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長嶺 真輝

長嶺 真輝

強みがキングスと似てる?CS準決勝で迎え撃つ名古屋Dとは…勝利の鍵は「ターンオーバーの抑制」と「リバウンド争い」

強みがキングスと似てる?CS準決勝で迎え撃つ名古屋Dとは…勝利の鍵は「ターンオーバーの抑制」と「リバウンド争い」
名古屋Dでエースを張る齋藤拓実(左)とマッチアップするキングスの小野寺祥太=2025年12月10日、沖縄サントリーアリーナ(長嶺真輝撮影)

琉球ゴールデンキングスが、沖縄に帰ってきた。

Bリーグ西地区3位(全体6位)でプレーオフ「チャンピオンシップ(CS)」に進出したキングスは、5月8日、9日にアウェーで行われた西地区2位のシーホース三河(同3位)とのクオーターファイナル(QF)を2連勝で突破した。

15日から始まるセミファイナル(SF)の相手は、西地区4位(同7位)の名古屋ダイヤモンドドルフィンズだ。キングスと同様に、QFで東地区1位(同2位)の宇都宮ブレックスを相手に、レギュラーシーズン(RS)の順位の力関係を覆し、2連勝で勝ち上がった。

キングスと名古屋Dでは、キングスが上位となるため、SFの舞台はホームの沖縄サントリーアリーナとなる。

昨季王者の宇都宮が順当に勝ち上がっていれば、今季はホームで試合をする機会はもうなかったため、地元ファンにとっては朗報となった。チームにとっても、リーグ屈指の熱量を誇るホームの声援は、ファイナル行きの切符を手にするうえで大きな力になるはずだ。

ただ、今シーズンは名古屋Dとホーム、アウェーで1試合ずつを行い、結果は0勝2敗。同じく、1勝3敗と苦しめられていた三河をQFでスイープ(1敗もせずに勝ち上がること)したことから、CSは別の大会と見ることもできるが、試合内容を占ううえでは参考になる部分もあるだろう。

直接対決を振り返りながら、SFの見どころを展望する。

名古屋D「リーグNo.1」のディフェンシブチーム

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名古屋Dのディフェンス強度をさらに高めたアーロン・ヘンリー

まず、名古屋Dとはどのようなチームか。端的に表現するなら、リーグNo.1のディフェンシブチームだ。

ショーン・デニスHCの下、もともとマンツーマンやゾーンなど多彩な守り方を駆使しながら、激しいプレッシャーを仕掛けるディフェンスを持ち味としていた。今シーズンは、平均スタッツの個人ランキングでスティール1位、ブロック2位に入ったアーロン・ヘンリーが加入したことで、より堅守に磨きがかかった。

実際、チームのディフェンス力を評価するうえで精度が高い「ディフェンシブレーティング」(100回守った時の平均失点)はリーグで最も少ない。

もう一つの武器は、強力なリバウンド力だ。平均42.3本はリーグトップで、オフェンスリバウンドに限った15.6本も1位。外国籍選手だけに依存せず、サイズのあるウイング陣を中心に日本人選手もリバウンドへの意識が高い。

この堅守とリバウンド力があるからこそ、セカンドチャンスポイントとファストブレイクポイントが、いずれも上位につける。勝負どころでは日本代表ガードの齋藤拓実、元キングスの今村佳太、得点力の高いヘンリーらがオフェンスをけん引し、勝利を積み重ねてきた。

インサイドの柱であるスコット・エサトンがレギュラーシーズン終盤から負傷離脱しているが、それでも大一番で宇都宮を破るほどの高いチーム力を誇る。

リバウンドで圧倒できるか

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インサイドでの活躍が期待されるジャック・クーリー(左)とアレックス・カーク

名古屋Dが有する「リバウンド」「ディフェンス」という強みは、数字上ではキングスと似ている。

キングスはジャック・クーリーとアレックス・カークを中心にインサイドで強みを持ち、平均のリバウンド(41.6本)、オフェンスリバウンド(15.1本)はいずれも名古屋Dに次いで2位。名古屋Dと同じく、佐土原遼や脇真大、松脇圭志など日本人選手も積極的にゴール下へ飛び込んでボールを掴みに行く。

勝負の鍵になる部分で言えば、このリバウンド争いが一つ目の重要なポイントになる。

レギュラーシーズン(RS)の直接対決2試合はリバウンドの本数ではいずれも名古屋Dを上回った。それでも60-73、76-80で敗れたため、インサイドの制圧は勝利に向けた最低限の条件と言えるだろう。

ディフェンスリバウンドを着実に抑えて相手のセカンドチャンスポイントを防ぎ、オフェンスリバウンドを掴んで、キングスがリーグトップの数字を記録しているセカンドチャンスポイントを積み上げていきたい。

ディフェンシブレーティングについては、キングスもリーグ6位と上位につける。RS終盤にかけて連動性が高まっており、QFでは、内外から効率良く得点する三河を60〜70点台に抑えた。このディフェンスを継続し、キングスと同様に積極的なペイントアタックを軸とする名古屋Dのオフェンスを食い止めたい。

ターンオーバーをいかに抑制するか

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ボール運びをする岸本隆一(右)とデイミアン・ドットソン

もう一つの勝負のポイントは、名古屋Dの堅守をどう突破するかだ。

RSの対決では、1試合目で19回ものターンオーバーを誘発され、名古屋Dの「ターンオーバーからの得点」は21点に上った。2試合目は11回に抑えたものの、この試合でもターンオーバーから16点を献上している。いずれの試合も、この部分が最大の敗因となった。

キングスの平均ターンオーバー数は10.9回とリーグで2番目に少なく、名古屋Dのディフェンスの圧力がいかに強いかが分かる。

メインハンドラーや、高い位置でボールを持ったビッグマンなどに積極的にプレッシャーを仕掛け、ボールが離れた後のローテーションも極めて速い。ハーフコートで受け身にならず、人とボールを動かしてプレッシャーを逃しながら積極的なペイントアタックやポストプレーでインサイドを徹底的に攻め、ファウルも誘いたいところだ。

ボール運びの段階からスティールを狙ってくる場面も多い。QFの宇都宮戦では、ガードの加藤嵩都を中心に高い位置からトラップを仕掛け、相手のターンオーバーを誘って一気に流れを引き寄せていた。

キングスはオールコートでも常に集中を切らさず、ハンドラー以外の選手がスクリーンで相手ディフェンダーをはがしたり、パスを受けに行ったりすることが求められる。ターンオーバーの数をどれだけ抑制できるかが、勝敗に直結するポイントだ。

ヴィック・ロー「沖縄で戦えることは非常にうれしい」

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メディアの取材に応じるヴィック・ロー=5月13日、沖縄サントリーアリーナ©琉球ゴールデンキングス

勝負の初戦を2日後に控えた5月13日、キングスはメディアに一部練習を公開し、桶谷大HCとヴィック・ローが取材に応じた。

ローは「相手がどこであれ、リバウンド、強固なディフェンス、攻守両面でフィジカルに戦うことなど、自分たちがやるべきことをやることが大切だと思っています」と語った。まさに勝負のポイントを押さえたコメントであり、相手の強みを消す準備はできていそうだ。

再びホームに戻ってこられたことについては、2人とも喜びの言葉を発した。

桶谷HC「自分たちがコントロールできることを頑張って、ホーム開催を勝ち取ることができました。ファンの皆さまの前でチャンピオンシップを戦えることを幸せに思っています。ファイナルを懸けた戦いでもありますが、一つひとつの試合を戦っていくこと、目の前の1試合に集中していきたいと思います」

ロー「セミファイナルを沖縄で戦えることを非常にうれしく思っています。多くのファンの皆さまが会場に集まってくれると聞いています。エナジーを持って、私たちとともに戦いましょう」

セミファイナルの第1戦は15日午後7時から、第2戦は16日午後5時5分から行われる。1勝1敗となった場合は、18日午後7時35分から最終第3戦を実施する。

キングスにとっては5シーズン連続のファイナル進出、名古屋Dにとっては初のファイナル進出が懸かる。近年は毎シーズン、地区上位を争う西のライバル同士なだけに、熱いシリーズになることは間違いない。

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