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OTV報道部

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多様化する働き方~注目される副業・複業~

――今回は経済のスペシャリストであるブルームーンパートナーズの仲座健二さんと共にお伝えしていきます。

仲座さん
「よろしくお願いします。さて今回のテーマは『多様化する働き方~注目される副業・複業~』についてです」

働き方への意識に大きな変化が!

どちらも読み方は同じ「ふくぎょう」ですが、働き方には大きな違いがあります。「副業」は本業の合間に行うサブの仕事のことで、「複業」は複数の仕事をすべて本業として行うことを言います。

上場企業の管理職を対象にしたアンケートによりますと、「副業(複業)が認められている」と答えた割合が2018年では22.8%だったのが2021年では37.2%とおよそ15ポイント上昇。

(出典:THE ADECCO GROUP)

コロナ禍の3年間でリモートワークなど新しい働き方が急速に進み企業の「副業(複業)」に対する意識も変わってきています。

県内で今年度から社員の副業を認めた企業に、その狙いを聞きました。

ひとり一人の成長のため副業を認めた琉球銀行

琉球銀行では、行員ひとり1人のワークライフバランスの充実や、組織の活性化を図るため、2022年4月から行員の副業を認めました。

琉球銀行人事部 部長 多嘉良尚子さん
「職員の個人の強みとか専門の知識とか、スキルを磨く機会になってもらえればなと思っています」

琉球銀行に務める 新垣尚さん
「これまでの経験を活かした講演活動とかそういった啓蒙活動的なものができればいいかなと思っています」

琉球銀行に務める 山城貴史さん
「自分の成長ができるようなチャレンジをしていきたいなと考えています」

琉球銀行では講演活動や料理教室、観光ガイドなど行員が銀行で培った知識や個人のスキルを活かした副業をする事を想定しています。

また副業する事で人脈や視野が広がりそれが本業につながる事を期待しています。

琉球銀行人事部 部長 多嘉良尚子さん
「(副業で)個人個人のスキルが広く深くなることによってそれが銀行の仕事にも活かしていけるような副業の活動をして頂けたらと思っています」

仲座さん
「働く人たちの中にも、自己実現のために新しい働き方を求める人も少なくありません」

「複業」をするからこそ学べる事がある

続いては、フリーランスとして複数の仕事を掛け持ちする若者を取材しました。

毛利日皆さん
「ラジオをお聞きの皆さん、おはようございます。日曜日の朝、如何お過ごしでしょうか。」

岐阜県出身の毛利日皆(かな)さん、24歳。現在、FM那覇で子どもたちの将来の選択肢を広げる番組のパーソナリティを務めています。

毛利日皆さん
「やりたいこととしては将来的に学生の方の力になりたいという想いがすごく強くて」

今年3月まで名桜大学に通っていた毛利さん。「学生のキャリア教育に携わる仕事がしたい」という想いを軸に、現在はフリーランスとして、ラジオパーソナリティの他高校の授業のプログラム作成や就活イベントの開催など4つの仕事を兼任しています。

しかしなぜ、企業に勤めるのではなくこのような働き方を選んだのでしょうか?

毛利日皆さん
「正社員として働くよりもいろんな仕事を体験できるほうが自分は楽しさを一番感じられるし、会社に入っていないからこそ、学べる部分もたくさんあるんじゃないかなと思っている」

毛利さんは今月から、那覇空港にプレオープンしたコワーキングスペースのマネージャーも務めていてそこで得た「企画や運営のノウハウ」を自身が開催するイベントに活かそうとしています。

那覇空港国際線ターミナル

毛利日皆さん
「自分が今まで企画してきたイベントは、学生向けがほとんどだったのでビジネスマンむけにどういうふうにやったら、皆さんが喜んでいただけるかだったり、そのあたりを勉強したいなと思っています」

沖縄ITイノベーション戦略センター セクションMG  兼村光さん
「同じ会社の中にずっといると、ここの中の常識にとらわれてしまうというかですから色んな所を経験している人のほうが、外部の視点というのがあると思うので、それがそれぞれの組織にとって刺激になると思うんですよね」

複業するメリットとしては、短時間で幅広い分野でスキルアップでき、企業としても外部からの新しい風を取り入れる事が挙げられます。

毛利日皆さん
「複業(副業)することで、そこでの経験値が増えたりとか人脈もどんどん広がっていくかなと思うので、そこでの経験を活かしながらこれから学生の人たちにキャリア教育という形で何かやっていけたらなと思っています」

仲座さん
「大学を出てすぐにフリーランスで活躍する人は稀なんですが毛利さんは現在4つの仕事の収入を合わせると新卒の正社員がもらう給料ぐらいはあると話していました」

仲座さん
「また県も、今年度から副業や兼業している人と県内企業をマッチングするプロジェクトを開始しました。その名も「人材チャンプルー」です!内容としては、県の内外にいる専門的な知識を持っている人を兼業や副業といった形で、県内企業に呼び込み企業の悩みを解消したり、業務の効率化を図ろうというものです」

雇用形態や働き方が多様化する中で、今後さらに副業(複業)が普及していくと思われます。

今日の一言

――さて仲座さん。今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

仲座さん
“価値を高める成長の機会”。

今回のような取組は、働く人にとっては、本業では得られない幅広い分野での経験やスキルアップが、企業側にとっては、組織の活性化や従業員の定着率の向上といった、互いの価値を高め合う効果があると考えられます。

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