公開日
OKITIVE編集部

OKITIVE編集部

「変わらないために変わり続ける」沖縄のソウルフード・富士家ぜんざいの挑戦

沖縄の強い日差しが照りつける夏。そんな日に恋しくなるのが、ひんやりと冷たいスイーツだ。中でも金時豆の優しい甘さが広がる「ぜんざい」は、多くの県民に愛されるソウルフード。県外では温かいものを想像する人も多いが、沖縄ではかき氷と一緒に味わう冷たいスタイルが定番だ。

その代表格として知られるのが、今年で創業35年を迎える「富士家」。沖縄ファミリーマートで販売されればすぐに完売するほどの人気を誇るこの一杯には、伝統の味を守り続けるための工夫と、時代に合わせた変化があった。「変わらないために変わり続ける」を掲げる富士家の今と、その未来に迫る。

目次

県民に愛される味の哲学

「富士家のぜんざいは多くの県民に愛されていますけれども、この強み、こだわりはどういったところなんでしょうか」
番組MCの問いに、富士家代表取締役社長・大嶺隆氏は「変わらないために変わり続けるというのが昔からの考え。同じ商品を売っていても、売り方は変わり続けている」と語る。
創業当初はデリバリーから始まり、持ち帰り販売、スーパーやコンビニへの卸売へと販路を拡大。
7年前に冷凍保存技術を確立したことで卸売を本格化し、現在では年間80万~100万個を販売。
その多くは夏場の半年間に集中する。

伝統の味を支える「だし氷」とアメリカ産金時豆

富士家の特徴が、豆の煮汁を凍らせて作る「だし氷」だ。一般的なぜんざいが白い氷を使うのに対し、氷そのものに味を付けることで、最後まで変わらないおいしさを実現している。
主役となる金時豆はアメリカ産。復帰前から続く特別措置により安価に仕入れることができたことから、沖縄独自のぜんざい文化が育まれた。
那覇市松山の工場では、約80~90度のお湯で豆を炊き、その煮汁を「だし氷」に加工する。工場の壁には「氷が命」という言葉が掲げられ、味へのこだわりが受け継がれている。

遊び心から始まった多角的な事業

ぜんざい一筋と思われがちだが、大嶺社長は不動産事業やバンド活動、デイサービス事業「富士家リライフ」も展開している。
創業のきっかけは、実家の向かいにできたピザのデリバリー店を見て、「ぜんざいを配達したら面白い」と仲間と話したこと。また、「自分たちの遊び場を作りたい」と始めたバー「オーレ」は32年続く人気店となった。
デイサービスでは「富士家がやったらこうなる」をコンセプトに、スポーツジムへ通うような感覚でリハビリに取り組める施設づくりを目指している。

沖縄から世界へ。老舗が見据える新たな挑戦

大嶺社長の視線は世界へ向いている。現在はベトナムを拠点に、アジア各国やオーストラリア、インドへの展開を視野に「だし氷」を世界へ広めようとしている。
国内ではファミリーマートとの「コーヒーぜんざい」に続き、高級チョコレートブランド「ゴディバ」とのコラボ商品も進行中。新たなぜんざいの可能性にも挑戦している。

目指すは「少年野球のような会社」

コンビニスイーツが多様化する中でも、大嶺社長は「35年たっても、少年野球のような会社でいたい。無邪気さを大切に、新しいことへ挑戦し続けたい」と語る。
創業時の遊び心を忘れず、仲間とともに挑戦を続ける富士家。「変わらないために変わり続ける」という理念のもと、沖縄のソウルフードはこれからも新たな可能性を広げていく。

『OKINAWA BUSINESS FRONTLINE』
毎週土曜 午前11:20~11:45 沖縄テレビにて放送中

毎週土曜午前11時20分放送(沖縄テレビ)「OKINAWA BUSINESS FRONTLINE(オキナワ ビジネス フロントライン)」

沖縄で日々生まれる新しいビジネスと、挑戦を続ける企業の“いま”に迫る経済トーク番組『OKINAWA BUSINESS FRONTLINE』。沖縄を舞台に、県内の有名企業や注目企業のキーマンがスタジオに出演。ここでしか聞けない経営の裏側や戦略など、トークと取材映像を交えて分かりやすく伝える。
過去の放送もご覧いただけます。

あわせて読みたい記事

あなたへおすすめ!