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夢は結果ではなく、旅路だ #10荒川颯<下>【KINGS PLAYERS STORY】
これまで培ってきたスキルを無心で出してみようと思った。自然体でプレーできたのは、プロになってから初めてだった。
変化したのは、プレーするに当たってのメンタルだ。
例えば、前のシーズンであれば、できることを引き算してディフェンスやコーナー3ポイントに集中していたけど、この時は「自分がこれまでに培ってきたスキルを無心で出してみよう」と思った。じゃないと、自分の力でチームを勝たせることなんてできない。
プルアップのシュートやドライブなど、あそこまで自然体でプレーができたのは、プロ入りしてから初めてだった。
結果、天皇杯決勝の次の試合となった京都ハンナリーズ戦は二桁得点。その後は3ポイントシュートの成功率も上がり、10点以上を取る試合が増えた。新しいスキルができるようになったというよりも、B1レベルで自分のスキルを使えるようになったという感覚だった。
佐々さん(佐々宜央アソシエイトヘッドコーチ)の存在も大きかった。コーチはスカウティングの内容やプレーの再現性を求めるけど、佐々さんはよく「エナジーを出すとか、根本的に大切なことがある」「自分の得意なことを忘れるな」という選手目線の話をします。その話があったから、自分の原点に立ち返ることができたのだと思う。
桶さんにも「颯は本来こういう選手なんだよ」と評価をしてもらえた。とても自信になる言葉だった。
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