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大城 良太

大城 良太

沖縄の防災士が教える!今すぐできる台風対策まとめ6点

沖縄在住の防災士が教える台風対策まとめ

台風がよく接近することから「台風銀座」と呼ばれる沖縄。最近では、地球温暖化の影響で台風の勢力が強くなり、沖縄だけではなく日本各地に甚大な被害をもたらしています。
この記事では沖縄テレビのアナウンサーで防災士でもある大城良太が、沖縄県民が実践している台風対策や知っておくべき台風の豆知識、ちょっと変わった沖縄の台風あるあるをご紹介します。

目次

台風が発生したら・・

台風は自然災害の中でも備えられる災害です。
いつ自分が住んでいる地域に台風が接近するか予測が立つので事前に対策ができ、身の安全の確保や家財道具を守る事に繋がります。

まず、台風が発生したら気象庁のホームページで台風の進路と勢力を確認しましょう。
気象庁のホームページにある防災情報の台風情報には、最新の台風の位置や今後予想される進路、勢力などが随時更新されています。我々、報道機関もこの情報をもとに原稿を書いてみなさんにお知らせしています。

《まめ情報》
さらに詳しい情報が知りたい方は、台風が発生した際に気象庁が出す「台風第●号に関する情報」を見れば、予想される風の強さや降水量なども一度に知る事ができますよ。

台風に関する用語

台風が発生するとよく耳にする用語をまとめておきます。
接近する台風がどれぐらい危険なのかを正しく把握し、外出してもいいのか自身の行動を判断しましょう。

「台風の強さ」とは

台風の「強さ」は、台風の中心付近の最大風速で決まります。

・強い
最大風速が33メートル以上44メートル未満(屋外での行動は極めて危険な状態、思わぬ飛来物による負傷の危険性、走行中のトラックが横転する)

・非常に強い
44メートル以上54メートル未満(樹木や電柱、街灯、ブロック塀の倒壊、屋根などがめくれる被害の可能性)

・猛烈な
54メートル以上(木造住宅の倒壊、鉄筋構造物の変形など建物被害の可能性、駐車している車の横転の可能性)

「強風域と暴風域」とは

台風の周辺で強い風が吹く可能性のある領域を「強風域」「暴風域」と呼びます。

・強風域
台風や発達した低気圧の周辺で平均風速が15メートル以上の風が吹く範囲

・暴風域
台風の周辺で平均風速が平均風速25メートル以上の風が吹く範囲

「台風の大きさ」とは

台風の大きさは台風に伴う風速15メートル以上の「強風域」の半径で決まります。

・表現しない
500キロメートル未満

・大型
500キロメートル以上、800キロメートル未満

・超大型
800キロメートル以上

台風の暴風で荒れる沖縄の海

沖縄の台風対策6点

年に1度は台風を経験する沖縄県民にとって、台風対策はまさに日常茶飯事。ですが、台風をあまり経験した事のない沖縄県外のみなさんにとっては、台風にどう備えていいのか分からないかもしれません。
そこで、こちらでは沖縄でよく取られている台風対策を6点紹介いたします。万が一に備える際の参考にしてみてくださいね。

《台風対策①》家の外での備え

・ベランダの排水溝を掃除する
ベランダの排水溝がつまっていると最悪の場合、自宅が漏水してしまう恐れがあります。事前に掃除しておきましょう。

・屋外のものは室内へ避難させる
庭やベランダに植木鉢や傘、物干し竿などを置いていると台風で飛ばされて人やモノに当たってしまう恐れがあります。特にトタンや看板などは風に飛ばされ易く、非常に危険です。 あらかじめ室内に移動させるか、堅固に固定しておきましょう。

台風時は、庭やベランダなど屋外の物を室内へ避難させる

《台風対策②》家の中での備え

・窓のサッシに新聞紙や雑巾を詰める
雨水の浸水を防ぐために窓のサッシに新聞紙などを詰めましょう

台風対策のため窓のサッシに新聞紙や雑巾を詰める

《台風対策③》停電に備える

台風では飛来物が電線に絡まるなどで停電もしばしば。地域によっては復旧までに長い時間がかかることもあるので、停電対策は必要です。

・懐中電灯やろうそく、LEDランタンなど光源を準備する
停電したときにすぐに灯りがつけられるように手の届くところに置いておきましょう。一家に2~3台あるとあんしんです。

・スマートフォンの充電をしておく
災害時にスマートフォンの電源が切れてしまうと連絡が取れなくなってしまったり、情報収集ができなくなったりといろいろ不便です。同時にモバイルバッテリーの充電もしておく事もオススメです。

・冷蔵庫の中を整理しておく
停電してしまうと、冷蔵庫が使えなくなり中に入れていたものが腐ってしまう恐れがあります。台風が接近する前に停電を想定して、溶けてしまいそうなものや傷んでしまいそうな生鮮食品を早めに消費しておきましょう。
 
・クーラーボックスや保冷剤を準備する
保冷材は停電した時の暑さしのぎにも使えます。台風時には窓を開けることができないので、エアコンが使えなくなった際に保冷剤を活用して涼をとりましょう。
ちなみに、保冷剤は100円ショップでも売っていますが、空いているペットボトルに水を入れて凍らせたものでもOKです。溶けて飲料水としても使用できるので一石二鳥です。

《台風対策④》食料の買い出しや調理

・食料を備える
特に沖縄の島しょ部(離島)では船便がストップしてしまう事が多いので、2~3日買物に行かなくてもいいように食料を備えておきましょう。その際にほかの住民の事を考えて必要以上に買い占めないように注意しましょう。

・カセット式のガスコンロなど熱源を確保する
食料があってもガスや電気が止まっていては調理は出来ません。カセットコンロなどがあると簡単な調理ができて便利です。ひとつ持っておくことをオススメします。

台風前の食料買い出しでカラになったスーパーの棚
台風の影響で商品が未入荷となっている張り紙

《台風対策⑤》断水への備え

・浴槽に水をはる
断水した時に備えて、浴槽に水をはりましょう。トイレ用水や洗濯用水などに使用できます。このとき、お子さんがいるご家庭では転落などがないよう十分に注意してください。

・飲み水の確保
日頃から災害に備えて飲み水のストックを準備しておきましょう。一般的に、大人1人に対して1日3リットルの飲料水が必要だといわれています。

《台風対策⑥》台風が接近中

・傘はささない!
強風・暴風が吹く中で外を歩かなくてはいけない際は、決して傘をさしてはいけません。風にあおられて転倒し、怪我をするおそれがあります。移動せざるを得ない場合は、カッパなどを使用してください。

・車のドアを開ける時は慎重に!
強い風にあおられて、車のドアがすごい勢いで開閉することが考えられます。そのせいで隣の車を傷つけてしまったり、指を挟んで大怪我してしまったりするおそれがあります。十分な注意が必要です。

沖縄県民の台風あるある

台風に慣れている沖縄には、ちょっと変わった台風あるあるがあるってご存知ですか。沖縄で生活してみないとわからないことだと思うので、その一部をご紹介してみます。

ホテルに避難する

直前割りなどを使って、沖縄県内のホテルに宿泊する沖縄県民がいます。これは、家発電装置を備えているホテルでは停電の心配がなく、スタッフも常駐しているのであんしんだからです。室内プールなどで遊べるメリットもあります。停電や断水で不便するよりも、ホテルで快適に台風を過ごすのもひとつの方法ですね。

公共交通機関が再開されるかどうか、情報をこまめにチェックしがち

台風がとおり過ぎたのが午前中の場合、特に学生はテレビから目が離せません。午前中に暴風警報が解除され、バスやゆいレールが運行再開すると、午後から授業がはじまることがあります。沖縄県内企業もこのルールを用いているケースがあり、公共交通機関の運行再開が基準となって午後からお仕事ということも。この運行再開情報を見逃さないよう、沖縄県民はこまめにチェックしがちです。

レンタルDVD店などが激混み!?

ひと昔前は台風が来ると外出ができないので、暇つぶしのためにDVDを借りる人が多くいました。そのため台風が来る前日は、レンタルビデオ店には長蛇の列ができていました。
いまは動画配信サービスが充実してきたので、その光景は見られなくなったかもしれませんね。停電してもスマホが使えれば動画が見られるいい時代になりました。

最後に、沖縄在住の防災士からワンポイントアドバイス

最後になりますが、沖縄に住む防災士の私から、台風時に注意をしていただきたいポイントをお伝えいたします。

防災士の資格を持つ、OTV沖縄テレビの大城良太アナウンサー

台風の進行方向の右側に入る場合は要警戒

台風は上から見て反時計回りに空気の渦を巻いています。このとき、「台風を動かす力」と「中心に向かって吹き込む風の向き」が一緒になり、台風の右半円では風がより強くなります。そのため、自分の住んでいる地域が台風の進行方向の右にある場合は、暴風・強風に警戒が必要です。

正しい情報と知識を持つことで、台風はきちんと対策することができます。しかし「想定を上回る災害」が毎年発生しているのも事実です。身の安全の確保が最優先なので、危険と感じる前に安全な場所への避難を心がけてほしいと思います。

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