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東京から石垣島に移住し現在は竹富島で暮す八重山移住の夫婦『教えて島暮らし 〜沖縄移住者の声〜』

東京から沖縄本島の那覇まで南西に約1,600km、那覇からさらに南西に約400~500km離れた場所に位置する八重山諸島は、石垣島を中心とした12の有人島と多くの無人島から構成されています。
この連載では、石垣島を中心に八重山諸島の島々に暮らす移住者から「島暮らし」のリアルな体験談や思いを紹介していきます。
今回は、東京から石垣島に移住し、現在は竹富島で暮らしている小山隼人(こやま はやと)さん32歳と里佳子(りかこ)さん30歳を紹介します。
目次
移住前や家族のこと
Q:出身地はどこですか?移住して何年目になりますか?
A:出身地は東京の葛飾です。八重山に移住して10年目になりました。(隼人さん)出身地は東京の伊豆大島です。八重山に移住して9年目です。(里佳子さん)
Q:家族構成を教えてください。
A:5歳、2歳、0歳の子ども3人と、夫婦との合わせて5人暮らしです。

移住先での仕事や住居について
Q:お仕事は何をしていますか?
A:仕事は、ホテル宿泊業です。(隼人さん)私は、子どもが生まれるまでは小学校教員をしていました。現在は休職中です。 (里佳子さん)
Q:お住まいはどうしていますか?
A :築100年ほどの古民家を島の人から借りて住んでいます。琉球石灰岩の石垣に囲まれた、赤瓦屋根の竹富島らしい一軒家です。古いけれど建物自体に存在感があり、室内も広くて気に入っています。
移住した理由と竹富島の魅力

Q:移住した理由を教えてください。
A:生まれも育ちも東京だったので、東京から離れて暮らしてみたいと思っていました。子どもの頃から、沖縄の離島に家族でよく行っていました。その経験があったこともあり、大学を卒業して、就職先の職場を選ぶ時に沖縄の離島に決めました。 (隼人さん)
私は、伊豆大島出身ということもあり、東京の大学を卒業後、就職するなら島の学校がいいなと思っていました。東京と、沖縄の両方の教員試験を受けることにして、もし沖縄の教員試験に受かったら、沖縄に移住しようと決めていました。(里佳子さん)
Q:竹富島の魅力を教えてください、それはなぜですか?
A:竹富島の魅力は、全てが近いことだと思っています。それは、人間関係も、自然も、文化も、ビーチも働いている職場も日用品の買い物などに行く石垣島も。海に遊びに行きたいと思えば家から5分もかからずに行けてしまいます。
島の文化を知りたいと思えば、地元の人にお話を聞きにいけたり、地域行事に参加して学んだりすることができます。小さいコミュニティだからこその良さがあり、7年間暮らした石垣島とはまた違う良さがあると思っています。
沖縄移住のメリット・デメリット

Q:移住してよかったことを教えてください。
A:竹富島に移り住んでよかったと思うことは、子育てがしやすいことです。具体的には、気負わず自然の中で遊べる、というより触れ合えること。そして、島の方がみんな子供の成長を見守り、気にかけてくれることです。竹富島では、子どもとの時間が多く取れると思います。また、友人がみんな遊びに来てくれるのも嬉しいです。
そして、もう一つ挙げるならば、行政と住民との距離がとても近いところが良いと思っています。困っていることや聞きたいことなどがあれば、すぐに相談することができます。よく「顔が見える政治」と言いますが、まさにその通りで、行政側に知人や友人がいる今の生活は、とても理想的です。
Q:移住して困ったことはありますか?
A:身内に何かあった時にすぐに行けないこと。コンビニやスーパーは石垣島に渡らないといけないので、買い物が不便に感じることがあります。それから、車が壊れると修理に何日もかかり大変です。
竹富島の生活インフラや地域行事
Q:地域の行事に参加していますか?
A:はい、率先して参加するようにしています。公民館のお手伝い役として「祭事部」に参加して今年で3年目になります。島の文化などに触れる貴重な体験だと思っています。
Q:竹富島の保育所はどうですか?
A:竹富島の保育所の良いところは、先生や保護者みんなが、子どもたちのために全力で保育や行事をしてくれるところです。さまざまな経験を積ませてくれて本当に嬉しいし、ありがたいと思っています。竹富島の保育所は、色んな年齢と繋がる機会がある縦割りクラスで、地域のおじいちゃんやおばあちゃんとの関わりもあるところがとても良いなと思っています。ひとつ大変なところを挙げるならば、毎日のお弁当作りです。それでも週に一回は保育所がお昼を提供してくれる日ができたので助かっています。

Q:島の医療はどうですか?
A:竹富島には診療所がひとつあり、とても親切です。また、すぐにいける場所にあり便利で、診察に待つことがないのが本当にありがたいです。ただ診療所で対応できない病気や怪我は心配です。夜間は船が止まっているので、大きな病院のある石垣島に行くこともできないので。
Q:本土に帰ることがあればどのくらいの頻度で帰りますか?
A:私たちは、年に3、4回ほど結婚式などが多いため行っています。
Q:買い物はどうしていますか?
A:買い物は、通販なども活用しようと考えていますが、基本的には石垣島に買い出しに行っています。月に6回ぐらいです。
竹富島での循環を増やしたい
最後にお二人に「今後の目標や、やってみたいことはありますか?」とたずねてみました。その答えは…
島で作られる「もの」や「こと」の循環を増やしていきたいと思っています。例えば、島で作られる野菜や穀物、薬草を使ったお茶などの加工品を島内で上手く販売していけたら良いなと思っています。
また、それらを販売することができる観光客向けではない島民のための喫茶店をやってみたいです。週に2回くらい、無理のない範囲で島に住んでいる人同士で助け合いながら回していけたら良いなと考えています。他にも、薬草園や穀物を実際に育てる畑をやってみたいと考えています。
数年前から、小規模ではありますが保育所の保護者仲間と一緒に、麦を育てて収穫し、クレープを作ってみたり、パンを焼いてみたりしています。子どもたちにとっても良い経験になっています。
色々とやってみたいことはあるので、これからゆっくりと島暮らしを楽しみながら挑戦していけたらと思っています。

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