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「出会い」と「試練」が育んだ僕のメンタル #18脇真大【KINGS PLAYERS STORY】
白鷗大学で「勝者のメンタリティ」を身に付けることができた
網野友雄監督が「一緒に日本一になろう」と誘ってくれたこともあり、白鷗大学に進学した。素早いトランジションで速いペースのバスケットをしていて、僕のスタイルに合うと感じた。それまではディフェンスマインドがしっかりできていなかったけど、白鷗大学は「ディフェンスができないと試合に出られない」という文化があるから、プロになるためにディフェンス力も鍛えたかった。

1年生の頃はクロージングの時間帯はなかなかコートに立てなかったけど、試合に出ることはできた。2年生からは先発出場が増え、ハンドラーも含めてより自分の持ち味を生かせるようになった。この2年生の時のインカレ(全日本大学選手権)決勝が僕の転機になる。
決勝で筑波大学に63-58で勝ち、白鷗大学として初優勝を飾ることができた。4年生に角田太輝選手(佐賀バルーナーズ)や松下裕汰選手(さいたまブロンコス)らがいて、チームは強かった。ただ、自分は大事な場面でターンオーバーをしたりして、悔しさの方が大きかった。ベンチに座って試合を見る時間も長く、「何くそ」という気持ちで、試合が終わった後は自分の何が悪かったのかをずっと考えていた。
当時は「優勝したら自分はすごい選手だ」というメンタルで試合に入ってしまい、目の前のやるべきことに集中せず、気持ちだけが先に行ってしまっていた。それではいいプレーができるはずがない。「今置かれてる立場で、自分のやるべきことを考え、それを徹底して遂行する」。決勝の反省から、それこそが「勝者のメンタリティー」だと考えるようになった。
それ以降、練習の時からチームメイトにアドバイスをしたりして、チームが良くなるために自分が何をやるべきかを常に考えるようになった。コミュニケーションを重視し、「練習中に思ったことがあったら、すぐに言葉にしよう」と呼び掛けた。意見の衝突もあったとしても、それはチームが一つになり、より良くなっていくための糧になると信じていた。
3年生の時のインカレ決勝では30分以上コートに立ち、納得のいくプレーができた。今度は東海大に51-54で敗れて2連覇は阻止されたけど、2年生の頃に比べて大きく成長することができたと思う。
ただ、「勝者のメンタリティー」は、最終的に勝ってこそ、その強さが証明される。どこかで「ここまでできればいいや」という甘い考えがあったのも事実だ。先輩に遠慮している部分もあった。自分をもう一度見詰め直し、仲間を信じて、そして自分自身を信じて戦うことを追求していった。
4年生のインカレ決勝の相手も東海大学だった。第4クオーターが始める時点では7点ビハインドだったけど、「絶対に負けない」という自信があった。自分と仲間を信じて最後までやり抜くと決めていた。攻め気を失わず、点を重ねていった。結果、このクオーターで逆転に成功し、71-68で勝って2年ぶりに優勝をつかむことができた。

大会の最優秀選手賞と得点王も受賞したけど、この頃には、もう個人の賞に執着する気持ちはなくなっていた。チームのために自分がいる。チームという土台があるから、自分が活躍できる。だから、個人にフォーカスするのはあまり好きじゃない。それは今も同じだ。
大学の4年間は、成長するための試練を毎年与えてもらった。そのおかげで、勝つためのメンタルを養えたと思う。網野コーチや仲間には、心から感謝している。
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