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OTV報道部

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復帰を知る vol.17 ~映像から知る人々の思い~

沖縄は2022年、本土復帰50年の節目を迎える。OKITIVEでは「本土復帰50年企画」として、2012年に沖縄テレビのニュース番組内で特集したシリーズ企画「復帰を知る」などの過去の放送素材と、新たに取材した復帰にまつわる内容などを加えて特集していきます。
17回目は、映像から知る人々の思いについてです。

復帰前、異民族統治からの脱却を願った沖縄の人々。その現場を報道の第一線にいたカメラマンが何を思いレンズを向けていたのかに迫る。

本土復帰から50年、沖縄は社会資本の整備も進み人々の暮らしも以前と比べ豊かになった。しかし、広大なアメリカ軍基地は復帰前と、変わりなくそこに居座りつづけている。移りゆく時代の中でカメラはいつも、その時そこにある事実を伝える為、被写体をファインダーにとらえてきた。

1972年5月15日、本土復帰を祝う記念式典が開かれた那覇市民会館のすぐ隣では、復帰に反対する集会が行われた。依然として、アメリカ軍基地が残る事などに抗議の意思を示すためだ。5月15日は複雑な県民の感情を表す一日となった。

沖縄テレビの社員で作る労働組合の日誌。5月15日の集会に参加した組合員が、当時の様子を伝えている。取材する側でありながらなぜ集会に参加したのか?当時沖縄テレビの報道デスクだった東江粂雄さんは、その日の心境をこう語る。

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「沖縄県民として、それこそ生命財産権利の獲得の戦いであるという前提に立っていましたので、それを守る為に行動を共にすると、問題を共有する立場だったと思います。この雨は県民の残念な悔しい涙であると。堂々と主張する参加者もいましたけどね。そういう心境だったと僕も思いますね」

東江さんは1962年から37年間報道部に在籍した。その彼が、忘れられない記憶として語ってくれたのが「教公二法」阻止闘争の取材だ。

「教公二法」は、教職員の身分保障などを定める法案だったが、この中に政治活動を制限する内容が盛り込まれていた。このため教職員側は「祖国復帰運動を抑え込むもの」と強く反発し賛同する市民とともに審議が行われていた当時の立法院で法案の撤回を迫った。

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「みんな余裕がなかったね、女の先生なんかそれこそ緊迫感にみなぎって、追い込まれたというのか、使命感を背負っている先生達だったよ本当に」

議場内は、一触即発の緊迫した状態となったとの事だ。ここで東江さんは、事態の収拾に動いた当時の立法院議長、長嶺秋夫さんの姿に感銘を受けたという。

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「拳挙げる中でこんな冷静な人かなぁと思ったよ。で考えたときにキーブルダッチャーしてね、毛が逆立ちしてよ、それこそだからもうこんなさ。こうしながらシャッター押したさ」

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「軸足をどう添えて取材にあたるか。どういう時でも自分の立場を、自分が持っているカメラとかペンというのは、正しく伝えるために書くために自分は取材をしているんだよと。県民に変わってこういう映像を伝達するんだよという気持ちでもって取材にあたるんだよね」

人々の声が大きな力となり廃案へと追い込んだ教公二法阻止闘争。それ以降、復帰運動は勢いを増していった。そして東江さんは、沖縄の状況を内外に発信し伝える為、最前線でシャッターを押し続けた。

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「喜怒哀楽のその人の表情だろうね。涙している人の涙、嬉しいときには嬉しく笑うんじゃない、何考えているのかな?ズームしてしわがあるんじゃない、あっ、これは年輪の苦労の表情だな、記事に勝るものはこういった被写体の特徴しかないさぁね、それだけで物語が理解できるし見る人に感動を与えているし、メッセージも出来るしね」

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「これに37年間付き合ったんだよ。(ゼンマイが回る音)いろんな取材をして、歴史の重みさあね。はい、ご苦労さんでしたね」

東江さんをはじめ沖縄の置かれた現実に向き合い取材する人たちがいた。その映像からは、祖国復帰を必至に願い、時には立ち止まって悩み、笑い、励まし合ってきた沖縄スピリッツが見て取れる。

復帰して50年、未だ居座り続けるアメリカ軍基地。そこから派生する様々な事件事故。県民の切実な願いが届かない現状は、復帰前と何も変わっていない。

東江さんは、沖縄の現状を見てきた一人として、伝えるべき方向性を見失わないことが大事だと指摘した。

元沖縄テレビの報道デスク 東江粂雄さん
「『我慢しなさい我慢しなさい』では我慢が出来ないし、生命財産を守ることが出来ないんだと。右左関係なく上下関係なく事実は事実として、映像を通して堂々と立ち向かって頑張って頂きたいなと思いますね」

沖縄テレビの映像ライブラリーに残されているモノクロフィルムには、復帰前、沖縄の将来を真剣に考え行動した人々の思いが映し出されている。未来を切り開くため過去を知る。復帰を知らない私たちにとって必要なことと改めて感じた。

復帰50年未来へ オキナワ・沖縄・OKINAWA
2022年5月15日(日)正午から沖縄県内のテレビ8チャンネルにて生放送!

>番組情報はこちら!

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