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くらしと経済編集部

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食品工場が観光スポットに。楽しみ広がる一般開放

小林
こんにちは。小林美沙希です。
楽しみながら学ぶ事ができる「工場見学」、国内で様々取り組みが進んでいるようです。
野村証券那覇支店支店長の北田敦司さんに伺います。宜しくお願いします。

北田
宜しくお願いします。

小林
沖縄でも飲料メーカーやお菓子会社が「工場見学」を行っていますよね。

食品工場が観光スポットに。楽しみ広がる一般開放

北田
そうですね。
食品や飲料が製造されている過程を見学できる「工場見学」がいま手頃のお出かけ先として人気を集めています。
大手旅行代理店が実施したある調査では、旅行先で体験した事について尋ねたところ「工場見学」が最も多い結果になりました。
最近の旅行では、訪れた先で何が体験できるかが重視される傾向にあるようで、工場見学はそのニーズにマッチしています。

小林
屋内での見学が多いと思いますので、天候に左右されないのも嬉しいですよね。
「工場見学」のブームが始まったのは、いつ頃からなのでしょうか。

北田
2010年ごろから、全国の都市部や首都圏に企業博物館や見学施設がつくられるようになったことや、工場の製造過程を見せるテレビ番組が人気になったことで、モノづくりの現場に対する消費者の興味が高まった、という要因が挙げられます。

小林
私たち見学する側としては、いろいろな知識を学べて楽しいですが、受け入れる企業側にはメリットはあるのでしょうか。

食品工場が観光スポットに。楽しみ広がる一般開放

北田
まずは「自社商品の宣伝」という目的があります。自社の歴史や商品へ興味を持ってもらう事ができますし、見学者がSNSなどで発信することで宣伝効果も期待できます。
また、あえて社外の人の目に触れるようにすることで、製造スタッフのやる気が出る、といったメリットもあるようです。

小林
確かに見学者が興味をもってくれると、生産者はモチベーションがあがりそうです。

食品工場が観光スポットに。楽しみ広がる一般開放

北田
全国的なブームを受けて、体験内容に工夫を凝らした工場見学も多く登場しています。
例えば、埼玉県で230年以上の歴史をもつ醤油メーカーは、2019年11月に醤油蔵を改装して「しょうゆパーク」を開業しました。
ここでは、蒸したての大豆の香りを楽しめたり、「醤油麹」に触れたり、「もろみ」をかき混ぜることが出来るなど、五感全てを活用する体験を案内しています。
他にも、ある大手菓子メーカーでは、2017年にアイスクリーム工場に見学施設を設けました。大型冷蔵庫の氷点下の世界を体験できたり、有料でアイスクリーム作りが出来ることが評判をよび、2019年には来場者が10万人を突破しました。

小林
面白いですね。工夫を凝らせば、小さな工場でも話題となる見学を生み出すことが出来そうです。

北田
おっしゃる通りです。
実際に、地域の複数の町工場が共同で工場見学を開催する「オープンファクトリー」というイベントが全国各地で行われています。
地域一帯で取り組むことで新しい観光資源になるとして注目されています。

小林
今後の動きに期待したいですね。
今日は人気を集める工場見学の最新動向についてお話を伺いました。
北田さんありがとうございました。

本記事では、2020年2月に沖縄テレビ「くらしと経済」で放送された
生活に役立つ経済情報を分かりやすく紹介します。(掲載内容は取材時点の情報です)

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