っていく“お祭りバンド”としての存在感を爆発させていた。
カチャーシーで〆る沖縄お馴染みの風景も“再現”
2日目は日曜ということもあってか、開始時間直後から明らかに人の数が多い。
前日をかなり上回るペースで動員が増え続けて、賑やかさのレベルがいくつか上がっていたのを感じた。
あちこちの出店で1日目よりもたくさんの行列ができていたことがそれを如実に示していたし、人々が色んな種類の酒を手にステージを見ながら体を揺らしたり、家族や友人や恋人たちと談笑しながら沖縄料理を楽しんだりする光景は、ピースフルな雰囲気そのものだった。
ステージ出演者も前日に引き続き豪華なアーティストが勢揃いしており、ヒップホップからポップス、バンド、DJ、アイドルやお笑いまで幅広い出演者が会場を盛り上げていた。
なかでも入場ゲート付近に設置された「HAISAI STAGE」では、三線と笛による民謡を緑の並木道に響かせていた大底吟子&黒島新による音色が多くの人たちを惹きつけた。
ほかの演者が民謡を披露した際もそうだったが、足を止めて熱心に聴き入っている人のなかに海外の人たちが多く、異文化の音楽に傾聴するその様子は、コミュニケーションとしての音楽の可能性を感じるシーンだった。
夕方ごろには一足早くFINALEを迎え、出演者総出で沖縄の祭りでは〆でお馴染みの楽曲「唐船ドーイ」を演奏すると、所狭しと集まった大勢の観客を巻き込んだカチャーシーがはじまった。これも沖縄ではお馴染みの風景だ。
ハイテンポな音楽にとにかくのっている人、年季が入った手つきでカチャーシーを披露する人、その手踊りを見よう見まねでする人、満面の笑みで手拍子する人、たくさんの人たちが入り乱れてハッピーな雰囲気のなかでHAISAIステージは終幕した。
ほかのステージでは多彩な演目が続いており、メインのMATSURI STAGEでは沖縄県民の魂に刻まれている数々の楽曲を披露したDIAMANTESや、観客がほぼ全曲大合唱する不動の人気を見せたかりゆし58、そして大トリはMONGOL800のキヨサクのソロプロジェクト・UKULELE GYPSYが夜空にやさしい声を響かせて2日間のイベントを締め括った。
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