くらしと経済 〜2021年放送

7月16日 ますます用途拡大。「3Dプリンター」の将来性

小林

こんにちは。小林美沙希です。
物作りの常識を変えるテクノロジーとして期待がかかる「3Dプリンター」。
今、多方面で活用が広がっています。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

今日のテーマである「3Dプリンター」は、紙に印刷するような手軽な感覚で立体的な物が作れる装置のことですよね。

宮里

おっしゃる通りです。3Dプリンターは立体物を表したデータをもとに、樹脂などを加工して立体的な造形物を作ることができる機器を指します。
こちらのように、通常のプリンターは紙などの平面にインクをのせて文字や画像を印刷します。縦と横、2次元だけの世界です。
一方、3Dプリンターは、インクの代わりに樹脂などの材料を1層1層積み重ねていく事で、高さのある立体の物を作り出します。
以前は高価で、特殊な制御が必要なものばかりでしたが、近年では安価で小型のものも登場していて、個人でも比較的簡単に手に入るようになりました。

小林

3Dプリンターの導入によって、物づくりはどのように変わるのでしょうか。

宮里

はい、こちらをご覧ください。
まず何よりも3Dプリンターを使う事で、複雑な形の造形物の製作が容易になります。
二つ目は、必要最小限の材料で作ることができて無駄がなく、コストが抑えられます。
また、アイデアをすぐ形に出来る事や手軽に微調整を加えられる事などが挙げられます。
さらに試作・検証が容易で品質向上に繋がる事や効率化が図れることで開発期間が短縮できることもメリットと考えられています。

小林

様々なメリットがあるんですね。
具体的に3Dプリンターはどのような分野で活用されているんでしょうか。

宮里

それでは具体的な利用例について見ていきましょう。
最も多く使われているのは製造業の分野で、航空機エンジンの燃料ノズルなどを製作した事例もあります。また医療の分野でも手術前に患者の臓器を再現する立体モデルや歯科医院でのマウスピースの型製作などにも活用されています。
特に注目したいのが食品の分野で、今アメリカを中心に動物から採取した細胞を人工的に培養した「培養肉」の市場拡大が予想されています。

小林

細胞を材料にして、食べられるお肉を作るということですか。

宮里

そうなんです。将来的な医療の可能性として生体組織を再現する「再生医療」に繋がる高度な技術であるからこそ世界中で開発が進められているそうです。

小林

3Dプリンタにかかる期待は大きいですね。

宮里

そうですね。
3Dプリンティングの世界市場規模は2018年の85億ドルから10年後の2028年には306億ドルになると見られていて、まだまだこれからの伸びしろが期待できる市場と言えます。また新型コロナウイルスの感染拡大を機に、様々な分野で商品デザインの見直しが始まり、試作のニーズが高まっていて市場拡大はさらに広がるという見方もあります。物づくりの在り方を根本から変える大きなポテンシャルを持つ3Dプリンター技術はこれからまだまだ進化する事が期待されます。

小林

今後様々な分野でどのように3Dプリンターが活用されるのか、更なる展開に期待したいと思います。宮里さん、ありがとうございました。

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