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デラックス×デラックスに聞く!SNS活用でファン急増中、追い風に乗り活動拠点を沖縄→東京へ。
ある日、スクロールの指を止めてしまうSNS動画に出会いました。スマホ画面からはみ出しそうなビッグサイズの体、圧倒的な歌唱力、ハイクオリティな投稿動画。すぐにプロフィールページを開き、いくつも視聴して、気付けばかなりの可処分時間を費やしていた…。それが沖縄出身の歌謡曲パフォーマンス集団「デラックス×デラックス」と筆者の出会いです。新春特番バラエティ「ゴリん家で語やびら(ゴリんちでかたやびら、OTV沖縄テレビ)」の収録で、今年上京すると話していた彼女(?)らにインタビューを試みました。
※注釈:「語やびら」はウチナーグチ(琉球語)で「語りましょう」の意味
目次
バンドにとってのターニングポイント
――今回はデラックス×デラックスのメンバーから、アサガオさん(Vo)、サクラさん(Dr)、シダさん(上手SP)に来ていただいています。さっそくですが、これまでの活動で重要かつ印象に残っているシーンを教えてください。
道頓堀 桜さん(以下、サクラ)「ターニングポイントはやっぱり2017年の『新宿ビーチパーティー』かな。両国SUNRISE(東京)で行われたライブに参加したときのことです。」
輝夜 朝蛾王さん(以下、アサガオ)「新宿ビーチパーティーは、私たちがお世話になってる沖縄Cyber Box(那覇市松山)のオーナーさんが東京で企画しているイベントです。オーナーから『出ない?』ってお誘いいただいて、沖縄県外での初ライブになりました。
当時、私たちは学生でお金がなく、飛行機代を搔き集めるのもしんどくて…。ちょうどそのころ大学生バンドのコンテストがあって、出場して優勝賞金10万円をもらって、そのお金で初の東京遠征が叶いました。
その東京初ライブで前の事務所スタッフと知り合い、そのまま入って。それから事務所に所属しながらの活動がスタートしたんですが、そこからがまた紆余曲折で…(笑)」
サクラ「いろいろあったねぇ。首里でバーをやったり、子ども食堂を手伝ったり(笑)」
――順風満帆に活動してきたわけではないのですね…
アサガオ「そのあと最初の事務所を退所したころで、ちょうどコロナ禍になって。私たちはすぐに配信ライブに切り替えました。すでに沖縄県外のファンがチラホラいたので、配信ライブを通じて沖縄以外にも認知が広がればいいなぁって。
2022年にTikTokとInstagramを始めたら、あっという間にフォロワーが10万人まで増えて。おかげで県外のファンもどんどん増えました。それで東京でのワンマンライブがわずか1日でソールドアウトして。」
サクラ「デラデラブレイクのきっかけはSNSですね。最も反響が大きいです。」
アサガオ「SNSのおかげで、一歩どころか二歩も三歩も前に進めさせてもらいました。」
――SNSを味方につけたんですね。私の通っているバンドと比べると、デラックス×デラックスはSNSの取組みが全く違うように思います。SNSをうまく使ってファンを増やされていますよね。
獅挐さん(以下、シダ)「もともとSNSを始めたのは、コロナでライブ活動ができなくなり、自分たちの曲や活動をカロリー(ファン)に見てもらえる場所を作りたかったのが理由です。」
サクラ「始めたころ、どうやったらフォロワーが増えるかSNSの研究をしたねぇ。」
アサガオ「めっちゃ研究した~。最初は全然伸びなくて、TikTokのフォロワーも400人くらい。なんとなく1、2か月やってみたけど『このままではダメだ!』って思って。私は歌詞を作って、サクラは曲を、シダはパフォーマンスを作っているから、3人でよく話し合いをするんです。それでSNSも『何がデラデラの武器だろう』って練り直して。」
サクラ「ほんと3人でいろいろ研究しました。TikTokで流行ってる踊りを試してみるとか、ショートコントをやってみるとか。こういう話を取材されるの恥ずかしいなぁ。こんなインタビューあんまりないですよ(笑)」
SNS研究でデラデラ流に極める
――多くのSNS動画を試すなかで、どんな光が見えてきたのでしょう?
サクラ「あるとき、おっきな体を扱った動画がちょっとだけ伸びたんです。ほかにも歌の動画が少しだけ伸びて。これがヒントになり『おっきい体』と『歌』、そこに沖縄在住の私たちだからできることを組み合わせようって。」
アサガオ「それが『沖縄の青い空と青い海』でした。この3要素がそろうとインパクトが強く、見ていてどこか引っかかるんですよね。動画の再生回数が増えて、去年2月に投稿したカバー曲『かもめが翔んだ日』はバーンと伸びて100万再生。それで『ああ、やっぱりこれなんだ』とわかって。」
シダ「世のなか的には旅行に行けないだとか、いろんなフラストレーションが溜まっていた時期でした。」
アサガオ「きれいな沖縄の景色を求めていたみんなのタイミングと歯車がはまって。ちょうど良かったんだでしょうね。」
サクラ「振り返ると、伸びないから新しいことをやってみるのではなく、私たちにしかできないことを全面に出すスタイルがよかったんですよね。これにたどり着いてからは順調で、かもめが翔んだ日はもうすぐ300万再生だし、ほかにも100万再生の動画が何本も生まれました。」
――とても興味深いです。お聞きするように沖縄の海を背景にしたものもあれば、ゲゲゲの鬼太郎のような演出もあって。どの動画もクオリティが高くこだわりを感じますし、コンスタントに公開されていますよね。
アサガオ「撮影はSTUDiO PON’Sが担当しています。ミーティングと試行錯誤を繰り返しながら、『このカバー曲がいいんじゃない?』『こうやったら撮れるんじゃない?』って二人三脚で取組んでくれて。月に14、5本は動画を出しています。
カバー曲を一発撮りする『THE FIRST DELUXE』の1回目に、ポルノグラフィティの『サウダージ』をやってみました。ほかのアーティストがやっているファーストテイクって、白ホリのスタジオ撮影が多いじゃないですか。でもデラデラなら沖縄の海バックのほうがいいんじゃないかって、海で撮ったんです。そうしたら、やっぱり動画の再生回数は伸びました。」
――THE FIRST DELUXEといえば、フォロワーからリクエストを募集していますね。コメント欄にさまざまなリクエストが届くと思いますが、毎回どのように選んでいますか?
アサガオ「コメントは1件1件見てますよ。リクエストをもらって曲を決めて。新しいTHE FIRST DELUXEの動画を投稿したら、そこにリクエスト曲をコメントしてもらって、それをひとつずつ見ながら次の曲を決めて。とにかくコメント欄に集約しています。コメントを打ってもらってる間は、動画の再生回数も伸びますし。」
――そうやってフォロワーとのエンゲージメント(つながり)を高めていった、と。バンドマンもSNS攻略が必要な時代ですね。
サクラ「まさにそう!もちろん動画を楽しんでもらえるよう、編集も工夫しています。ループするように作ったり、予期せぬところでわざと切ってみたり。続きが気になるよう意図的に仕組んでいます。
ほかにも、毎週水曜日の弾き語りライブ配信も工夫してて。リクエストコメントに知ってる曲があったら、その場でコードを調べて弾いて歌ってみます。フォロワーに楽しんでもらえるよう、私たちらしいやり方を考えているんです。」
勢いに乗っての上京は「期待感しかない」
――SNSを使いこなし全国にファンを作る様子に、とても勢いを感じます。2023年はいよいよ上京ですね。いまのお気持ちを聞かせてください。
アサガオ「上京は期待感しかなくて。すぐに東京に飛びたいくらい!もう秋までスケジュールが埋まっています。きっといろんな場所のカロリー(ファン)に会いに行けるんじゃないかな。ワクワクしかありません。」
サクラ「沖縄ではできない『バンドマンあるある』が楽しみです。移動車に乗って、いろんな地方を陸続きで回れるといいなぁって。東京から九州、札幌まで車で行けるって聞きました。各地のおいしいものが楽しみです。
いまメンバー全員でルームシェアしているんですが、東京でもその予定で。だから寂しさとか金銭的な心配はありません。ただ、おいしい沖縄そば屋さんがあるのかは心配…。霧の紅茶ミルクティーとか森永カフェが飲めなくなるのも寂しいです。」
シダ「以前、2週間ほどメンバー全員で東京生活を経験しているので、私も不安はなく楽しみです。」
――東京進出後にライブで立ちたい場所や、オファーされてみたいことってありますか?
アサガオ「東京でライブしてみたい場所は、両国国技館!」
サクラ「座布団を敷いた升席を作って、あえて土俵を残したままライブしてみたい。ステージは全方位見える感じにして。一試合、相撲の取組をしてからライブやってもいいよね(笑)」
シダ「国内外問わず、大型フェスに出てみたい。最初は興味なさそうな人たちでも、みんな集めて盛り上げます。」
アサガオ「フェスとかお祭りに出ると、めちゃくちゃ盛り上がるんですよ、うちら。演奏始まったら客席がパンパン!ほかには47都道府県をまわってライブもしたい。そして全国のおいしいものを食べて、まんまるになりたい(笑)」
サクラ「日本に生まれたからには各地をめぐって、日本全国を深く知りたいよね。ごはんもおいしそうだし。そのためにも、まずは名を広めないと。」
アサガオ「みんなの期待を裏切らないようにしないとね。」
あなたの「だから沖縄が好き」とは?
――最後に、デラックス×デラックスにとっての「だから沖縄が好き」を教えてください。
サクラ「何がいいかなぁ。沖縄の人柄も好きだし、ごはんも好きだし、景色も好きだし。」
アサガオ「沖縄そばって書く?(笑)」
サクラ「食べもの!(笑) じゃあ『青い空、青い海、おいしいごはん』にしよう!最高だぜ~!」
アサガオ「食育に強い政治家みたい(笑)」
――これからの活躍も楽しみにしています!本日はありがとうございました!
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