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うまいもん甲子園で準優勝 沖縄県産の食材を活かした「心と体の命薬キッシュ」

目次
地元の食材を活かした料理の日本一を決める大会で、首里高校の生徒が準優勝に輝いた。
料理を作り上げた2人の生徒とメニューの魅力を取材した。
調理科のない高校から予選を突破
2024年8月、那覇市で開かれたのは、全国の高校生が地元の食材を使ったオリジナルレシピで料理の腕を競う「ご当地!絶品うまいもん甲子園」の沖縄地区予選。

工業高校や農林高校など調理科のある学校が参加する中、予選を勝ち抜いたのは首里高校普通科2年の上原千和(ちおり)さん、幸地向日葵(こうち ひまり)さんのチーム。
普通科に通う生徒が予選を勝ち上がるという異例の快挙を成し遂げた。

くるま麩で作った型の中に田芋や肉と野菜の炒め物を入れ焼き上げた「心と体の命薬(ぬちぐすい)キッシュ」を作り上げ、見事全国への切符を手にした。
予選を突破した料理とは?
首里高校普通科2年の上原千和さんと幸地向日葵さん。クッキング部に所属する2人は進学に向けて受験勉強に励みながら、週に1、2回、料理の大会やコンテストに向けて腕を磨いている。

2人が入部したのは2024年4月で、もともとは別の部活に入っていた。
首里高校 上原千和さん
「1年生のころは吹奏楽部に入っていましたが、食べることが好きで。作ったら食べられるじゃないですか」

首里高校 幸地向日葵さん
「将来的にも食に関わる仕事をしたいと思っていたので、クッキング部があると聞いて、ここにしようと決めました」

沖縄県予選で披露した「心と体の命薬キッシュ」は一体どんな料理なのだろうか。実際に2人に作ってもらった。

首里高校 上原千和さん
「お麩を型にして、中に田芋とか島豆腐といった沖縄県産の食材を入れたキッシュになっています」
料理の顔となるのは沖縄県産のくるま麩。特徴的な形を活かし、ひとくちサイズに切ってキッシュの型に使う。
首里高校 上原千和さん
「(もともと)大きい型で作るつもりで、本来のキッシュのようにケーキみたいなものにするつもりでしたが、くるま麩の形を活かしたいということで、こうなりました」

型の底に麩の生地を詰め、バターを塗ればキッシュの大枠ができる。
首里高校 上原千和さん
「きれいに底が見えないように敷き詰めたら、底抜けもしないし、型として安定します」

ひき肉と野菜の炒め物に田芋、それに島豆腐を使った特製ソースを型に流し込み、チーズやトマトを乗せてオーブンで焼き上げれば、「心と体の命薬キッシュ」の完成である。

沖縄県産の食材をふんだんに盛り込んだひとくちサイズのキッシュは、ひとくちサイズに作られているため、子どもから大人まで気軽に味わえる。

沖縄テレビ 譜久村司 記者
「それではお二人に作っていただいたキッシュをいただききたいと思います。くるま麩のサクサクとした食感がとても癖になりますし、田芋とひき肉もとても濃厚で、すごくおいしいです」

本格的に料理を始めてわずか半年で全国大会へ挑む2人。
経験や実力の差を埋めようと遅くまで調理室にこもり、試行錯誤を繰り返し、料理のブラッシュアップをするためプロの料理人からもアドバイスを受けた。

ザ・ビーチタワー沖縄 調理主任 樺山一樹シェフ
「ひき肉は塩コショウだけ、上の島豆腐ペーストの方に味を付けた方がいいのかな」
いよいよ決勝の舞台に挑む。
予選を勝ち抜いた10校が腕前を競う
全国218校のエントリーの中から、地方予選を勝ち抜いた10校が地元の食材を活かしたオリジナルレシピで料理の腕を競った。

上原さんと幸地さんも手際よく調理を進めた。そして審査の結果は…
司会
「沖縄県立首里高等学校のみなさんです。おめでとうございます」
沖縄県産のくるま麩をそのままキッシュの型にするというアイデアが高く評価され、見事、準優勝の快挙を成し遂げた。

首里高校 上原千和さん
「調理中は緊張していてトラブルもあったけど、結果を残すことができてとてもうれしいです」
かけがえのない経験に
全国大会から約1か月後、クラスで大会結果を報告する2人の姿があった。

首里高校 上原千和さん
「先生たちにも食べてもらいアドバイスをいただいたことや、人との関わりの大切さを知れたので、社交力や自分たちで計画を立てること、アイデア力も育ってきた気がします」

首里高校 幸地向日葵さん
「(これからも)料理で食材の魅力とかをたくさん見つけていき、『こういう食べ方もいい』と家族や友達とかに伝えていけたらいいなと思います」

全国準優勝という快挙を成し遂げた2人。
一つの料理について真剣に取り組んだ時間は、2人にとってかけがえのない経験になったようだ。
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