沖縄が本土に復帰して半世紀が経ったいまだからこそ、改めて復帰の意味について考えたい。そして伝えたい。昔からウチナーンチュが悲しみを乗り越えるため、喜びを表現するため、そこには“歌”があった。音楽は世相を反映する。
OKINAWA SONG BOOKという企画から発展したライブイベントに出演したアーティストへ”沖縄復帰50年”に思うことを聞いてみた。
HYさんへインタビュー！
――沖縄復帰50年という節目でこういった形のイベントをやってみての感想をお願いします。
HY 新里英之さん
「すごく先輩たちに温かく迎えてもらいましたね。また自分たちの世代は復帰の瞬間を経験してない時代なんですけど、やっぱりこういうふうに僕たちが音楽を全国に発信できるっていうのも、音楽を通してだったら、もう紫さんとか、いろんな民謡界の方たちがこの復帰から・・・もう本当に戦前、戦後もそれから繋がってるんですけど、絶えず音楽をずっと繋いできてくれて、そして今日があると思うんですよ。なのですごく感謝の気持ちを込めてステージに立っていました。」
HY 名嘉俊さん
「もう年齢層がすごくてですね、幅広くて。なんか沖縄って歌の島だな音楽の島だなって改めてライブしながら感じましたね。」
――イベントで最初に歌っていただいた曲「時をこえ」はどういう思いで歌われましたか？
HY 仲宗根泉さん
「「時をこえ」という歌は、一見すると、戦争反対みたいな内容なんですけど、私たちが伝えたかったのはそういうことではなくて、みんな命は平等だからあの時代はその命を家族を守るためにお互いやりあうしかなかったけれど、それでもそんな苦しいなか生き抜いた人たちがいるおかげで、いま繋がって繋がって私たちの命に、心に宿っている。
だから自分の命ってポンッて生まれたわけではなくて、本当にすごく大事に生きていかなきゃいけないよっていうことを伝えたかったんです。
結構、私たちよりもお客さんの年齢が高かったんですけど、歌ってるときもうんうんって頷きながら聞いてくださっていたので、そういうことって年齢も関係ないし、音楽のジャンルとかも全然関係ないし、また新しいお客さんへ伝わっているのかなと、
今日、ふだん（HYの歌を）聞かないようなファンの方もたくさんいたので、何か自分たちの思いがまた新しくこうやって、浸透していくといいなと思いながら歌ってました。」
――どういう思いで復帰50年を迎えましたか？
HY 名嘉俊さん
「うちの母もその復帰当時はもう県外にいたりとか、道が逆になったりとか、もう本当にあのときに一生懸命頑張って今日を繋いできてくれている。自分たちもこれから次の世代にどんな感じで残していけばいいんだろうと毎回話しているので、音楽を通して何かいろいろと伝えていけたらいいなと思います。」
――復帰50年を経て、これからやってみたいことはありますか？
HY 許田信介さん
「どうしましょう・・・世界ツアー（笑）沖縄の魅力を発信していくっていうような感じだね。いろんなアーティストと対バンみたいな感じで、ツアーで回りたいよね。HYだけじゃなくて、素敵な先輩たちのアーティストもいるから、みんなで一緒に。」
――最後に読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
HY 新里英之さん
「今回このライブに出て、より沖縄の魅力、深さを感じることができました僕たちが大好きな沖縄、この自然に触れて、守っていきながら、目の前の美しいものを拾い集めて、いつもどおり音楽としてみんなに届けていきたいと思います。」
HY 名嘉俊さん
「このイベントは、2回目3回目と続いていってほしいね。なんかやっぱり沖縄っていろんな歌があるから、BEGIN先輩のさ、島人ぬ宝でもさ、トゥバラーマとか、デンサー節とかって何を言っているのか、（歌を聞いている人が）分かっていない部分を伝えていく。そんなOKINAWA SONG BOOKの役割みたいなものがどんどんできたらいいなと思いますね。」
