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OKITIVE編集部

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宮沢和史 単独インタビュー ~ライブイベントを通じて考える沖縄復帰50年~

沖縄が本土に復帰して半世紀が経ったいまだからこそ、改めて復帰の意味について考えたい。そして伝えたい。昔からウチナーンチュが悲しみを乗り越えるため、喜びを表現するため、そこには“歌”があった。音楽は世相を反映する。
OKINAWA SONG BOOKという企画から発展したライブイベントに出演したアーティストへ”沖縄復帰50年”に思うことを聞いてみた。

宮沢和史さんへインタビュー!

宮沢和史 単独インタビュー

――イベントに出演した感想をお願いします。

まず「島唄」っていう歌を番組で取り上げてくれたことがうれしいです。
沖縄の名曲って星の数ほどあるじゃないですか。その中の片隅にでも置いてくれたんだなと思うと感慨深いものがあるし、30年間、沖縄と離れず歌い続けてきて良かったなと思いますね。

【沖縄復帰50年】宮沢和史 単独インタビュー
【沖縄復帰50年】宮沢和史 単独インタビュー

――「島唄」は宮沢さんにとって、どういった曲でしょうか?

「島唄」っていう歌を作ったことによって僕の人生の道が決まっていったと思うんですね。あの曲を作ったのは二十五、六歳のときでしたけども、もしあの曲を作っていなかったらまた全然違う道を選択していて、その道を歩んでいったような気もするんですね。
ただ、沖縄と出会って沖縄が日本が犯したその戦争におけるミスというか、罪というかそういうことも思い知らされましたし、そして沖縄に対してヤマトの人がどういうふうに行動すべきかみたいなことも勉強させられたし、考えさせられた。
ですから「島唄」を作ったことによって、この日までの道のりが決まったんだろうなと。そこを僕は一歩一歩、歩いてきたんだろうなと。今日改めて思いましたね。

注)「ヤマト」は沖縄方言で「大和」、つまり日本本土を表す言葉。

宮沢和史 単独インタビュー

――復帰50年をどのように感じていますか?

日本に復帰するときに、沖縄県民のみなさんが本当に大手を振って喜ぶ、すべての人が喜ぶ、そういう復帰ではなかったと思うんですね。問題を残したまま決まったことでもあるし。ただとても大事な年だと思うんです。
あのときのことは良くなかったっていま論争することも大事かもしれないですけど、でもそうじゃなくてこの1年を大事に使って、沖縄のことをたくさんヤマトの人間そして世界の人間に知ってもらう良いチャンスだし、本土のマスコミもたくさん取り上げてくれてますし、きっとアメリカの方もいろいろ考えてる1年だと思うんですよね。
残り4ヶ月になりましたけど、僕も実はこういうことがあったんだよとか、沖縄の人はこういうふうに考えてきた50年だったんだよって、僕の知る限りではありますけど、伝えていきたいなと思います。
沖縄にとって大事な年っていうことは日本にとっても大事な年ですから、そこを何か橋渡しといったらおこがましいけれども、間をつなぐことが出来たらいいなと思ってます。

――復帰50年を経て、これからやってみたいことはありますか?

僕も自分が長い道を歩いてきたので、あと何年歌えるのかなんて考えることもあるんですよね。たとえば「島唄」だって、あと何回歌えるんだろうって考えたら、1年に歌う回数って数えられるくらいですから。でも今日みたいなイベントで歌わせていただいて、また若い子たちがあの島唄を歌ってくれたり、宮沢の意思っていうかそういうものがもし伝わって、僕が歌わなくなってもいろんな人が歌ってくれたら平和への希求、そして亡くなった魂のレクイエムみたいなものが若い世代につながっていってくれたらいいなと思います。
僕は、沖縄の素晴らしい歌い手とか、三線を作る人とか、そういう人たちの技術や民謡を収集して5年かけてアーカイブ化したんです。それとはまた違う形で紹介する、そして継承していくためのアーカイブみたいなものを今後作っていきたいと思っていますね。

あとは沖縄の民謡界はすごく素晴らしい方がいっぱい育ってきているので、彼らが伸び伸びと力を発揮できるように、沖縄そしてヤマトの方でもそういう場を作ってあげたいなというふうに思っています。

宮沢和史 単独インタビュー

――最後に読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

沖縄の未来っていうのはやっぱり沖縄の人がつかむべきものだと思いますから、沖縄の100年後200年後、または、もっと近い10年、50年でもいいんですけど、どういう島であって欲しいかっていうのをイメージしてほしいんですよね。
100年後にこうあってほしい、それをみんなで話し合ってイメージすると必ずそこへたどり着けると思いますし、こうあって欲しいんだなっていうことを聞けると、僕自身も沖縄のファンとして自分のやれる範囲でお手伝いしたいなというふうに思います。
いまは戦争が起きたり、いろんな災害が起きていたり、コロナもあったり、3日先や1週間先がどうなってるのか誰にもわからないような世の中ですから、将来、沖縄がどうあったほうがよいかを、ぜひみんなで話し合ってほしいと思います。

連載企画「OKINAWA SONG BOOK」

誰もが知っている【一曲の沖縄の歌(ウチナーソング)】をテーマに、歌詞に込められた思いや制作秘話などを紹介しています。

沖縄ソングブック_沖縄歌集

OKINAWA SONG BOOK記事一覧

各記事は、こちらからご覧になれます。

沖縄ソングブック_沖縄歌集

OKINAWA SONG BOOK-本土復帰50年特別企画-

放送日時
2022年11月19日(土)午後2:00~2:55放送(1時間版)
2022年12月6日(火)午後7:00~8:54放送(2時間版)

沖縄県内のテレビ8チャンネルにて放送。
番組では今年10月に開催されたライブイベントの模様をお届けします

番組情報はこちら

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