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植草 凜

植草 凜

「沖縄にプロバスケを」20年前に踏み出した一歩~安永淳一GMに聞くキングスのこれまでとこれから~

2,000試合以上見てきた男が震えた一瞬

Q.20年で印象深い試合などはありますか?

「キングスはいっぱい勝ってきたのでいっぱいありますね。今シーズンでいえばチャンピオンシップセミファイナルの三遠ネオフェニックスのGAME2ですね。
奇跡的に同点に追いついた松脇君のシュート!今までNBAで1042試合、キングスで1070試合ほど、合計2000試合以上試合を見てきているんですがあんな瞬間は初めてでしたね。あとはやはり目標にしてきたものを手に入れたときが一番うれしかったですね。アルバルク東京とのBリーグ開幕戦では、エリート軍団対雑草軍団と呼ばれて、雑草は雑草らしく終わりました。ただその次のシーズンにアルバルク東京のホームで試合をして、僕たちは勝つことができたんです。本当にうれしくて涙が出て。同じように岸本隆一選手も涙していましたね。優勝したときの涙よりも涙の量が多かったかな。それくらい嬉しかったですね」

“沖縄の誇り”に共感できる選手を

Q.キングスのスタイルといえば一人の選手に頼らないチームバスケだと思います。外国籍選手もいる中で、選手をリクルートするときに意識していることはありますか?

「一番上手な選手を獲ろうと思ったらもちろんNBAにいて、お金を積めば獲れるはずです。ただそこまでお金を積むことは僕たちはまだまだできません。ではスキルの次に何が大切かというとハートになると思うんです。チームプレーに徹してパスを回して、ME!ME!私、私!ではないプレーヤーを探すというのは大前提です」

「その上で沖縄の話をするんです。特にこのリーグは日本人の選手だけではなくて外国籍選手の活躍も欠かせませんから。沖縄はフロリダやハワイのような土地だよという話をすると選手たちもまずそこに耳を傾けてくれます。そこから“沖縄の人たち”という話をします。沖縄の人たちはバスケットボールが実は好きなんだよ。好きだけど好きを表現する場所がこれまでなかなか無かっただけで、それをキングスが表現することができればみんなのプライドになれる。地元の誇りになりたいという気持ちで僕たちは戦っているから、誇りになることに協力してくれないかと言うと、そういうことに正義、粋に感じてくれる選手は間違いなく契約できます。

また、そういった選手は活躍してくれています。これが僕たちの強さかなと。そういった外国籍選手と日本人選手、沖縄出身の選手がうまく力を合わせながら戦えるのがキングスの強さです。リクルートのところでは、沖縄の良さと私が思う沖縄の価値を伝えることで、それに対してどう反応するかでフィルターをかけていますね」

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