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分家の人々が沖縄県内を忙しく移動する日…沖縄のお盆・旧盆行事「ナカヌヒー(ナカビ)」今年は2025年は9月5日(金)
目次:沖縄のお盆・旧盆行事「ナカヌヒー(ナカビ)」
・沖縄お盆の中日・ナカヌヒーとは
・ナカヌヒーの習慣:お中元
・ナカヌヒーのお供えもの
・ナカヌヒーの拝み方
別記事:沖縄のお盆・旧盆行事「ウンケー」
別記事:沖縄のお盆・旧盆行事「ウークイ」
ウチカビ(あの世のお金)
「ウチカビ」は、沖縄におけるあの世のお金(死後の通貨)。
供養や冥福を祈るために仏壇や墓前で焚き、ご先祖様があの世での生活に困らないように送るとされている。
ウチカビを焚く時間帯は、一家全員でウートートーをした後、夜が一般的。
重要なのは「霊を送り出す拝みの後に炊く」ことで、ウークイより前に燃やすと、お金だけ持って早く帰ってくれという意味になってしまうと言われている。
なぜ黄色なのか?
1)中国由来の文化
ウチカビは、中国の冥界文化「紙銭(ジージェン、紙のお金)」が由来とされている。
中国や台湾、ベトナム、華僑社会などでも、冥銭(あの世のお金)=黄色の紙が基本。
古代中国では、黄色は「皇帝」「天子」「神聖」を表す最上位の色だから。
2)沖縄で黄色は神の色を表す
沖縄の民俗信仰において、黄色や金色は「神仏が好む色」「浄化・祝福・守護の象徴」「太陽や火の色と重なる霊魂のエネルギー源」と認識されている
3)火で燃やすと、黄色は「金」と認識される
黄色い紙を燃やすと金色のように明るく燃える。ウチカビは燃やして使用するので、燃えて金色に見えることから「金銭」や「財」の象徴と解釈された。
ウチカビの丸い模様は昔、各家に型があり手打ちしていたそうです。
ウチカビを燃やす時の注意点
・焚く前にご先祖様への声かけを忘れないこと(無言で焚くことは「捨てた」ことを意味することもある)
・火が途中で消えるのは届かない兆しとされるので、再度祈り直す
・ウチカビを無造作に扱うのは不敬なので丁寧に扱う
・他人のウチカビの火に自分のものを混ぜない(宛先が混ざってしまうため)
・燃え残りは家の外の土に埋めるか流すか、白布などに包んで処分し、家の中には持ち込まない(穢れを避けるため)
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