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くらしと経済編集部

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海の力を活かす再生可能エネルギー『潮流発電』

後間
こんにちは。後間秋穂です。
今回は海の力を利用した再生可能エネルギー「潮流発電」について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。よろしくお願いします。

海の力を活かす再生可能エネルギー

後間
エネルギー資源を輸入に頼る日本ではこのところガソリン価格や電気料金が値上がりし家計を直撃していますよね。

宮里
はい。1リットルあたりのレギュラーガソリン価格の推移を見てみますと、2020年5月は115円だったのに対し今年3月には約163円とこれまでにないペースで高騰していることが分かります。
この背景には新型コロナウイルスの影響で止まっていた経済が動き出し需要が高まったことなどが挙げられます。

電気料金も過去5年間で最も高い水準に達していて、発電に使われている液化天然ガスや石炭など、輸入に依存している資源価格の高騰が主な要因となっています。

日本の2018年度のエネルギー自給率はわずか11.8%でエネルギーを安定的に供給するためにはなんとか自給率をあげる必要があるといえます。

ガソリン価格の推移

後間
そうなんですね。今回のテーマは「潮流発電」ということですが、国内のエネルギー自給率をあげることと関係しているのですか。

宮里
はい、そうなんです。潮流発電は海底に設置した水車を潮の流れで回転させ、発電装置のタービンを回す仕組みです。
風力発電は風で風車を回転させますが、潮流発電はそれを海中で行うイメージです。
ただ仕組みこそ風力発電に似ていますが、潮流発電にしかない大きなメリットもあります。
それは、風があるかないか、晴れか曇りかなどといった天候の影響を受けにくく絶えず発電できるという点です。
さらに原子力発電や火力発電に比べても環境汚染のリスクが少ないこともメリットの一つです。

潮流発電の仕組みとメリット

後間
利点の多い技術なのですね。日本の開発はどのくらい進んでいるのでしょうか。

宮里
はい。日本では1983年に世界で初めて潮流発電に成功したという実績があります。
さらに近年の大きな動きとしては九州のある電力関連会社が長崎県五島列島で国内初となる大型潮流発電システムの実験を行うことを発表しました。
これまでは発電量500キロワット級の発電システムを使用していましたが、今回の実験ではより発電量の大きい1000キロワット級のシステムを同じ海域に設置します。
五島列島は離島が多いという特性上、通常より発電コストがかさみ、実証実験では将来的に離島での発電コストを低減したいという思惑もあるようです。

また日本では潮流発電以外にも海の力を活用した様々な再生可能エネルギーの開発が進んでいて、
今後、実用化と普及に繋がっていくことを期待したいと思います。

潮流発電の最新動向

後間
今後の動向に注目ですね。今回は「海の力を活かす再生可能エネルギー『潮流発電』」について宮里さんに伺いました。ありがとうございました。

宮里
ありがとうございました。

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