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戦禍を生き抜いた築134年の琉球古民家「茶処 真壁(まかべ)ちなー」で味わう定番の沖縄そばセット(糸満市)
目次:築134年の琉球古民家「茶処 真壁(まかべ)ちなー」
・人気No.1のクラシックな三枚肉そばセット
・沖縄の歩み、傷を負った証、栄誉が刻まれるお店
・「茶処 真壁ちなー」の豊富なメニュー
・過去を残し、今を生きる。「茶処 真壁ちなー」
・「茶処 真壁ちなー」の詳細
沖縄の歩み、傷を負った証、栄誉が刻まれる「茶処 真壁ちなー」の内観と外観




「真壁ちなー」を語るうえで欠かせない人物が、金城増太郎(きんじょう ますたろう)です。
金城増太郎さんは、現在「真壁ちなー」を切り盛りしている田中さんの曾祖父。店内の通路には、賞状や年季の入った写真がならび、金城増太郎さんの存在感を伝えています。
金城増太郎さんはもともと教員であり、戦時中・戦後を通じて元三和村の村長を長く務め、村の発展に大きく貢献しました。さらに1957年から3年間は琉球政府立博物館(現・沖縄県立博物館)の館長も務め、沖縄史に精通していた人物です。
「真壁ちなー」は、かつて金城さんが居住していた場所。亡くなられたあとはしばらく空き家となっていましたが、家族はこの古民家に関心を持つ人がいると考え、当時のままの状態を保ち、軽食を提供する茶処として営業をはじめ、いまに至ります。




築134年という歳月は、時代の流れをそのまま映し出しています。
戦時中には銃弾が飛び交い、多くの市民が巻き込まれて亡くなる激しい戦禍があり、それは民家のあちこちに残る弾痕が悲惨な事実を物語っています。
それでも「真壁ちなー」には、戦争の悲しさよりも、ゆったりと流れる沖縄らしい時間の流れを強く感じます。歴史を刻んだ古民家だからこそ、訪れる人に穏やかな空気と静かな安らぎを伝えてくれるのでしょう。




2005年にはめでたく、「真壁ちなー」の主屋を含む4つの建造物が国登録有形文化財として登録されました。
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