沖縄経済
海外、若者が再評価。日本酒の新時代
小林
んにちは。小林美沙希です。
日本で長く愛されてきた「日本酒」。
その味わいが再び注目されています。
野村証券那覇支店支店長の北田敦司さんに伺います。宜しくお願いします。
北田
宜しくお願いします。
小林
私は、日本酒たまに味わうのですが、国内での消費量は年々落ち込んでいる、という話を耳にしたことがあります。
北田
おっしゃる通りで、日本酒の国内出荷量は減少傾向にあります。
1998年にはおよそ113万キロリットルだった出荷量は、2018年には、その半分以下のおよそ50万キロリットルまで落ち込んでいます。
日本酒離れが進んだ大きな要因としては、ビールの量産体制が整ったこと、ワインや焼酎のブームが訪れたことで「楽しめるお酒の選択肢が増えた」ことが挙げられます。
小林
日本伝統のお酒が飲まれなくなっているのは少し寂しく感じます。
北田
そうですね。
ただ、国内とは対照的に海外の需要は高まっていて、2008年から2018年の10年間で輸出量は倍以上、輸出額は3倍近い伸びをみせています。
小林
右肩上がりで急激な伸びをみせていますね。背景には何があるのでしょうか。
北田
1つ目の要因としては、2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、「世界的な和食ブーム」に火が付いたこと、2つ目の要因としては、ここ数年増えている外国人観光客が、滞在中に日本酒を味わい、お土産として購入することで、海外にも「日本酒ファン」が増えていることが挙げられます。
小林
海外の方も、日本酒の魅力に触れる機会が増えているんですね。
北田
はい。それに加えて、海外のバイヤーに向けた大規模なイベントが国の内外で盛んに行われていることや、全国各地の酒蔵や自治体による、地酒の積極的なPR活動が行われていることが、輸出の好調につながっています。
小林
作り手や自治体の努力もあるのですね。
海外輸出が好調な一方で、今後国内の市場はどうなっていくのでしょうか。
北田
実は、国内の日本酒市場にも興味深い兆しがでてきています。
週4日以上、日本酒を楽しむ人の割合を、2017年と2018年で比較したところ、男性は全世代で減少していましたが、女性は20代、30代で増加の傾向にあることが分かりました。
小林
若い女性が日本酒を楽しむようになっているんですね。なんだか意外です。
北田
最近ではスパークリングタイプなど、女性にも味わいやすい商品が増えたことや、女性一人でも入りやすい、オシャレな日本酒バーや飲食店が増加していることが関係していると考えられます。
海外での人気上昇で、日本人が改めて日本酒の魅力に気付く、そうした流れが出てくることが今後期待されます。
小林
今後の動きに注目ですね。
今日は、海外で人気を集める日本酒の最新動向についてお話を伺いました。
北田さん、ありがとうございました。
本記事では、2020年3月に沖縄テレビ「くらしと経済」で放送された
生活に役立つ経済情報を分かりやすく紹介しています。(掲載内容は取材時点の情報です)
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