くらしと経済 〜2021年放送

5月28日 コロナ禍で注目される食のセーフティネット「フードバンク」

小林

こんにちは。小林美沙希です。
コロナ禍の今、食のセーフティーネットとして「フードバンク」という活動が注目されているようです。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

フードバンクとはどのような活動なんですか?

宮里

フードバンクとは、安全に食べられるのに、包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で販売できない食品を、生活困窮世帯など必要としている人々に無償で提供する活動です。国連が掲げる「持続可能な開発目標」の主要な取り組みである「飢餓をゼロにする」、そして「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」、このふたつのゴールにも貢献できることから、フードバンクの国際社会における役割も大きくなっています。

小林

フードバンク、とても意義のある活動ですね。世界でフードバンクの活動は盛んに行われているのでしょうか?

宮里

はい。アメリカに拠点を置く国際的なフードバンクNGOによると、2019年時点で世界の943のフードバンク団体が、グループ団体となって活動しています。このNGOの調査によると、これまでにフードバンクを通じて支援した人の数は、グループ全体で累計6250万人、そして、活動を通じて削減できた食品ロスは、年間105.4億kgのCO2削減に相当するとのことで、環境面でも非常にインパクトがあるといえます。

小林

フードバンクを通じて、社会問題と環境問題の両方に貢献することができるんですね。日本にも、フードバンク団体はあるのでしょうか?

宮里

はい。2019年6月時点では、全国で116団体が活動していました。沖縄県でもフードバンクを通じて、生活困窮世帯の支援が行われています。沖縄でフードバンクを行うNPOは、2019年9月から翌年8月までの1年間に、企業や個人などから26トン以上の食品の寄付を受け、6930件の個人や団体へ提供したとのことです。

小林

県内でも盛んな活動が行われているんですね。現在はコロナ禍ということもありますが、こういった活動への影響はあるのでしょうか?

宮里

コロナ禍で収入が減ったり、失業した方にとって、フードバンクは食のセーフティネットといえます。しかしながら、3密を避ける目的から、フードバンクの主要な活動のひとつである食事提供を行うイベントは、中止を余儀なくされています。そのような中、食材を直接手渡す「フードパントリー」に切り替える団体が増えてきましたが、フードパントリーは費用面で団体への負担が大きく、継続支援の課題となっています。

小林

そういった課題に対して、なにか解決策などはあるのでしょうか?

宮里

はい。日本では、令和元年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。
この法律により、企業が廃棄食品を団体に提供する場合、税制上の優遇措置が受けられるなど、企業が参入しやすい環境が整えられつつあります。沖縄でも企業による支援が広がっており、那覇市でフードバンクを行うNPOに、これまでに74の企業や団体が食品やお金の寄付を行っています。

小林

企業からの食品提供や寄付金は心強いサポートになりますね。今後、フードバンクを通じた持続可能な食のセーフティネット構築に期待したいですね。
宮里さんありがとうございました。

2021年 記事一覧へ戻る