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真栄城 潤一

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俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

沖縄出身の俳優・尚玄さんがプロデューサーの1人を務め、日本、カナダ、イタリアの3カ国による国際合作映画の製作が進められている。沖縄の子どもたちをキャスティングし、県内各地で撮影を行った作品のタイトルは『Blue Is the Color of the Sun(青は太陽の色)』(2027年公開予定)。

尚玄さんによると、基地の中に住む少年と島で育った少年たちの友情を描く青春映画で「沖縄版『スタンド・バイ・ミー』のような作品」になるという。
2025年12月、日米で共同使用されているキャンプ瑞慶覧の「ロウワー・プラザ地区」で行われた撮影現場で、尚玄さんと監督のザビエル・テラさんに話を聞いた。

目次

言葉の通訳だけでなく、文化の翻訳者として

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して
映画の主役となる子どもたちとコミュニケーションをとる尚玄さん(中央)

今回、尚玄さん自身は作品に出演せず、キャスティングや演技未経験の地元の子どもたちの指導に心血を注いだ。

「本作は沖縄の少年たちの話なので、沖縄の隠れた才能といいますか、原石みたいな子たちをオーディションして発掘したいと思いました。それで責任を持って製作側として参加することにしました」

尚玄さんは、自身がこれまでに海外も含めた様々な撮影現場を渡り歩き、言葉や文化の壁を乗り越えてきた経験があるからこその役割を担う。

「今まで本当に色んな国の人たちと仕事をしてきたので、少しのことでは驚かないんですよ。海外の作品は日々スケジュールが変更されていって、その都度対応していかないといけない。日本のスタッフの中にはやりづらさを感じる人もいると思うんですけど、僕であればその間に入って調整できます」

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して
監督のザビエル・テラさん(左)と尚玄さん

さらに、撮影地や役者が地元沖縄に密接に関わる作品なので、本作での役割は言葉の通訳者だけでなく、“文化の翻訳者”としての意味合いも大きい。

「文化の違いに関しては、世界中の人が集まるので当たり前のことなんですけど、それぞれを互いにリスペクトしながら成長していかないといけない。沖縄には多様性と複雑な時代的背景がある場所です。その点で言えば意外とすんなり馴染む部分もあるんですよ。その強みも生かしながら、色んな国の人たちと一緒にやっていけるようにしていきたいなと考えています」

沖縄で得たインスピレーション

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

映画の企画の種はコロナ禍の閉塞感の中で芽吹いた。東京を拠点に活動するカナダ生まれのザビエル・テラ監督は、本作が長編初監督となる。沖縄を訪れた時に得たインスピレーションについて以下のように語る。

「沖縄で写真集を作る仕事をしたのですが、その時の経験が大きなインスピレーションを与えてくれたんです。島に住む若者たちの姿に心を打たれ、脚本の執筆を始めました。沖縄とそこに住む人々、そして日本という国の中にある沖縄の歴史や文化をいかに強調できるかというテーマに夢中になったんです。最初は短いストーリーのつもりだったのですが、書き進めるうちに、これはもっと大きく、長い物語にできるのではないかと思うようになりました」

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

また、沖縄と本土についての違いについて、以下のように続けた。

「沖縄の文化と日本(本土)の文化の違いについてですが、私にとっては全く別物です。まるで“2つの異なる人種”のようです。人々とのコミュニケーションが難しいという意味で、東京はかなり閉鎖的だと感じるんです。でも、沖縄では人々が非常に温かく迎え入れてくれますし、自分たちの文化を共有することに誇りと喜びを感じています。沖縄に来た瞬間から、私はそう感じていました」

撮影については、地元クルーや東京から来たスタッフ、そして海外スタッフも加わり「本当に素晴らしいチームでした」と振り返る。本土とは気候や日照時間が異なる沖縄のロケーションは「12月の沖縄では太陽の位置が低いため、1日を通してより美しい光を捉えることができる」という。

「全員にとって、これまでの道のりは信じられないほど素晴らしい経験になっています」

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

そして、映画の主役となる沖縄の子どもたちを「本当に素晴らしいです」と絶賛。「素晴らしい才能の子たちを見つけることができたし、彼らをとても誇りに思っています。皆さんにスクリーンで観てもらえるのが待ちきれません」と笑顔を見せた。

沖縄の“匂い”を活かし、引き出すためのキャスティング

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

沖縄キャストのオーディションに1年もの時間をかけ、その後1ヶ月に渡って演技を指導してきた尚玄さんは、技術を詰め込むことではなく、彼らが持つ沖縄の“土地の匂い”をカメラの前で生かすために引き出すことに向き合ってきた。その上で、子どもたちに大きな可能性を見出している。

「毎日彼らの成長を目の当たりにして、自分自身も一喜一憂しています。将来、彼らが映画の世界に来てくれたらいいなと思いますけど、違う世界に行くこともあるでしょう。でも、今回の作品が彼らの人生の中で少しでも良い経験になってくれたらと思っています」

俳優・尚玄さんプロデュースで国際合作映画制作中!沖縄という“土地の匂い”を表現する作品を目指して

映画は2027年に公開予定。製作チームはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督『ブンミおじさんの森』やルカ・グァダニーノ監督『サスペリア』『クィア』を手掛けたサヨンブー・ムックディーブロムさんが撮影監督を務めるほか、尚玄さんの他に共同プロデューサーとして『君の名前で僕を呼んで』を手掛けたステラ・サヴィーノさんらが名を連ねている。

映画の完成はもちろん、俳優だけでなく製作の領域にも活動の幅を広げていく尚玄さんの今後の活躍にも期待したい。

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