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映画『宝島』妻夫木聡×広瀬すず×大友啓史監督が語る、戦後80年沖縄の歴史から伝えたいメッセージ
目次:妻夫木聡×広瀬すず×大友啓史監督が語る、映画『宝島』
・登場人物たちの選択に宿る生命力
・戦後の沖縄を伝えたい
・当たり前じゃない…生きてきた人たちのお陰
・役を通して感じた沖縄戦後の“空気感”
・キッカケになってほしい
・動画で「宝島」インタビューを見る
キッカケになってほしい
Q「過去を描くことは未来への問いかけと妻夫木さんはおっしゃっていました。若い世代と交流して見て、改めてこの映画がどんな存在になってほしいですか?
―妻夫木聡さん
「自分自身を見つめるキッカケや、向き合うキッカケになってもらえればいいと思うし、未来を見据えるキッカケにもなってほしいなと思うし、この映画良かったね、面白かったねで終わらないでほしい。人生だとか、社会だとか、世界だとか、色々な事を考えられるキッカケになるような存在であれば良いかなと、この映画に対して思っていますね。最終的にはどんな人にとっても希望であってほしいかなと思っています」
Q試写会でも様々な世代の観客がいました。広瀬さんはこの映画がどう届いてほしいですか?
―広瀬すずさん
「私はこの作品と役を通して、こういった事があった、真実を知る事ができた。お芝居を通してそこに宿っているものが見えたり、感じられる瞬間があったことをこの作品、映画を通して、我々の世代にも、歴史は受け継がれていくものだし、そうあるべきだと、今回すごく感じて。まだまだ私ができることは少ないですけど、そういう風に広がっていくことは想像以上に大きい事なんだろうなと、みなさんのお話を聞いたりとか、映画を見て下さった皆さんの表情をみると感じますね」
Q大友監督は沖縄の人にはどのように届いてほしいと思いますか?
―大友啓史監督
「むしろどう届いたかを聞きたいくらいです。
それぞれの風土の中で、その時代にしか生まれないものはいっぱいある。そこに関して徹底的に目配りをしつつ、色々な方の声を聞きつつ、でも通奏低音として流れているのは同じ人間同士としての感情なので、そこについては妙に確信がありました。僕でもこうしただろうという。沖縄の人だからどうとかではないと。ここまでの事がわが身に降りかかったら、僕でも同じ行動をしたんじゃないかと。グスクのような行動をとったのか、ヤマコだったのかレイだったのかは僕は分からないけれど、それぞれにそれぞれの正当性と理由があるし、他の人たちひとりひとりの人生にも、それぞれの理由がある。そうせざるをえなかった、そうならざるをえなかった、そこのディテールを無視した瞬間に、戦争とか悲劇が生まれる気がするんですよね。ひとつひとつの人生を大切にしなかった瞬間に。そこを大切に描くというのが、宝島の底の底に秘められたメッセージなはずだと感じています」
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