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OKITIVE編集部

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開催間近!「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

高校軽音楽部の日本一を決定する「第2回全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES」が12月25日に大阪で開催される。全国8地区でエントリーした多数の高校の中から、地区大会で選出された代表校がそれぞれの熱い思いを込めたパフォーマンスを披露して競い合うバンドコンテストだ。

間近に迫る大会を前に、主催者のmiki music mirai代表・戸田雄己さんと、大会テーマソング「青焔(セイエン)」を制作・提供したGReeeeNのメンバー・92(クニ)さんの対談が実現した。大会が立ち上げられてから今までの経緯やテーマソングに込められた2つの意味と迸る思い、そして出場者や高校生たちに向けた熱いメッセージを、盛りだくさんでお届けする。

「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

軽音部員たちの“居場所”として

「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)
「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

―先ずは「スニーカーエイジ」の立ち上げとこれまでの経緯について、戸田さんにお聞きしたいなと思います。

戸田:スニーカーエイジが誕生したのは1979年で、まだ私が2歳くらいの時ですね。その時に三木楽器の店員だった吉田繁夫という現在の大会プロデューサーであり、弊社の会長が立ち上げたんです。

最初に関西地区で大会を開いた当初は参加校9校のみだったのが、徐々に参加する学校が増えてきて、1番多い時には120校ぐらいに達したとのことでした。

そんな中で、2010年ごろ私が出版の仕事をしていて、甲子園に行けなかった子たちの1人1人の物語を取材して、岩崎夏海さんに監修をしていただいて『甲子園だけが高校野球ではない』という本を作ってたんですね。それをたまたま吉田が読んでくださったんですよ。それをきっかけにして、音楽と本とのコラボレーションしませんかっていうお声がけをいただいてイベントに行ったのがきっかけで、パフォーマンスの前後で、学生たちが感動して先生を真ん中にみんな泣いていて、涙しながら「来年は後輩に委ねます」という話もしていた。それが高校野球の取材で僕が見てた光景と全く同じだったんです。これは関西だけでやるのは本当にもったいないなと思って、まず関東でやってから全国に広げよう、と考えました。それが2010年の10月だったんですけど。そこから5年かけて東京含め、神奈川、埼玉いろんな学校に訪問して、いろんな方々の力のおかげで2015年に関東大会を開くことができた。

高校生の子たちが全国大会で一堂に集まれる場所を作ってほしいという声もいただいていたこともあり、コロナ禍ではありましたが、全国大会にしました。様々なご協力をいただき実現しました」

―ダイジェストでお話してもらったんですが、それでも濃厚エピソードが凝縮されてますね。ちなみに92さんはスニーカーエイジについて、どのようにお知りになりましたか?

92:教えていただいて調べたら、すごい歴史もある大会で。高校生の時の熱量…高校生じゃなくてもそうなんですけど、何かに打ち込んでる時間を誰かに見せるということを形にする姿勢に凄く共感を持ちました。もっともっとみんなに知ってほしいし、もっともっと大きくなってほしいしって感じましたね。

テーマソング「青焔」に込められた2つの意味

「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

―いま92さんが「熱量」や「打ち込んでる時間」という言葉を言ってくれましたが、GReeeeNが手掛けた大会テーマソングの「青焔」にそれが表現されていますよね。メンバーの皆さんで作られたということですけど、どういう風な思いを込めて作り上げていったのでしょうか。

92:楽曲に関しては、僕たちも「あの曲のこの部分のリフがかっこいいよね」みたいなコミュニケーションをすごくたくさん積み重ねてきました。バンドで曲をやるって、誰かがカッコ良いフレーズを練習して、別の楽器の人がまた練習して、それを組み合わせて楽しい時間があったと思っていて。そういうものになったらすごい嬉しいなという思いで作ったというのはあります。

歌詞に関しては“心の中にくすぶってる焔”という感じではあるんですけど。本当は燃えているんだけど、ただこの(コロナ禍も含む)昨今の状態とかで見せられないとか消えかけていることもあると思うんです。それを出してもいいんだよ、っていう気持ちだったり、むしろ出すべきだと思ってるので。あと、声援が出せないような世の中で、青い焔と書いて「セイエン」という、2つの意味を込められたらいいなと。

ここで言う「青い」というのは青二才とかまだ未完成という意味の「青さ」なんですが、僕らの『GReeeeN』っていう名前は緑なんですけど、「まだまだ青いよね」っていう意味合いで付けられた僕らのグループ名の緑にも重ねてます。たぎった思いや、その青い炎であればいいなという願いを込めているというか。多分それは学生の皆さん全員が持ってるでしょうし、音楽に関わらず勉強かもしれないし、もっと複雑な事情もあるかもしれないけど、全ての人の心にコロナ禍でも青い焔をたぎらせて燃やしていこうという気持ちが届けばいいなと思っています。

―ちなみに92さんが音楽やり始めたのはいつぐらいからでしょうか?

92:今回のこの対談をするにあたって振り返ってたんですけど。今から振り返ると、もちろんGReeeeNで楽曲を作ったり歌詞を書いたりっていうのがあって、デビューする前にはイベントに出たりもしましたし、それこそ大学の学園祭で僕とSOHという2人のメンバーは後から入ったんですけど、練習も兼ねて度胸をつけるためにステージングも意識しようみたいな感じでで、実はバンドを組んだことがありまして。

HIDEがベース、naviがギター、僕とSOHがボーカルで。同級生の軽音楽部の友達にドラムをやってもらって、なんていう名前だったのかな…「モスグリーン」だったか「エメラルドグリーン」だったか、ちょっと忘れたんですけど。そんなバンドをやった経験もありますし、その時の時間もすごい思い出です。

もっと振り返ると、高校生の時ににバンドブームだったんですよね。ギターやりたいな、と思ったらたまたま姉が持ってたので練習してみたりとか。たまたま母親がピアノの先生で家にピアノがあったんで練習してみたりっていう環境はあったんですけど、僕は体育会系の部活に入っておりまして、バンドを組めなかったんですよね。でもその分憧れがすごいあって、かっこいいな、やりたいなって思ってました。

当時別の学校のバンドマンとかとライブハウスを借りて、対バンみたいなのがあってそこに遊びに行って、ステージに上がって一緒に歌ったりとかいう思い出はありましたね。

「今この時を最高にするために歌うよ」

「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

―戸田さんは「青焔」の歌詞や思いだったりとか、込められた意味っていうのはどういうふうに受け止めというか、感想というか。

92:ありがとうございます。少し補足ですが、この歌詞はリーダーのHIDEが書いてるんですけど、彼は高校生の時から楽器を始めて、実際バンドマンだったんですね。だからその当時の状況や光景を見て通ってきてる人で、それこそ彼がバンドを始めた時期にスニーカーエイジのような催しがあれば、また違う形も見えたのかな、なんて思いますね。

―テーマソングを書くことが決まって、GReeeeNメンバーでは作り始める時にどんな風に受け止めましたか。

92:僕もそうですが、本当に学生のみんなと同じような道を通ってきたと思っているんですね。GReeeeNで曲作ってるのが楽しいけど、披露する場があまりなくて、その中でたまたま声をかけていただいて、ライブハウスでパフォーマンスするようになって、という過程を経てるので気持ちがわかるというか。

費やしてる時間だったり熱量っていうのを外に向けて発散・放出したいなっていう気持ちは共通していると思うので、共感も大きいし、ますます頑張ってほしいです。そのために楽曲を作った時に、この楽曲がどういう立ち位置になれば良いのかって考えると、先ほどお話したようなコミュニケーションの1つだったりとか、バンドやりたいけど親が厳しいなとか思ってても「別にやったらいいじゃないか」ということを表現できたらなと。

全国的にレベルが高く、今年は激戦!

「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)
2021年グランプリ 大谷高校 ©️産経新聞社
「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)
2021年準グランプリ 厚木高校 ©️産経新聞社

―今年の大会に向けての話にいきましょう。前回から全国大会になりましたが、全国2回目となる今回はどんな大会になりそうですか。

戸田:今年は去年よりも参加校が増えているんです。レベルも全国的に非常に高くなっていて、今年はどこがグランプリになるか予想がつかないですね。それと、ボーカルの技術がすごく上がっていて、今までは女性ボーカリストが目立っていたんですが、今年は男性もすごく増えてきています。

また、昨年から変わったことの1つとして、GReeeeNのファンの皆さんが去年からSNSで応援くださったり、大会にわざわざ来てくださって、温かいメッセージをくれたり、見守ってくださったりしてます。高校生の子たちとその親御さんとか、学校の子たちは例年楽しんでくださってたんですが、さらにそこにGReeeeNファンの方々とか一般の方に高校生の等身大の演奏が届き始めている。その意味でも、高校生たちの熱い音楽が日本全国の方に伝わる大会にしたいなって思ってますね。

あとは、グランプリを勝ち取った学校のエリアは来年ひと枠増えるという試みを行います。例えば、今年は沖縄の代表は2校ですが、仮に沖縄が優勝したら次回の出場枠は3校になる。出場の可能性が増えるので、エリアの子たちにとっても大きな目標になるかなと思います。

―92さんはプレイヤー側として、どんな大会だとモチベーションが上がったり、演奏が盛り上がったりすると考えますか?

92:全国大会になって、高校野球で言うと甲子園とか、ラグビーで言うと花園みたいな聖地的なものになっていくだろうと思っていて、そこを目指してみんなで切磋琢磨しながら進んでいく場所になってほしいなと思っています。そして多分おそらくなるだろうと感じています。そこに向けて活動して、その後時間が経って「あの時は大会出てたんだ」っていう話をした時に、またあらためて始めるケースもあるでしょうし、あの時は行けなかったけど「後輩たち頼むよ」っていう縦の繋がりもできるでしょうし。

もし自分が学生の時にこういう大きな大会があったら、出場したくて運動部に入りながら軽音部に入って目指してたかもしれませんね。

―戸田さんは、沖縄大会で色んなことを感じたそうですね。

戸田:沖縄の第1回大会ではすごく驚いたことがありまして。沖縄の人たちってテクニックの高さとかリズム感の良さもあるんですが、人柄が気さくで、生徒の皆さんや先生たちがどんどん私の所に来て、次はもっとこういう風にしてもっと良くしていきましょうよ!みたいな形で、第1回からいろんなご意見をたくさんいただいて、一緒に大会を創ってきたというイメージがあります。

高校生たちの「沖縄の文化を音楽にのせて日本全国に伝えたい」という思いをすごく感じられるし、県外の他のエリアの人たちと交流して友だちになりたいっていうこともすごく感じるんです。
沖縄では今まで音市場でやっていたんですが、コロナ禍もあって今はメディアセンターで無観客で行ってるんですけれども、やっぱり大きなステージでもう1度やれるような流れを作っていきたいですね。

好きなことに挑戦する勇気を持ち続けてほしい

―最後に、学生や若者たちへ、そして青い焔をくすぶらせている人たちへのメッセージをいただいてもいいですか

戸田:学校で過ごす1日1日ってあっと言う間に過ぎていくと思うんですけど、その時間を人との繋がりとか、自分の思いを発散することとかに費やしていくことで成長していくと思うし、それを楽しんでいってほしいなと思います。

そして、その3年間が終わった後も大事だなと思ってて、目標のためにこれだけ頑張れたんだから、その後に訪れる大学進学とか就職とか、社会人になった時の色んな支援があると思うんですけど、高校生活でのバンド経験が「でもあの時こういう目標で乗り越えてこれたよな、だから頑張ろう」という自分で頑張るきっかけになればと思うんです。

それと、大会にはボランティアスタッフという関わり方があります。高校を卒業してちょっと苦しいこととか、大変なときにボランティアスタッフとして関わってもらえる“戻ってこられる場所”をいつでも作っておきたいですね。バンドやってた頃を思い出して、やっぱり頑張ってきて良かったなという思いを噛み締めて「また翌日からまた頑張るぞ」と思えるような流れを作っていけたらいいなとも考えています。

音楽の大会なんですけど、何か憩いの場でもありたいし、そういう場所を若者たちのために作っていきたいですね。

92:何か好きなこととか、気になってることとかに挑戦する勇気を絶えず持っててほしいなと思います。それがおそらく「青い焔」であって、それを消さないでいれば、例えば今はできない時とか、試験があるからできません、親が厳しくてできません、みたいな時期ももちろんあるとは思うんですけど、その思いだけ消さないで挑戦し続けてほしいです。それが結果的には新しい道が見えるきっかけになるのではないかと思っていますし、そしてそれっていつから始めてもいいと思うんですよね。

僕も音楽好きだなと思ってましたけど、高校生の時はできなかったし、大学になって僕がやらないという選択もできたと思うんですけど、友達に誘われてチャレンジしてみたいと思ったので今こういう形にもなりましたし。

いつ始めてもいいから好きなこと、興味があることに挑戦する勇気を持ち続けてほしい。継続することで人生の新しい道が見えたり、新たな出会いがあって、いい仲間や友だちができて、その友達同士でいろんなことを教え合ったりすると思うので、出会った仲間たちを大切にしながら日々前に進んでほしいです。

「we are SNEAKER AGES 第2回 全国高校 軽音楽部大会」は12月25日(日)に大阪府のグランキューブ大阪で開催されます。
イベントHPはコチラ
https://www.sneakerages.jp/2022/final/
「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

大会テーマソング「青焔(セイエン)」も収録されている
GReeeeNのアルバム『ベイビートゥース』配信はコチラ
https://greeeen.lnk.to/babytoothhaishin
「スニーカーエイジ」の“熱さ”と大会テーマソング「青焔」の誕生秘話 戸田雄己 × 92(GReeeeN)

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