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岸本隆一に聞く! EASL制覇・天皇杯と“2冠奪取”のポイントは… 琉球ゴールデンキングスの鍵は「じゃんけん」にあり!?
天皇杯決勝へ、厳しいスケジュールでも「勢い」を

直近に控えるもう一つのタイトル戦、天皇杯。各カテゴリにおけるプロ・アマの垣根を越え、トーナメント戦で“真の日本一”を決める伝統深い大会である。
1921年の第1回大会から1世紀以上に渡って開催され、今回で第100回の節目を迎えた。以前は「正月の風物詩」として年明けから短期間でトーナメント戦を行っていたが、現在は約半年間をかけ、期間を空けて各ラウンドを行うスケジュールとなっている。
bjリーグは一部例外を除いて参加枠がなかったため、キングスの参戦はBリーグが発足してから。初出場となった2017〜18年の第93回大会はベスト8まで駒を進めた。第97回大会では初のベスト4入りを果たし、第98回大会から直近の2回はいずれも準優勝と着実に階段を上っている。
自らを「天皇杯とは縁遠かった選手」と自認する岸本だが、年々このタイトルに対する思いは変化してきているという。
「実業団が主流だった時代から、天皇杯は沖縄のバスケチームが唯一、トップチームが参戦する大会で上を目指せる舞台だったと思います。志を高く持ってプレーしていた沖縄の選手たちが頑張ってきたから今があります。それも踏まえ、天皇杯を取りたいという思いは年々強くなっています。Bリーグの初優勝の時もそうでしたが、優勝の瞬間はその度に自分の価値観が広がっていく感覚があります。自分が、チームが、そして見ている人たちが、優勝することでどんな感情になるかを知りたい気持ちが強いですね」
3月7〜9日にEASLのファイナル4を行い、12日にある島根スサノオマジックとのホーム戦を挟み、15日には東京で天皇杯決勝に挑む。飛行機移動も長く、体力的に厳しいスケジュールだ。
ただ、決勝で千葉ジェッツ(千葉J)に69ー117と大敗を喫した昨年の苦い経験から、大一番に向けていかに「勢い」を生んでいくかの大事さは痛感している。昨年、千葉JはEASLでの優勝から中5日で天皇杯決勝に臨んだのに対し、EASLで予選敗退したキングスはBリーグの試合から中9日で決勝を迎えた。
「昨年、千葉Jからは勢いを感じましたか?」と問うと、岸本は大きくうなずいた。
「めちゃくちゃ感じました。千葉Jはプレーの激しさプラス、感覚が研ぎ澄まされていた印象です。それを紐解けば、やっぱりEASLからあの勢いは始まっていたのだと思います。できることなら、今年は自分たちもそういう感覚で天皇杯決勝に臨めたら一番いいですね」
合間に島根戦を挟むため、昨年の千葉Jに比べてさらに厳しい日程をこなすことになるが、強い気持ちと高い集中力を維持して二つのタイトルをかっさらいたいところだ。
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