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返品額1千万円超だった豆腐屋が6年で売上を倍増できた3つの理由
認知と差別化でブランディング。リピート率90%超え
全スーパーから撤退。移動販売へ
そこで、一旦スーパーを諦めて、自分たちの手売りでいこうと移動販売を仕掛けました。6年前くらいですかね。
最初はやっぱり商品の数も無く、ちゃんとした車もないので、軽ボックスに発砲スチロールを積んで。ラッパを鳴らしながら、一軒一軒インターフォンを押して、「豆富屋なんですけど豆富はいかがですか」と手売りしながら徐々に徐々に広げていきました。それが続いて今は8台のトラックで糸満市から石川市までの地域に、決まった日と時間に配達しています。
毎週毎週、同じ曜日の同じ時間に訪問することで、お客様に「この曜日はこの時間に豆富屋さんが来る。」と認知していただけるようになりました。

徹底したのは顧客の目線
それから、もう1つの問題は僕たちの商品を陳列したときに、横に置いてある他社がつくった豆富との違いが言えなかったことです。他社の製品との違いを言えることが差別化であり、ブランディングの大事な要素ですよね。そこで行ったことがお客様から帰ってきたフィードバックを受けて改善し続けるということです。これが今のブランディングに繋がっています。
僕が代表になった時はアメリカ産大豆とかカナダ産大豆といった輸入大豆を使っていました。現在は原材料をほぼ国産の大豆にしています。この大豆にたどりつくまで100種類以上の大豆を試しました。僕たちが作っている島豆富は、生絞りの地釜製法です。生で豆乳を絞って大きい鍋にいれて、直火で温めるんですよ。そうするとタンパクの焦げがつくんですよね。これが豊かな風味となり、国産の大豆の甘みが備わった島豆富になるんです。
結果、現在の弊社のお客様は80%が女性で、リピート率が92%となっています。利益率も売り上げに比例して右肩上がりです。

サブスク×移動販売
弊社は6年前の移動販売を始めた時から売り上げを伸ばしています。コロナ禍になってさらに売り上げが伸びました。理由は3つあると思います。
1つ目は自粛される方々が増えたことです。僕たちが移動して、自宅に届けるというサービスがさらにお客様に認知されるようになったと思います。
2つ目は健康意識がすごく高まったことで、豆富のニーズも増えたのかなと思います。
そして3つ目が2020年5月に緊急事態宣言が発令された瞬間、サブスクリプション(定期購入)のサービスをリリースしたことです。これは月額3,000円から、豆富を好きなだけ食べられるというサービスです。自宅に宅配ボックスを設置して、1週間に1回注文書と一緒に商品を置かせてもらいます。このサービスを始めたことで新規の顧客獲得にもつながりました。
宅配ボックスのメリットは在宅をしていなくても商品が届くことです。宅配ボックスを設置することで、私たちが移動販売するときに在宅していない人たちにも届けられます。新規顧客の獲得によって、移動販売にも流れるお客さんも増えました。
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